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相変わらずな話ですが諸事情により今回も(この作品にしては)短めとなっております。
精神と時の部屋を下さい。
ホントに。
その発想はなかった――まず最初にそう思った。
「…………自分も、ココで?」
「そう」
多分今の自分の顔を鏡で見たらきっと相当――いつも以上に間抜けな面になっている事だろう。対する彼女はただ純粋に「良い提案でしょ?」と――まるで褒めて褒めてと尻尾を振る犬ぐらいに解り易い笑顔と白い歯を魅せつけてくれた。……正直、眩しい。
「だって女の子だけの職場みたいじゃない?」
「あ、ああ……」
そこまでは判る。
「そうするとさ、ホラ重いもの持つ時とか力仕事が必要になった時にはやっぱり男手が欲しくなるんだよね。女子は」
「……そうなのか」
まぁここも……判らなくは、ない。
「そこでユウちゃんの出番ですよ」
「…………いやそれは、」
ちょっと判らない――と言うより先に、
「だってユウちゃん、執事服とか似合いそうだもん! というか絶対似合うって!!」
と彼女に先に言われてしまった。…………全く意味が解らなくなった。というかなんで急に生き生きとした顔で鼻息を荒げているのかな?
「ユウちゃんだってこれからいつも通り学校に通うっていうのも結構厳しそうでしょ?」
……自分の事も考えてそう言ってくれる彼女にはすまないが、自分は少なくとも金銭面では困りそうにないのが現実だった。
「でも、さっきの移動で見た限り――あの人達のご主人様の敷地から私達の学校って、下手したら以前より近いかもしれないじゃない?」
「…………えーと、それはまさか、」
「うん。泊まり込みで働けないかなー、って」
「…………………………、あー」
これは…………マズイ、その可能性を頭に入れてなかった。
マズイ。
とてもマズイ。




