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すいません短いです。
……というか「やっとか……」と思ってしまうような内容だったりもします。
本当だったらもっと前にこう来ても良かったのにね……何ででしょうか?
自分は斜め後ろの彼女から前方へ――使用人達の方へと、改めて顔を向け直す。丁度ミイユさんとエミリが、マリカさんとアリサさんが会話を切り上げた戸頃だった。
……とはいえ気になったのはそちらではなく。
自分が気に掛けたその4人の背後だった。厳密に言えばミイユさんとエミリと一緒に現れた背後の2人の事だった。どちらもメイド服を着込んで――着こなしてきているあたり他の2人、いや4人と同じように自分の使用人なのだとは思う。
まず片方は燃えるような赤――赤みがかった茶……なのだろうか? とにかくそんな赤毛の髪とそれと同色の瞳をもっていた。紗希のような背丈と健康的な肌を、しかし紗希より凹凸に長けた、アリサさんと――もしかしたら自分とも同世代なのかもしれない。また、今、自分と目が合った瞬間にキッ――、と明らかに歓迎とは程遠い意を映すその釣り目が、より一層『燃えるような』印象を与えてくる少女。
もう片方は凍えるような銀髪、それとサファイアかアクアマリンのような瞳をもち、体躯はエミリと似て……顔もその人形じみた美しさも似ている気がする。ひょっとすると姉妹なのかもしれない……しかしエミリの姉妹にしてはやけに無表情というか『何も見ていない』というか、アリサさんよりも冷たく――まるで本当に人形か機械のような気さえもする、そんな少女。
そのまた新たな2人の少女の存在に気を向け――だがすぐに自分はその考察を止めにした。
理由は言わなくても――――。
「……では、お2人とも準備の方に何か不備はございませんでしょうか?」
アリサさんが尋ねるように、窺うようにして自分達――厳密には紗希に対してそう言った。自分はチラリと紗希の方を向き反応を視線で訊く。するとすぐさま紗希も自分の方を見て、それから、
「大丈夫です」
と答えた。
では――――と聞き届けたという意味合いをもつ台詞を、今度はアリサさんではなくマリカさんが声に出した。
その途端だった。
その一言が鍵だったのかのように。空気が、一瞬にして切り替わった――日々を穏やかに生きる人々が、そしてなにより自分が最も苦手とする、あの重苦しさばかりがざらついて残る雰囲気へと移ろいでしまった。
行事を表す四字熟語の中で、最も不吉である『ソレ』が――――始まろうとしていた。




