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異世界で俺は諦めない  作者: カミサキハル
異世界導入編(三日目)
31/90

瀬田直也、勉強中(魔法)

◯まえがき

 本書では魔法について記載している。

 内容は「概要」「発見から現在まで」「漢字」の三つの項目に分けて説明をしていく。

 全ての項目を読むことが本書を書いた私から言われせれば望ましいが、知っている内容があれば読み飛ばしても構わない。


◯概要

 魔法は大国セイカで発見されたこれまでの科学を超越した力だ。使い方によっては人々の役に立つが、使い方を誤れば殺戮を行う兵器となる。

 本書では魔法がどのように生まれどのような歴史を歩み、そしてその魔法がどようなものなのかを記載していく。


◯発見から現在まで

 本書以外にも書かれていることだが、魔法はセイカで発見された。セイカの中央に位置する瘴気の強い山「チュウザン」の調査を行なっていた一行がミズカネを発見、持ち帰ったことが魔法の発見に繋がる。

(ミズカネは人間にとっては魔法を使うこと以外では毒でしかなく、触れるだけで皮膚が爛れる。現在は中和する薬品が開発されており、ある程度は症状を軽減させることができる)

 誰がミズカネに魔力を流し込み魔法を初めて使ったのかは記載はないが、ミズカネを机上にこぼれ、それが漢字を表し偶然魔力が流れ込んだことだとされている。

 ミズカネで表現した漢字が魔法になるという発見があったのち、研究者は漢字の研究を始めた。その研究では判明したことが「ミズカネで意味を持つ文字ーー漢字を描き、魔力を込めると魔法が発動する」ことだった(漢字は別項「漢字」を確認)。

 セイカは魔法を使い富国強兵政策を行った。各国に先駆けて国を豊かにし、隣国へと侵略を行い大国となった。

 各国も魔法の研究を行っているが、セイカに遅れを取っている。

 その後魔法はセイカの首都で「消滅事故」と呼ばれる魔法歴史最大の事故を経て、漢字が魔法専用の文字となり、現在に至る。


◯漢字

 漢字は大きく四つの分類ができる。


 属性漢字

 物質漢字

 動作漢字

 その他漢字


 属性漢字は「火」「水」「雷」「風」「光」「闇」などの漢字を表す。これらの漢字は空間にその属性を表現ーー例えば「火」ならば火種が無くてもミズカネで描くことで火を出現させるーーすることができる。

 単体で魔法の発動が可能。また物資漢字、動作漢字と組み合わせて魔法を発動させることも可能だ。

 ただし単体の場合は魔法の確実なイメージの想像、及び魔力を適量流さなければ魔法が暴発し、怪我をする場合がある。


 物質漢字は「木」「土」「柱」「壁」「剣」「槍」などの漢字を表す。これらの漢字は単体で発動できない。

 例えば「剣」の場合、単体だと何で作られた剣なのかーー火でできているのか木でできているのかーーが分からない。そのため属性漢字や他の物資漢字を組み合わせることで漢字が意味を成し、魔法が発動する。

 注意しなければならないのは物資漢字に「木」「土」などの属性漢字に含まれそうなものがあるということだ。これらについては一時期物質、属性のどちらに含まれるか論争があったが「木や土はその物質が無い空間では魔法が発動しなかった」という事象があったため、属性漢字に含まれず、物質漢字となった。


 動作漢字は「斬」「捕」「飛」「射」など動作を表す。例えば「風斬」と描くことでカマイタチのような魔法となり、土のある場所で「土捕」と描けば土で作られた綱が魔法で作られる。

 また後述の「その他漢字」の範囲・対象指定する漢字と組み合わせることで制限された魔法を使用できる。


 その他漢字は「前」「方」「対」「三」など先述の漢字に当てはまらないものを表す。主に魔法の範囲や対象物を指定するための漢字となる。例えば「前」を含めた魔法の場合、魔法師から見て前方への魔法を発動することになる。また「三」などの数字の漢字は範囲を指定する漢字となる。


下記に魔法の例を記す。

 火柱前方十米……前方十メートル先に火柱の魔法を発動する。火柱の大きさは魔力量に左右される。

 風斬数三前方……三つのカマイタチの風を前方へ発動する魔法。魔力量によって届く距離が異なる。

 木剣……木に記すことにより、木剣を作成する魔法。木を削り作製した木剣よりも完成度は低く脆い。

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