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Side:黒金
賀茂家のごとうしゅさまって人の所に来ているんだけど、僕は暇なので色々と〝視て〟いた。
それで分かったんだけど、どうやら視たくないと思えば五月蝿いのを消せる事が分かった。
面倒なので普段は消しておこう。
ちなみに最後に見たのはコレ。
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賀茂 駿慶 男 四十二歳
体力・四十二
霊力・五十八
術技・五十九
知恵・三十七
知識・五十六
運勢・普
賀茂家の現当主。厳しき人物ではあるものの、それは京の都や主上を守る為に厳しくある。安倍家の現当主である、安倍晴海とも仲が良く、良好な関係を築いている。娘の艶がいつまで経っても嫁に行かない事が頭痛の種。早く斯明と一緒になれと思っている。
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あれ? 艶ってさっきの女性だよね?
嫁っていうのが何か分からないけど、一緒になるってなんだろう?
一緒に住むのかな? だったら住めばいいのに。
何か駄目な事があるってこと? ちょっと視てみよう。
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賀茂 艶 女 二十三歳
体力・二十八
霊力・五十七
術技・四十二
知恵・三十
知識・三十四
運勢・良
賀茂家の現当主の娘。十歳の時に斯明に会い、一目で惚れて婚姻の相手と定めた。以降、当主の命令であろうとも婚姻だけは了承しなかった女傑。未だに一筋に好意を抱いているが、当の斯明が理解していないので願いは成就していない
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うーん………よく分からないなぁ。どういう事なんだろう。
仕方ないから斯明のを見よう。
今までわざと見ないようにしてたんだけどね。
僕を助けてくれたから、勝手に見るのは良くないって思ってたし。
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鹿野 斯明 男 二十五歳
体力・三十一
霊力・七十八
術技・三十一
知恵・十八
知識・十四
運勢・普
平民の陰陽師であり、母の鹿野姓を名乗っている。父方の祖先の名は芦屋道満であり、陰陽師としての能力は高い。しかし悲しいかな、まともな教えを受けていない為、潜在能力を伸ばせていない。艶の気持ちには全く気付いていない癖に、最も好意を持っており、最も好みの女性が艶である。こういう者を朴念仁という
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朴念仁って何だろう? というか、コレなんて読むのかサッパリ分からないな。
他の人は大した感じじゃないし、この五月蝿いので自分は見れないんだよね。
それが出来たら自分を確認するのに。
「ところで、そこの童はいったい何者なのだ?
先ほどから金色の瞳が蒼くなったりを繰り返しておるのでな、気になって仕方がない」
「は? く、黒金。お前はいったい何をしておるのだ!?
金色の目が変わるとはどういう事だ!?」
「え? ………知らない。目、変わってるの?」
「どうやら本人は理解しておらぬようだな。
いったい何処の童なのだ? 目の色がそれ程に違うはおかしかろう」
「そ、それは………」
「賀茂家の当主たるワシにも言えぬか?」
「………分かりました。
ですが、私は黒金をおかしな事に巻き込みたくありません。
それだけは伏してお願い申しあげます」
「とにかく、まずは話してみよ。そうでなければ分からぬ」
その後、斯明が僕と出会った時の事を話した。
それを聞いた部屋の中の人達は驚いたが、すぐに大きな声を出すのを止めたみたい。
大きな声って五月蝿いから良くないよね。
「まさか稀人であったとは……。
確かにそなたの危惧も分からぬではない。
愚か者が己の権力争いに利用しようとするかもしれぬ。
主上に御会いした際に、密かに御報告をしておこう。
乙一級を一刀両断に出来る霊兵だと、おかしな者が出かねん」
「ありがとうございます。
しかし……金色以外の目の色を見たのは初めてで、何がなにやら分かりませぬ」
「ふむ。黒金と申したか。
そなたは心当たりがあるか?」
「えーっと……」
僕は斯明を見る。
だって斯明が話すなって言ったんだし、話していいのか何て分からない。
そうやって見ていたら理解したのか、斯明は話していいと言った。
「僕の眼で確認していたから、だと思います。
五月蝿いのが人にも視えるので」
「え? アレは人に対しても見えるのか?」
「うん。見えてたけど、斯明のは視ないようにしてた。
勝手に視るのは失礼だと思ったから」
「その見えるとは何なのだ? 何が見えている?」
「霊玉の等級とか、あとは人の名前とか数字とか」
「「「「「???」」」」」
斯明も首を捻っているので、僕は何が見えているかを一つずつ説明した。
女性のところでは女性が騒ぎ立て、斯明のところでは斯明が何やら落ち込んだ。
どうしたんだろう?
