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スカーレットの記憶

自分だけしか理解してなくて

他の人が全く理解してないことって

あるあるだよね。

頑張ります。

「この部屋、カズマが気絶してた部屋じゃないかい?」

「そうだな。えっとどこだろうな」


魂の書を探し、本棚の本を適当に取り出して行く。そして一冊の本に触れた瞬間、暗転した。




白い空間ーーではなく。俺は死体の転がっている広場にいた。いや、俺にしては目線が低い。レドウとも違う。なら俺はなんだ?


「私……お父さん……皆死んじゃった……」


俺は女の子の声でそう言った。


まさかーー。


「私……誰だろう」


近くにバラバラになっていた鏡の一部を見て俺はそう呟いた。その顔は、


スカーレットだった。


「わ、私、ゴーストになっちゃったの!?」

「そのようですね」


俺は後にナタリアと呼ばれるメイドといた。確か……エイミー……だった気がする。ってかなんでレドウの魂の書触ってスカーレットの記憶見てんだよ!


「お父様、いないね」

「お父上は恐らく、この本になられたのでしょう。魂ごと」

「お父様……」


俺はその本を抱き締める。つかほんとに意味わからねえ!どうなってんだこれよう。


「じぃ。皆の死体を屋敷の地下に運ぼう。このままじゃ大変だよ」

「そ、そうですな」

「お嬢様大変です!!」


そう言って走って来たのはアゴから上の無いメイドさんだった。

つかどうやってしゃべってんだよ。


「どう、したの?」

「皆さんが、ご主人様に殺されたのを思い出して、暴動状態に入ったのです!中には真っ黒な闇を纏っている方もいます!どの人も、殺意の塊のようで……」

「知ってるよ。私も、多分じぃも同じか、それ以上に何でもいい。殺したいの。でも」


そんなことしたら、お父様のやったことが無駄になってしまう。

そうスカーレットは言った。


「その暴動も多分、すぐに収まるよ。先にこの死体を地下に移動したいから早くしてね」

「わかりました」


スカーレットや紳士のおっさん達はそのまま死体を運んでいく。

そこで場面は切り替わる。


「これで、私達の魂と記憶は繋ぎとめられる」

「確かに、ゴーストとなった私達は時期に自我まで失ってしまうはずですからね。生きるというのも変ですが、その為なら妥当な判断でしょう」

「それでも、もう、名前を忘れちゃったよ」

「名前……何かに残っていればいいのですがね……」

「あと、じぃ」

「何でしょうか?」

「ここのことは、他の街の人には、絶対に秘密ね?」

「はい。この爺。秘密は守る男でございます」

「ふふっ。信じちゃうよ」


なんとも、和む風景ではないのだが、スカーレットの純粋な頃を見れている気がする。何故スカーレットの記憶を見ているかは本格的にわからんが。

そこでまた場面が切り替わる。


今度は街の入口。そしてそこにはブラッド・リッチとスカーレット、紳士のおっさん。んでナタリアさんがいた。その背後にもちらほらと逃げ隠れする住民共がいる。


「私の街の人は、もう誰一人として傷付けない。私達の魂に刻まれた殺意だって抑え込んで見せるから!」

「……」

「だからお父様!この街を攻撃しないで!!」

「グググガガガァァアアアアア!!」


スカーレットの説得も通じず、その場は殲滅された。だが、何故かブラッド・リッチは誰も食わずに、その場を後にした。

恐らく。もっと強くなったスカーレット達を取り込もうとしていたのだろうが。


「じぃ、生きて、る?」

「はい」

「じぃ、じぃ」


悲しかった。とても悲しかった。悲しいという感情だけが流れ込んでくる。

それから、三ヶ月後。


「おうコラゴースト共。俺の糧になれや」


上の層から魔人がやってきた。ブラッド・リッチ襲撃から沢山頑張って強くなったのに、住民の三割が目の前の魔人にやられてしまった。


「さってと。そろそろ帰ろうかな」


その魔人はくるりと後ろを向き、背後から斬りかかった男の頭を掴み、そのままバキャッと音を立てて砕いた。

脳片が脳漿が周りに飛び散る。ゴーストでも彼は肉体を持つリビングデッドだったからだ。


「っっっ!!」


「また、来るからな?」


その魔人はそう言って消えて行った。


ある時私は街の広場で黒い獣が暴れているとのことで、すぐに駆けつけると、それは獣というには禍々し過ぎてむしろ生き物とも思えないような姿だった。雰囲気はブラッド・リッチにも似ているが、顔には大きな口以外存在せず、目も耳も鼻も存在しなかった。


