7 執事と電波の接触
今回はヒロインとの接触で短めにしてしまいました。
うまく区切れなくて・・・
それは俺がお嬢様のためにお菓子を作っていて材料が足りないと気づいて買い出しに言ったときのこと。
執事としてそんなへまをしてしまったことを悔やみながらも急いで買い出しに行くと、店先でであってしまったヒロイン。
もちろん、これが普通のクラスメイトなら対して気にしないだろう。
ところが相手はあのヒロイン様だ。
彼女は俺を見つけるとにやりと笑ったあとに純粋そうな笑顔で近づいてきた。
「こんにちは!確かスティアさんの執事よね?」
話したこともないのにいきなり話しかけてくるのもそうだが、公爵令嬢のお嬢様をさんつけだと?
いらいらしながらも俺はお嬢様の面子のために冷静に言葉を返す。
「失礼。どこかでお会いしましたか?」
「あ!ごめんなさい。私はミーシャっていいます。レスターさん。」
「・・・何故、私の名前を?」
「同じ学園なので知ってますよ。」
うん。表情は一応可愛らしいヒロインだね。
表情だけは。
なんか、瞳の奥ざギラギラして肉食獣みたいで怖いぞこいつ。
この場から早急に退避した方がいいと俺の勘が告げている。
「そうですか。すみませんが急いでますのでこれにて。」
「あ、せっかくですからお茶でもどうですか?」
話を聞いてよ。
急いでるって言ったよね?
ストレス値が上昇したのを感じながらも表情は無表情を保つ。
「いえ。仕事がありますので。それでは。」
「あっ・・・・」
さっさとその場から離れた。
後で何かを言ってる気もしたが、人混みの喧騒でかきけされたので大丈夫だろう。
それよりも、急いでお嬢様の元へ戻らねば。
にしてもヒロインはやっぱり記憶ありなのか?
今日のやり取りだけだと判断はつかないけど、他のみんなとさっきのあの瞳のギラギラ加減をみるとどうにもそうとしか思えないな。
はぁ・・・疲れたしお嬢様に早くお菓子を作らないと。
そんなことを考えて俺は急ぎお嬢様のもとへ帰った。
しかし、本当の戦いはこれからだったとは知らずに・・・
おまけ
「あら?遅かったわねレスター。」
「遅くなり申し訳ありません。お嬢様。少々手間取りまして。」
「何かあったの?」
「いいえ。大丈夫ですよ。それよりもすぐにお茶とお菓子の準備をしますね。本日はチーズケーキです。」
「!?そ、そう・・・」
「お好きでしたよね?」
「ええ、そうね。嫌いではないわよ。」
「ちなみに、お嬢様。ひとつうかがっても?」
「何かしら?」
「私とチーズケーキではどちらが好きですか?」
「そんなのレスターに決まってるでしょ。」
「そうですか。私もお嬢様が大好きですよ。」
「・・・その口調で言われるとなんか本当なのか疑問になるわね・・・」
「おや?私の心を疑いますか?それでは、後ほどたっぷりと教えて差し上げる必要がありますね。」
「え?あ、あの・・・」
「とりあえず、用意をいたします。そのあとにお嬢様にはとことん愛を感じていただきますのでお覚悟を。」
「はい・・・」
うっすらと頬を赤くそめたスティアの様子がレスターの心に火をともしたことは明白であった。
恋愛タグなのに今までで一番恋愛要素が薄い気がしておまけを・・・