動物園の人気者
今日の動物園は雨。
いつも、人気のパンダエリアも人っ子一人いない。
「あぁー、今日は人来ねぇな」
俺はパンダのパンパン。
しがない動物園のパンダさ。
まぁ、パンダっていうだけで俺は他の動物より注目を集める。
数が少ないっていうのと愛らしい見た目がポイントだ。
でも、俺は人間に生まれてきたかったんだぜ。
なぜって、それはなぁ・・・・・・。
とそこに、18歳くらいの男性が来る。
「はぁ、受験失敗して、すべり止めの三流大学になっちまった、どうしようもない。俺もパンダになりたい」
「甘えんな!」
「パ、パンダがしゃべった」
「俺は動物園に長いこと居るが人間ほど自由な人間はいないぞ」
「そうなんですか」
「そうだぞ、24時間監視されてるからゲームもエロいこともできないし、自由に見えて結構檻の中はきついんだ」
「はぁ」
「三流大学でも必死に勉強し、サークルでコミュニケーション能力を磨き、資格を取り、普通の人にはできないような能力を身につければ一流企業に就職できるぞ」
「そうなんですか」
「そうだ、それに人間は他の動物と違って努力しただけ人生の楽しみの幅が広がる、勉強にしろ、遊びにしろ色んな事を経験して損はない」
「はい」
「若いんだから色んな経験をしなさい」
「はい、ありがとうございました」
そういって、男は去って行った。
「あぁ、俺も人間になりたい」
そんなしがない動物園には伝説がある。
一人でパンダエリアに行くとパンダからありがた迷惑なお告げがあると。
そんな噂をここにいるパンダは知るよしもないのでした。




