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61.オフ会

ログアウト後、夜都と大和は今後の作戦を練ることにした。

ただ、休日の昼下がりにこのまま家の中にいるのは気が滅入る。そこで気晴らしに近所のファミレスに向かった。



デザートメニューを眺めながら、夜都は愚痴を溢した。


「あ~あ…夕依が自己犠牲的なのはわかってたけどさあ」


「んー……」


「まさか俺と会ってたのも、ソレだったなんてなあ…」


「んー…」



なんと言っていいのか、大和は適当に返す。



「はい、俺このパフェ、もう、正直どうしたらいいかわからん。やーまーとー」


「ハイハイ、少し食べて落ち着こう。俺も疲れた」



二人ともぼーっとお茶をしながら、頭の中を整理していく。そのうち夜都が何かを書き出していく。いつものやり方だ。


─────────────────────────

〔最終目標〕

①朝野を異世界(ナイト)に取られない

②俺も巻き込まれない


〔達成条件〕

①の手段

(1) 他の候補探し

(2) 候補以外に代替物探し→アイテム?

(3) 創造主探し

※竜騎士達と夕依経由で連絡とるべきか→取り込まれないよう慎重に


②の手段

(1) ログインしない→現実への影響力を持つため無理かも

(2) 朝野と連絡を取らずにいる→そのままフェードアウト


〔出来ること〕

・ナイトについての情報収集

‐攻略エリアを広げる

‐創造主の詳細を調べる→ナイトの成り立ちも

‐竜の役割(過去と現在)

‐ゲームメーカー/運営会社の関わり方

‐タイムリミット

‐捜索には協力者を作る

・自衛手段をつける

‐特殊能力を磨く

‐現実世界での協力者


─────────────────────────


思い付いたものを書き出していると、大和が覗きこんできた。



「日比谷のこういうアプローチいいよね」


「お前みたいに頭の中で整理できないだけだよ」


「そんなことない――これ、関わりたくないのと、夕依を助けたいのと、そのジレンマって感じだね。うーん、①は、替わりの仕組作りもどう?神様の役割って想像つかないけど。あと、協力者いいね。明日レタス達に相談しようか、15歳の男の子の捜索だけ伝えてさ」


「その子、何があってそんな境遇に遭ったのか……今、創造主の役目を降りて何やってんだろ」


「…ナイトの裏側にも大陸あったよね。あっち、AIじゃなくて人が住んでるんじゃないかな」


「そこにいるかも、ってことか」


「う~ん。俺の予想では始まりの町(グラドス)の町長かと思ったんだけど。会ったとき様子をみるか…」



その他、他のエリアの攻略の話にも言及した。ナイトを知るには攻略範囲を広げたほうがよいのではないか、と二人は考えた。


…………………



翌日のレタス達とのオフ会は生憎の雨だった。だが、長居できるお店を選び、結局最後までその店にいることになる。

なぜなら――



「さあ!!白状してもらおうか。お前ら一体なに企んでんだあ?」



会って自己紹介もすっ飛ばしレタスに啖呵を切られる。



「ちょ、安達先輩、落ち着いて!ほらとにかく座って座って」



レタスこと安達は和風創作料理屋の個室の座敷の奥へ後輩に引っ張られていった。



「ごめんね~、昨日からちょっと溜まってた?みたいで爆発させちゃったみたい。堪え性がなくってねえ。あ、私、レイナこと向井恵令奈、え・れ・な、よ。紛らわしいプレーヤーネームでごめんね~。よろしくね」


「こんにちは、俺がヨルで日比谷夜都、こっちが」


「昼間大和です、よろしく」


「あのゲームだと本人とアバターがそんなに解離してないからいいわよね。で、この人、安達直也、でなぜかレタスよ。こんなに男臭いのにえらいギャップあるわよね~」


「向井、それは後でいい。昨日、夕依を泣かしただろ。あの後なにやったんだ!何か隠し事してるだろ!!」



噛みつかれるくらいの迫力でこられ、それに大和が何とか返す。



「安達さん、話してもいいけど巻き込まれるよ。ゲーム内の話だけじゃ収まらない。日常を脅かす恐れもあるから話せないんだ」


「構わねえ。夕依、あの子が関係してんだろ?最近塞ぎこんだりしてて見てられない。向井もそうだろ?」


「ええ、あなた達で抱え込むくらいなら話してほしい。今日は、少しは何か相談することもあったんでしょ?いっそのこと全部話しちゃって」



夜都と大和はお互いの目を合わせて頷き、彼らに全て打ち明けることにした。



………………………


「はあ~、マジかよ、手品じゃねえよなこれ」



夜都は信じてもらうため、二人の前で目に見える魔法、『全球(GPS)測位(Setting)登録(Point)』を使った。この魔法が起動すると手のひらが光るのだ。



「魔法使い……異世界……」とレイナも呟き呆然としている。


「……さっきは悪かったな。夕依に何かひどいことをしたと勝手に思い込んでしまってた」


「いや、いいよ。あの泣き腫らした目をみたらそう思うのも無理ない」


「安達さんは、夕依のことをよく知ってるのか?」


「……ああ。彼女の家族のことを知っている」








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