4 執事とお嬢様の入学
タイトル詐欺とか言わないで・・・
次からだからマジで
さて、唐突だがゲームの舞台となるのは、貴族や勉学の優秀なものが多数在籍するセントレア学園という学園が舞台となる。
学園には13才~15才までの子供が通う初級学年と16才~18才までが通う上級学年というふうにわかれている。
ゲームの物語の期間は上級学年がメインになる。
ヒロインが入学するのは上級学年の始まり。
つまり、16才からになる。
お嬢様や攻略キャラもほとんど同じ学年だ。
とはいえ、年齢的には宰相の息子と騎士の息子は年上なのだが、王子の側近としての入学が大きいので特別に同じ学年にされている。
俺はゲームでは、お付きの執事として学園にはきていたが、何故か俺も生徒として入学することになった。
結論からいうとやり過ぎた。
知識チートヒャッホイ!って具合に公爵に色々売り込んだらお金が増えるわ増えるわ。
普通の貴族のイメージだと、手柄は発案者ではなく貴族に徴収されそうなものだけど、公爵はどうやら物凄く真面目な人らしく、こちらがいくらいらないといっても給金を増やそうとしたり、養子にしようとしたりと色々便宜を図ってくれようとしてくれる。
まあ、たぶん打算もあるけどね。
恐らく、何らかの形で俺という金蔓を逃さないようにしたいのだろう。
俺としてはお嬢様の側にいられれば何でもいいので公爵には常々お嬢様の側にいさせてくださいとお願いしている。
・・・まあ、そのせいなのか分からないけど、最近公爵と公爵夫人は俺とお嬢様を恋仲にしようとしているような思惑があるらしい。
というのも、こないだ偶然他の使用人が公爵と公爵夫人がそんな話をしていたと何人かの使用人と話していたのを聞いたからだ。
そのせいなのか、それとも何か別の原因なのかは分からないけど、ここ最近お嬢様が時々熱のこもった視線を向けてくることがある気がする。
・・・気のせいじゃないよ。たぶん。
使用人もみんなその手の話が好きなのか屋敷は俺とお嬢様をくっつけようという雰囲気になっているみたいだ。
まあ、普通に考えればただの使用人風情がお嬢様と恋仲とは難しいけど、俺の知識や実績でそう決めたのだろう。
そもそも、公爵家は子供がお嬢様しかいない。
公爵と公爵夫人の夫婦仲はものすごくいいのだが、どうやらなかなか子供が出来にくい体質のようで、跡取りはお嬢様しかいない。
まあ、色々並べてみても結局俺はお嬢様と恋仲になれるかもという可能性が出来て万々歳なのだ。
「お嬢様。お茶の準備が出来たので一息いれませんか?」
「そうね・・・ありがとう。にしても、レスターは最近私の思考を読んでるみたいに動くわよね。」
「お嬢様の執事として当然のことです。」
ここ最近になり、俺はついにお嬢様の執事として完璧に空気を読むことができるようになった。
お嬢様の考えを先読みして、どのタイミングでお茶の準備をするのか?そんなことを実行できるようになった。
なので、このお嬢様の言葉もあながち間違いではない。
「ねぇ、いつも言ってるけどそろそろ二人きりの時は名前で呼んびなさいよ。」
「そうしたいのですが・・・私の覚悟と準備がまだ整っておりませんので。」
「むぅ・・・いつになったら呼んでくれるの?」
「あと半年はお待ちください。」
ここ最近増えた会話だ。
俺としてはほとんど準備が整っているが、もう少し実績を重ねてからじゃないとお嬢様を堂々と名前で呼べない。
まあ、お嬢様呼びでなれているっていうのも理由の1つではあるが。
「長いわよ。そもそも覚悟と準備って何?」
「お嬢様にプロポーズする覚悟と公爵様に認めて貰うための準備です。」
「なっ・・・!」
俺の実質的なプロポーズで顔を真っ赤にするお嬢様。
「な、なにを言って・・・」
「お嬢様。私はお嬢様のことを主としても一人の異性としても愛しております。」
「な、な、な・・・」
「だからこそ、私にとってお嬢様の名前を呼ぶとはそれほどに重要なことなのです。ですから・・・」
「も、もういいわ!」
真っ赤な顔を隠すように俯くお嬢様。
すごい可愛い仕草に思わず悪戯心がわくがなんとか我慢する。
以前、似たような状況でお嬢様に悪戯をして涙目で真っ赤な顔でこちらを見つめさせてしまい、思わず理性が崩壊しそうになったので、俺は抑える。
と、お嬢様はまだ顔を赤くしてはいたが、すがるような瞳でこちらをみていた。
「そ、その・・・信じていいの?」
「もちろんです。」
「わ、私の気持ちと・・・同じでいてくれる?」
不安そうな瞳でこちらをみつめるお嬢様。
そんなお嬢様に俺は笑顔で言った。
「もちろんです。私はつねにお嬢様とともにいます。」
「そ、そう・・・その・・・お願いね。」
「はい。お嬢様。」
おそらく、これが最初の告白・・・プロポーズになった。
半年後、俺はお嬢様に正式にプロポーズして、晴れて夫婦になった。
公爵と公爵夫人にも割りとあっさり了承を得られた。
公爵家としては政略的な結婚を娘には望んでいなかったようで、恋愛結婚ならと喜ばれた。
そのときの公爵の男前ぷりはマジでイケメンでした。
もちろん、娘を幸せにしてくれという条件はあったが、当たり前なので条件とは言えなかった。
この世界の成人は13才からで、その年になれば誰でも結婚できる。
俺とお嬢様の正式な結婚式は学園を卒業してからと決まった。
長いが、公爵の引退がその辺にするらしく、俺の引継ぎと公爵様家の教育を考慮すると妥当だった。
一応、籍はいれたので、夫婦ではあるが、子供は卒業間近か卒業してからでないとダメという条件だ。
なお、その話のときに顔を真っ赤にしていたお嬢様はマジで可愛かった。
まあ、そんなこんなで俺とお嬢様の関係が発展して、そして、いよいよ学園への入学した。