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エピローグ 2

 あと、一年Eクラスといえば担任のマウマウ先生である。マウマウ先生は少し前まで忙しそうにしていた。いや、忙しいのは最近もか。少し前までは、エリアスト王国の王さまから協力をお願いされて、今回の件での後処理で奔走していた。聞けば、エリアスト王国だけではなく、各国でも顔が利くから、ということらしい。「若い頃は各国で冒険していましたからね……いえ、若いのは今もですが」とのこと。深くは問わない。ただ、それで一年Eクラスの担任を誰かに任せるとかせず、休みは多くなったが、しっかりと担任もしてくれたので、ありがたいことである。


 それで、各国が少し落ち着いて、王さまからの協力が終わった最近は……「スキル適応」で獲得したスキル「古代魔法」の研究に熱中していて忙しくしているようだ。「止まっていた時間が動き出しました!」と研究に打ち込むのはいいと思うが、こころなしか休む日が後処理の時よりも多いような気がしないでもない。いや、数えはしない。現実を知りたくないから。


 それでも、一年Eクラスは全員、元気です。


     ―――


 身近なところだと、おっちゃんはこれまで通りだ。特に変化はない……いや、タオに錬金術について教えつつ、それで刺激でもされたのか、「……若さにあてられたようだ」と口にしたあと、なんか新しいものを作り出そうと日々奮闘している。なんでも、寒い日には暖かい空気を発して、暑い日には冷たい空気を発するものを……みたいな? よくわからないが、できれば快適に過ごせるようになるな、と思った。


 あと、タオに引っ張られてか、レスキューフィンガー関連にもレスキューハンドとは別に何か手を出している……ような気がするので要注意だ。恥ずかしがっていた自分の過去を乗り越えたということかもしれないが……できれば普通のものであることを切に願う。


 妹は「魔障」の影響が完全に抜けて、もう元気一杯である。今はエリアスト王立学園への入学に向けて、体力作りの真っ最中だ。俺のように動きまくれるようになりたいらしい。つまり、俺を目標としているということか……お兄ちゃん冥利に尽きるなあ……。お兄ちゃんは今でも妹の元気な姿を見られるだけで胸一杯である。


 ただ、そんな妹に小さな変化があった。彼氏ができたとかではない。そもそも、俺もおっちゃんも認めない内は彼氏を名乗らせるつもりは……いや、そうではなくて、妹が言うには「魔力が見える」らしい。どういうこと? とおっちゃんと揃って首を傾げた。どうやら、何かしらの魔法の才能があるようである。


 それと、妹とおっちゃんは、俺が半裸状態で変態呼ばわりされた時、魔力場(あの場)に居た。直ぐに俺だと察して、呼ばない方がいいと判断したそうだ。感謝した。おかげで、アレが俺だとバレて……いないはず。


     ―――


 俺については……特に変わっていない。半裸の変態も俺だとバレていないので、本当に何も……いや、変わったことはある。なんというか、こう……悪い意味で? だろうか?


 元々一年Eクラスの扱いは良くなかった。でも、今回の件でサーフェ、カレリナはロヒやミネエリア、王都軍と共に戦ったことで注目されていて、ナリは留学中の獣王国の王女とも仲良くしているので只者ではないのでは? と思われ始め、タオは製作魔道具がなんか一部で大好評らしく、ハインサは聖女だ。皆注目されている。でも、俺は違う。なんというか、こう……落ちこぼれの一年Eクラスのまま、なのである。……おかしい。頑張っているはずなのに。これでも、全学園対抗戦でエリアスト王立学園の一年代表のリーダーなのに。


 でも、それについては仕方ない部分もあって、今回の王都襲撃やゴルブルワ帝国軍との国境での戦いによって、なんかこう……全学園対抗戦が目立たなかったのだ。だから、一年のリーダーであっても、なんか流されたのだ。話題の大きさに負けた感じ。その上で、俺は勇者軍とは戦っておらず、泥棒勇者との戦いは半裸の変態として正体を明かせないし、俺が俺として目立っていないのだ。一応、レスキューフィンガーの中指として動いたが……アレは俺の中でも秘密である。なので、扱いは変わらず一年Eクラスのまま……いや、一部に――グランさんとかエリアスト王国軍とか、国境での戦いを見た騎士兵士からは認識されている……と思う。思いたい。


 だから、俺だけ、一年Eクラスのままの扱いなのだ。まあ、いいんだけどね。いや、良くない。来年には妹が入学するというのに、お兄ちゃんがこんな扱いのままなんて……こうなったら、いっそのこと、俺がレスキューフィンガーの中指だとバラすか? ………………ないな。妹が誇れるお兄ちゃんになりたい。なれるように、二年生になったらもっと頑張ろうと思う。


     ―――


 もう少し月日が流れ――妹が入学した。妹が学園のダンジョンに入って授かったスキルは「賢者」。あらゆる魔法を使い、魔力の扱いに優れ、スキル「勇者」やスキル「聖女」と肩を並べられる超スキルだそうだ。当然一年Aクラスで、入学当初から大注目となった。だから、魔力が見えるのか、とおっちゃんと納得したのだが……あれ? もしかして、妹が誇るお兄ちゃんではなく、お兄ちゃんが誇る妹になるのでは?


 ……頑張っていこうと思う。大丈夫。俺には「全適応」さんが居るのだから。


《――お任せください。なんにでも適応してみせますので――》


 頼もしい限りだ。


《――……いずれスキルへの愛、実体化にも――》


 ……ん? 今、何か言った?


《――はい。これからも共に頑張っていきましょう。と言いました――》


 うん。そうだね。これからもよろしく。「全適応」さん。




 FIN

 これにて、「適応しました」は完結となります。

 ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。

 少しでも楽しんで頂けたのなら幸いです。


 一応、次も考えているのですが、執筆はまだ始まっていませんので、投降開始まで少し時間を頂きます。できれば、今月中……いや、来月頭……はい。書きます。ですので、良ければそちらの方でも、また読んで頂けると幸いです。


 ではでは。ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
完結おめでとう御座います。 とても面白く読ませていただきました。 何かあっても 適応しました でホッとする繰り返し。 でも適応さんがハレンチなので万能感にもなれず、コントを見せられる。小説で悲惨な設定…
完結おめでとうございます 1日1投稿お疲れさまでした そして、楽しい作品をありがとうございます やはり純粋な主人公最強系の話は面白いですね、毎日の楽しみになってました もう少し欲しいと思ったのは、周…
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