「ハッハッハッハッハッ! まさか人の能力を見る事が出来るとは凄いのう。
それに朴念仁と言われるとは、何やら面白い<異能>であるな。
しかし……斯明の祖先が芦屋道満とは驚いたわ。
おそらくだが、その異能は嘘を吐いていまい」
「でしょうね!」
「ふくくくくくく……。
目の前で恋煩いをバラされるわ、好いた男の好みだと言われるわ。
今日の艶は大変じゃのう! わははははははは……!」
「……//////」
女性がチラリと斯明を見たけど、目が合った瞬間、顔を下に向けて赤くしてる。
あれ、大丈夫かな?
「顔が赤いけど、大丈夫?」
「わははははははは……黒金は容赦ないのう。
知らぬであるからして仕方ないのであろうがな。
それにしても目出度い日よ!」
「もう私の事はいいですから!
それよりお話が終わったのであれば、私達は失礼いたします!」
「これこれ、怒るでない。ワシが悪かった、この通りじゃ。
それに、すまぬがまだ帰せぬ。
元々そのつもりだったのだが、斯明よ。
そなたには艶から陰陽術の基本をしっかりと学んでもらう。
師が悪すぎただけで、そなたの腕は伸びるでな。伸ばしてもらわなければ困る。
高い霊力を遊ばせておく余裕は、今の陰陽寮には無いのだ」
「お艶殿からでございますか?
その、私としてはありがたいのですが、賀茂家の技を習ってよいものなのやら……」
「なに、構うまい。祝言を挙げれば一緒よ。
うははははははは……!!」
「父上!///」
「おお、恐い恐い。まあ、だからして気にする事では無い。
それと、黒金の霊兵を見せてもらわねばならん。
最悪は黒金にも戦いをさせるかもしれぬ」
「まさか、再び百鬼夜行が?」
「分からぬ。かつての時代にあったのだ。
今、人心などが乱れており、妖怪も活発になってきた。
再び京の都が混乱に陥る事もあると考えねばならぬ。
なるべく左様な事にはさせぬつもりだが……」
「僕は敵が居るなら戦うよ」
「おお、勇ましくてよいの。それでは庭でやるかな。
ここの庭は試しの儀にも使われる故、殺風景じゃからの。
これが陰陽師の庭じゃと言えば正しいのであるが」
「父上がされるのですか?」
「ここは我が致しましょう。
どれほどかは知りませぬが、我の式神が倒せるならば、既に十分過ぎるでしょうかならな。
それに我ならば周囲の言い訳もききます」
「確かにな。頼めるか?」
「ハッ! お任せを!」
そうして何故か庭に出て戦う事が決定した。
何故だろう? 僕は戦ってもいいよと言ってないんだけど……まあ、いいか。
戦うのは式神だし、問題ないでしょ。
再び廊下に出て戻りつつ、廊下の途中で庭に下りられるようになっている所があった。
そこから下りようとすると、またあの醜い奴らがやってきた。
こいつ何でウロウロしてるんだろう?
「おやおや。賀茂家の御当主様が何故このような下賤な者と共に?」
「道丹か。貴様にどうこうと言われる筋合いなど無いのだがな? いったい何様のつもりだ?
陰陽寮で下らぬ事をやっておる暇があるならば、市井に出て妖怪退治をするか修行でもしておれ」
「くっ……! しかしですな。そこの者は下京の者。ここに居るには相応しくありませんぞ?
下京の者は下京に居るが正しかろう。
そもそも庭に出るとは試しの儀でもされるのですかな? ならばワシが相手を仕りましょうぞ」
「勝手に横から出てくるとは、どこまで驕っておるのか……」
「まあ待て、艶。
道丹よ、代わりに相手をすると横からしゃしゃり出てきたのだ。
負けたその時には、貴様の中央での登録は抹消する。
その覚悟は持っておるのであろうな?」
「ほう、これはこれは。ワシが修行の途中で放逐した者に負けると言われるとは。
ええ、ええ! 抹消していただいて構いませぬぞ」
「二言は無いな?」
「もちろん二言はありませぬとも」
「では「少々待ってもらおう」……晴海殿、如何なされた?」
はるうみって……あべとかいう家の人かな?
それにしても変な話になってきたなぁ。
この醜いヤツは斯明と戦うって誤解してるし、どうも御当主様がそれを利用するみたいだしさ。




