彼女?
「おはよう〜」
朝学校に着くと
「おい、白浜!!お前いいのかよー!浮気されてんぞ!」
「はぁ?なに?」
いつも尚哉とふざけている男子達から話しかけられる
「前島ひかりが尚哉に告って付き合うことになったらしいぞー!笑」
「はぁ??」
え、、前島ひかりちゃんって……
2年になって同じクラスになったけど大人しく可愛らしい感じの女の子、ひかりちゃんが尚哉に???
ひかりちゃんみたいな子が?!あの尚哉に?!
信じられない!!!
「尚哉、調子乗ってそうでキモい笑」
「だよなー!www」
肝心の尚哉とひかりちゃん達のグループはみんないなくて教室もザワザワと盛り上がっている
「あ〜、もう夫婦漫才見れないのかな〜?」
同じグループの友達から揶揄われる
「尚哉から解放された〜!笑」
「はは!ありさ喜んでるじゃん!ウケる」
尚哉のくせに彼女とかおこがましい!!
しかもひかりちゃんはレベル高すぎでしょ!
あんなやつのどこがいいのかな……
口悪いし、デリカシー無いし、うるさいし
いつも子供みたいにふざけてばっかなのに!
チャイムがなりみんな席に着いていくと
尚哉とひかりちゃん達のグループも戻ってきて
みんなが2人に釘付けになる
尚哉どこ行ってたの?笑
そんでひかりちゃん達のグループの顔もよくわからない顔してるし……
気になりすぎる!!!
尚哉の顔をチラチラ見てみるけど一向に目が合わない
いつもだったらすぐ気付くのに……
気付かないフリしてんの?なんか腹立つ……
まーいいや、誰と付き合おうがご勝手に〜
あっという間にホームルームが終わり
部活の時間になる、終わって下校時間
いつもの友達と帰って、幼なじみメンバーがまた同じ道になる
でも、今日は尚哉はいない
付き合ってるからひかりちゃんと帰ってるの?
手のひら返したみたいにひかりちゃんにべったり?
ゾワゾワと鳥肌が立つ……キモすぎ!!
「尚哉がいなくて寂しそうだね、ありさ」
奏多から言われて
「そんなわけないでしょ、あいつのウザ絡みから解放されて幸せです!!!」
奏多とすずが心配そうにこっちを見る
「?2人とも変な顔ー!」
「ありさちゃん、おいでっ」
すずがぎゅっと抱きしめてくれる
「何〜笑 奏多が嫉妬しちゃうよ?笑」
私いつも通りなのに、強がってるように見えたのかな
家について手を洗いながら鏡を見る
「……」
はぁっと、ため息をつく
気持ちがなんかモヤモヤする
別にあいつと喋らなくなってもいいじゃん
幼なじみってだけで、家族でも無いんだし
奏多とすずみたいに付き合ってるわけでもないし
「はぁ……」
「ありさ、ご飯は?」
「……食べるー!」
「……ごちそうさま」
「全然食べてないじゃない、具合悪いの?」
「とうとうダイエット始めたんじゃね?笑」
けい兄から揶揄われても無視して部屋に篭る
――コンコン
「……ありさ、お風呂入れる?」
「うん、入るー」
お風呂でもぼーっとしてしまう……
ひかりちゃんと尚哉2人で帰ったのかな
楽しそうな2人を想像してそれを消すように
顔をバシャバシャと洗う
勉強も、今日は無理だ、気分が乗らない
ノートを閉じてベッドに横になる
何の涙かわからないけど涙が溢れた
「……ぐすっ、……っ」
意味わかんない……
なんで急に目も合わせなくなったの?
その日の夜は泣いて、そのまま眠ってしまった
次の日、
あー、、、腫れてる
泣いてそのまま眠ってしまったせいで
目が腫れてる!!だけど絶対気付かれたくない!!
運良く朝早く起きたので、お母さんの常備してある
ホットアイマスクをつけてしばらく様子を見ると
さっきよりはマシかな……?