「グァアアァア!!」


それはいきなり奇声をあげて飛びかかって来た。私はそれを避けて、スピリットマジックで応戦し、そのままそれを倒した。そして、私はスキルを手に入れた。


エニグマの鎧

エニグマの闇を纏い、攻撃防御両方を援護してくれる。

ゴースト専用スキル


エニグマ支配

自分の存在する層のエニグマをコントロールできる。

ゴースト専用スキル


条件は一人でエニグマを倒すことのようだった。


それから暫くして、また、奴は来た。


「さぁ。このレヴィ様に魂を献上しな。ってあれ?隠れてんのか?数が少ねぇヨガギッ」


空中から鋭い棘となったエニグマが奴の脳天に突き刺さり、一瞬でその命を狩り獲った。

その瞬間、私はただのゴーストからスプラッタードールに進化を遂げた。

私は驚いた。

エニグマの支配には隠し能力があったようで、エニグマが殺した生物の何割かの力が供給されるようだった。


それからというともの、上から来る魔人や下からくる弱い奴らを喰らい、その力を伸ばして行った。


何年経ったかはわからない。だが私は強くなった。

エニグマの鎧を駆使し、自分の身を守り、エニグマ達を使って敵を殲滅する。完璧な陣形だった。


そして再びやってきたブラッド・リッチに立ち向かった。


結果は惨敗。エニグマもかなり潰された。だが私はまだ生き残った。何故だかわからない。わからないが、今度こそ、今度こそは奴を殺し、のうのうと生きている奴らを殺そう。

っておい!あまりに矛盾し過ぎて今正気に戻ったわ!さっき殺意抑え込んで見せるから!とか言ってたじゃん!はや!決意歪むのが早い!

っっっっ!まて、もう記憶流すのやめろ!話をせい話を……。


それから数年後、転移門を使って、各地に隠されている転移門のあるダンジョンで、強者がやってくるのを待った。そして会ったのが


「俺ってわけか」


俺はいつの間にか真っ白な空間になった場所で呟いた。


「あぁ。まさかお父様の魂の書と私の魂の欠片が合体してしまうとはな」

「ということで、何ようだね」


振り返るとレドウとスカーレット……いやユティがいた。


「まぁ率直に聞かせてもらうけど、地下室の魔法陣壊して、お前らの魂を本当の意味で解放……すりゃいいのか?」

「まぁそうだな」

「んでよ、そうした場合ナタリアさんって」

「解放され、この層から移動することができる。オニイチャンは勘違いしているようだが、ゴーストは種族だよ。幽霊とは違う」


いや、ゴーストは幽霊だろ。


「こちらでは幽霊とゴーストは別物だと考えてくれればいいさ」

「そっか。スカーレットでいいか?」

「なんだオニイチャン?」

「スカーレット、お前はやっぱ解放した方が良いんだよな」

「当たり前だろう。ついでに言うとだ、私達の死体を焼いてくれると嬉しい。頼めるかオニイチャン」

「あぁ。やってやるよ」

「ありがとう」

「っと解放するための魔法名って」

「スピリット解放。だ。特に魔法とかはないぞ。ただなんらかのキーワードを言えば解ける仕組みだ」

「なんでレドウのおっさんが知ってるんだ、と」

「細かいことは気にするな」

「じゃあね、お兄ちゃん!」

「おう!」


真っ白な空間が暗転していく。その中でスカーレットは本当の女の子のように可愛らしい笑顔で手を振ってくれていた。




「おっしゃ解放行くぜ!」

「カズマ!起きたのかい!?」

「サイカさん!今すぐ地下行きますよ!」

「あ?あんたこんな心配させといてほんとに、あ、待ちなって」


俺はダッシュで部屋を出る。ついでに、魂の書をアイテムストレージに入れて。




「よーし!準備おっけー?おけー!」


何故か一人でやってしまった。

まぁいい。他の奴らは?みたいな顔してるけど気にしたら負けだ。


「よし。よしよしよし。では今から魂解放の儀式を始める」

「何すかそれ?」


ジャックが聞いてくるが無視無視。


「よし。スピリット解放!」


と俺が手を天井に手を上げた時、パキィイイイイインという音と共に魔法陣が砕け散った。その直後、思わず吐きそうになるほどの腐臭がし始めた。


「アリス!サイカさん!ジャック!」


「はい!?」「今度はなんだい!?」「あー、はいっす」と一人以外は疑問を浮かべながら部屋に入り三人共即部屋を出た。


「っておい!火葬するから火かせ!マジで!俺ティンダーしか使えないんだから!」



ちょっと色々ありーの。


「んじゃアリス。頼むぜ」

「はい。フレイム!」


アリスの持つ最下級魔法のフレイムで死体を焼き、その手前でナタリアは両手を合わせ、膝を立てていた。

その隣でジャックも手を合わせていた。ってか皆手合わせて黙祷中だった。俺も遅れながらも手を合わせ、目を瞑った。



「あああああああああああ!!!」

「な、いきなりなんだい?!」

「どうやって俺達帰るんだ!?」

「「「あ」」」


最後の最後で路頭に迷うことになった俺達である。

次今更ですが人物紹介やります。

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