21.ユイ
章のタイトルを付けました。
自分でも見返すのが大変で……
夜都はネチケットを守っているほうだと自負している。特に女性プレイヤーは、実際の表情が見えない分、悪感情を持たれていないかどうか注意している。二人だけでの行動や1:1のチャットでも、相手のプライベートには自分からは踏み込まない。もっとも相手からのアプローチなら受け入れるが。
ゲーム内の夕依は本当に人気があったから、その分嫌な思いをしたかもしれない。自分も惹かれているのがわかったがそれを表に出さないようにしていた。
しかしある時を境に、夕依はDragonight Onlineにログインしなくなった。突然会えなくなって寂しい、というよりは、自分か他のプレイヤーに対して嫌気がさしたのではという恐怖心のほうが上回った。
「うう~~ん……」
久しぶりにログインしても、自分のIDはブロックされずフレンドのままだったので大丈夫だと思うが……夜都は、コンタクトをとってよいか迷った。
先に大和にフレンドリストから作ったデータを送ってから、夕依に短めの文字チャットを送ることにした。都合が悪いなら返事がこないだろうし、フレンドメールだとちょっと重い気がしたし、うん、様子だけ聞いてみよう―――
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ヨル: ユイ、急に来なくなったからびっくりした
ヨル: また遊ぼうね^^
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(――よし、じゃあ追加情報作っていくのか~。まず、最近よくつるんでる朝野からかな)
まず入力する順番にIDを並べて、どんどん入力していく。大変かと思ったけど意外とすぐできそうだ。一番時間がかかるのはそいつと起きた出来事かな…簡潔に文章にするのが難しいな……
カタカタカタ・・・・・・、ピコン!
チャットのメッセージを受け取った音が鳴る。リストを保存し直してから、チャット画面を開くと返信が来ていた。
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ユイ: 久しぶり! 連絡してなくてごめん、ちょっとリアルでバタバタしてて;;
ユイ: 忘れられてなくてうれしい(*´-`)
ユイ: 今ね、中に入ってなくて、生産のみんなとチャットしてたの。ヨルも混ぜていい?
ヨル: こっちも中にいない ちょっと別のことしてる
ヨル: それでよければ
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《 ヨル さんが入室しました 》
ヨル: こんばんは
明石や: お! ヨルも久しぶりじゃん!
ユイ: ヨル見つけたので招待しました^^
§めぐみん§: ばんわ! みんなログイン時間待ち 私あと5分
reinasama: ユイ様囲む会やるよ( *>ω<)b
ヨル: ちょっと今作業中 今日は入れないかも
明石や: ええええええーー ( ゜Д゜)ゞリョウカイ
§めぐみん§: 相変わらず連れないいー
reinasama: 最近見かけないじゃん どこで遊んでんの?
《 れたす さんが入室しました 》
れたす: キョロ^(・д・。)(。・д・)^キョロ
reinasama: (・ω・ = ・ω・)oドコドコ
れたす: ヽ(○´∀`)人(´∀`○)ノイェーイ♪
れたす: 珍しいメンツ!!
reinasama: そうなの!!
れたす: ちょっと!ユイちゃん! 何してたの! 心配したのよ~
ユイ: ごめんなさい;;ちょっとリアルで忙しくて、でももう大丈夫だから!
れたす: リア友じゃなくても、長く休むときは連絡してね!
ユイ: はい!れたすさん^^
れたす: あとヨルくん! きみ、どこにいるの?位置情報共有してないし取り込み中になってるから捕まんないんだけど
明石や: そうそう お前、全然ホームに帰っておらんやろ 畑がぼうぼうになってたやで その中で水遣りの人形だけ動いててえらいシュールやった
ヨル: 今、採取の旅に出て戻るの面倒になっちゃって そのうち帰るよ
§めぐみん§: ヨルくんはあの竜騎士と一緒にいるの?
ヨル: 最近は一緒じゃないかも ごめん、時間なくなっちゃったわ
ヨル: またね^^
《 ヨル さんが退室しました 》
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夜都は、エンドレスに話しそうな上に、最近の自分のことを聞かれそうで慌てて退室した。なんとなく朝野のことは話しにくい。あと天空の草原もまた朝野に関するから言えない。
(でも、夕依が前と変わってなくてよかったな)
大和へ送るレポートが進んでなくて罪悪感があったが、久しぶりにチャットしてそれぞれの性格や特徴を思い出せたし有意義な時間だった、と無理やり自分を納得させた。
(そういや、『れたす』って見た目はいかつい男なんだよな~……おかんだけど)
夜都は、寝る前までになんとか残りの情報を書き上げて大和に送った。時刻は深夜1時過ぎ、でも大和から受取の返事がすぐきてちょっと居た堪れなかった。