髪の毛を整えて学校に行く
タイミングが良いのか悪いのか
数十メートル先に尚哉が歩いている……
いつもなら走って追いかけるけど
なんか気まずくてゆっくり歩く
これが当たり前になるんだよね……
たった数十メートルの距離だけど、決して
縮まらないように歩いた
尚哉とはクラスでも相変わらず目も合わない
言葉も交わさないまま
友達とふざけている声が聞こえる
……元気そうで何より、、
お昼休みには1週間後に迫った部活紹介の日の
話し合いを2年生のバレー部で集まってすることに
みんなで8人、ガヤガヤ話していると
「そう言えば、ひかりちゃんと尚哉くんが付き合ってるってほんと?」
他のクラスのバレー部の子から聞かれる
「……そうらしいね!尚哉のどこがいいんだろーね!笑」
「尚哉くんって意外と人気だよねー?」
「そうそう、優しいって噂!笑」
「えー?どこが?笑
っていうか、全然決まってないから決めよー!
ファッションショーみたいに1人ずつ歩く?笑」
「あはは!いいじゃん!!笑」
……優しいなんて、私だって知ってるし
表面ではみんなと笑って過ごすけど
心は泣きそうだった
部活中も、顔面にボールが当たって
先生から怒られた
最悪……
帰り道に、またすずと奏多と帰る
「2人の邪魔じゃない?私」
「ありさちゃん、、」
すずの顔を見たらすずが涙目になっていて
私も一緒に泣いてしまった……
すずと私が泣いてるのを見て
奏多が私たちを見えないように隠してくれる
「ありさちゃん、大丈夫?」
「っ、グスッ、ありがとう、大丈夫」
奏多とすずが心配してくれて
気持ちが少し楽になる
甘えてしまって申し訳ない気持ちもあるけど
何も聞いてこない2人に少しホッとした
……いつまでも落ち込んでたらダメだよね、
家に帰りながら
ほっぺたをパンパン!と2回叩く
こんなことで勉強も部活も蔑ろにしたくない
「ただいまー!」
帰ってご飯もいっぱい食べて、
お風呂に入って机に向かう
尚哉のことは考えない!!
目が疲れてきて
瞼を擦る
そろそろ寝ようと横になるけど
なかなか眠れない
ゴロゴロと寝返りを繰り返して
結局、朝方の4時……
そのまま眠ってしまい……
パッと起きた時にはもういつも家を出る時間より
10分過ぎた頃だった
「……最悪」
何もかも最悪!!
制服に着替えて髪もボサボサのまま
家を出る
本当、ダメダメだ……
なんとか走って登校してチャイムに間に合った
仲のいいメンバー1人1人にアイコンタクトとジェスチャーでおはようと寝坊したことを伝える
「ありゃ〜、髪の毛乱れてますなぁ」
休み時間に友達が櫛で髪を解いてくれる
「ありがたや〜」
「バレー部ファッションショーみたいにするんでしょ?笑」
「ランウェイ、ね!笑」
「ウケる〜!笑」
「2人組でポーズ決めたりしたけど、
どんな空気になるのかは謎(笑)」
みんな優しくて楽しい友達
私の机を取り囲んでくれるから
尚哉が視界に入らなくて少しホッとする
私、みんなに守られてるみたい
「みんな大好き!スベッたら笑ってね!笑」
「え〜笑
ありさの時なら盛り上げられるけどねぇ〜?笑」
「あはは!頼んだよ〜!笑」
部活も気を引き締めて頑張る!!
今日は怒られずに済んだ……はぁ……
帰りもすずと奏多に昨日はごめんね、と
ありがとうを改めて伝えた
「俺は尚哉も大事だけど、ありさも同じくらい大事だよ」
「ふふ、ありがとう!すずは〜?笑」
「すずは特別」
「ひゅー!ひゅー!笑」
「っありさちゃん!!」
奏多と私ですずが照れてるのが可愛くて
ふざけてみせる
2人がいてくれて、本当に良かった
尚哉のことを思い出すと胸が少しチクッとするけど
いつかはそれも笑って話せるよね?
このままずっと話せないなんてことは絶対避けたい……
前みたいには行かなくても少し話せるくらいにはなっときたいし、みんなに気遣わせちゃうしね、、
家に帰っていつも通り過ごす
明日はいよいよ部活紹介だ〜
“写真撮ろーぜ”
尚哉から言われた言葉を思い出す
キモいなんて言わなきゃよかったな、
忘れるように眠りについた――――




