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契約のゼーレ  作者: 秋豆トマト
第一章 悪魔と契約した少女
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第2話 情報過多

 薫は混乱していた。なぜなら数分前まで木の下に転がっていた骨が突然動きだし自分に向かって喋りだしたのだから。


「てかあなた本当に何なの!?」


 薫は自身をサクリファイスと名乗る怪異に問いかける。


『いやだから俺は怪異でサクリファイスだっつってんだろ。』

『それよりお前名前は?』


 そう問いかけるサクリファイスに対して


(いやそれよりあんたの情報だせよ…)

と思いつつ


「千草 薫だけど…」


 と返答をした。


『そうか、なら早速だが薫…俺と契約しようぜ』


 急にそんなことを言い出すサクリファイスに薫は


「は?…いやなんで!?」


 と返答をする。


『なんでってお前俺と契約するためにここに来たんじゃないのかよ』


「違うし!てかあんたマジでなんなの?」


『だ、か、ら俺は怪異のサクリファイスだよ!!』


『とにかく契約しようぜ…お前に損はないからよ!』


(ホントになにこいつ…)


 薫が困惑していると突然スマホから着信がなった。相手を確認すると母からだった。


「どした?」


《どした?じゃないわよ!!あなた今何処にいるの!?もう儀式始まるわよ!!》


「まじか!?もうそんなに時間たってんの!?」


 時間を見ると始まるギリギリだった。


「ヤッベ行かなきゃ!!」

 

「じゃあ私用事あるからバイバーイ」


 そう言いながら走って行く薫をサクリファイスはただ眺めるだけだった。

 薫はなんとか儀式がある屋敷の別館にたどり着き「遅れてすいません!」と言いながら扉を開けると中には千草家の一族の人達が大勢いた。


「なにしてたの薫!?皆さん待たしてるじゃない!」


「あなたが契約する怪異もいるんだから早くしなさい!」


 薫の母はそう言いながらドーム状の広間の中央に薫を立たせた。


「お待たせしました。それでは契約のほうお願いします。」


 薫の母がそう言うと空中に火の輪が出現し中から白い衣装を纏った男の怪異が現れた。


『やあ、僕は炎の精霊イフリート』


『君が僕の契約者だね。よろしく』


「すごいぞ!!まさかイフリートとは!!」


「見た目も強さも素晴らしい方が来てくれたわね。薫ちゃんが羨ましいわぁ~」


 イフリートの登場でギャラリーが騒ぐなか薫は


(なんだ…イケメンか…イケメンは足りてんだよな…)


 と心の中で若干の不満を抱いていた。


『さぁ、おいで。僕のエネルギーを君の魂と混ぜれば契約完了だ。』


「了解でーす」


 薫はそう言いながら近づいた瞬間

バリーン!!

 と室内のガラス窓が外から破られサクリファイスが侵入してきた。


『サクリファイス様の登場だぜ!薫はどこだ?』


「うわぁ!?なんだ!?」


「悪魔よ!しかもサクリファイスって言っていたわ!」


「なんで悪魔が!?」


 会場が騒然とするなかサクリファイスはそんなのお構いなしに辺りを見回し薫を見つけると近づいてきた。


『なにをしに来たこの悪魔が!!』


『何って俺との契約を断るからなんで断ったのか聞きたくてな』


『てか薫…お前こいつと契約する気かよ…』


 サクリファイスはイフリートを睨み付けると


『薫…やっぱり俺と契約しろ』


『こいつはダメだ…どす黒い闇を感じる…』


 そう言うとサクリファイスは薫に触れようとする。するとイフリートが『彼女に触れるな!!』と言い右手を前に出すと掌から炎を放出した。


「流石イフリート様だ!!」


「悪魔を焼き尽くしてくだされ!!」


 ギャラリーが更にうるさくなるなか肝心のサクリファイスはというと


『なんだこりゃ…?弱すぎないか?』


 と無傷で嘲笑っていた。


『そうか…なら最大出力で灰も残さず燃やしてやる!!』


 そう言うとイフリートは両手を前に出し

【双炎】(ツインフレイム)と言って更に高出力な炎を放出した。

 しかしサクリファイスは『効かねえよ』と言いイフリートを思いっきり殴り飛ばした。


『グハッ!?なにをするん…』


 イフリートは反撃をしようとするがサクリファイスが首を捕み『本当の炎を喰らわしてやるよ』と言うと右手で蒼白い炎を出現させイフリートの腹にぶちこんだ。すると次の瞬間一瞬でイフリートが発火し黒焦げになった。そしてイフリートの心臓部分に虹色の玉が現れた。


『あばよ!!二度と面見せんな!!』


 そう言うとサクリファイスは玉を手で貫いた。

 するとイフリートの身体は灰のように消えてしまった。


「イフリート様がやられただと…」


「やはりサクリファイスは恐ろしい悪魔じゃ…」


 ギャラリーの騒ぎが未だにうるさいがサクリファイスはそんなことは全く気にせず薫の方に行くと自身の手を薫の胸に当てエネルギーを注ぎ込んだ。


『よしっ!これで契約完了だ!!』


『これからよろしくな!!』


 そう言われた薫は


「…え?」


 と情報を処理しきれていないのか混乱していたのだった。

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