表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐敗都市と清廉少年  作者: サッカリン
1/3

無知蒙昧の少年と

孤独だった。

物心つく頃には世界は終わっていて、孤児院に住んでいた。

この世界は、ごく少数の島国を残して死んでいた。

およそ30年前に突如発生したウイルスにより、死体は生を取り戻して、生者を襲い始めた。

一夜にして生と死のバランスは崩壊し、人類の道は暗い光で照らされている。

無知蒙昧な僕は、実際にそれを見たことも、経験したこともない。


しかしそれでも生き延びた人類は、結局生物の本能に則って、繁栄を諦めていなかったらしい。

日本はウイルス発生の年に、帝政となった。理由は不明だが、今の日本の支配者は『殲滅帝』

と呼ばれている。日本にもウイルス汚染は広まったが、それを全て、『殲滅』した事から由来されている。

日本には、あまり資材が潤沢にあるとは言えない。そこでこの偉大なる統治者は、ある法を施行した。

『特別資源回収法』

これは、崩壊した国へと赴き、その国にある資源を回収して、日本の血肉とする法だ。

その回収者は、公務員として認められる、立派な『職業』である。

しかし、時に人員不足が起きることもある。その時には孤児院にいる孤児たちから抽選され、人員補充を行っていた。

それが今の僕だ。今まで仲良くしてくれていた人たちは、

「おめでとう」 「居場所が見つかったね」

と泣きながら、心にもないことを言う。

先生に教えてもらった、徴兵、と言うものに似ていた。


そして、今まさに回収任務が始まろうとしていた。


教官の『五十嵐』と言う人が説明を繰り返す。

「いいですか、今から貴方達には訓練課程として、中国の北京へと行ってもらいます。」

「任務は簡単。金属製の物、なにか有用だと思う物をできる限り持ち帰って、生還することです。」

「しかし、もはや海外には生存者はほぼいません。居るのは感染者となった哀れな患者が大半です。」

「ここに居る人たちは皆、初めての方でしょうから、この道のエリートに1人ずつ着いていただきます。」

そういうと、部屋に6人入ってきた。

「彼らは3年間、回収任務に当たっていたエリートです。彼らに従えば、国のために働くのも苦ではないでしょう。」

入ってきた6人は、仏頂面で動かない。

「詳しい説明は、移動中に話しましょう。それでは皆、国のために。」

そうして、地獄は始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