果報者
紂王伝』第93話風(嬴風)の屋敷にて、最愛の妻と夜の営みを終えたあとのこと。私はベッドの中で、彼女の柔らかな肌を抱き寄せながら、昼間の件について切り出した。「風。昼間、妲己が添い寝だけで良いから共にしたいと言っていた件なのだが……。そなたも勧めてくれたが、やはりいきなり大人の男である私と二人きりで寝るとなれば、彼女の心はまだ怖がってしまうと思うのだ」「……陛下」風は静かに私の言葉に耳を傾けてくれている。私はさらに自分の考えを続けた。「だからな、私の屋敷に新しく特大の寝具を用意しようと思う。最初は私と妲己の二人ではなく、家族四人みんなで一緒に寝ないか? ――もちろん、風や禄父の意思次第だ。無理強いはしたくない。特に禄父は最近おませさんで恥ずかしがり屋だからな」私の提案を聞いた風は、ぱっと顔を輝かせ、嬉しそうに微笑んだ。「あら、それは素晴らしい名案ですわね。私一人のおねだりでは、禄父も一緒に寝てくれませんけれど……陛下も含めて家族全員で、となれば、あの子も断らないでしょう。何より、昼間のあの妲己ちゃんの切実な願いをあの子も聞いていたのです。大好きな姉の助けになるのなら、きっと喜んで了承してくれますわ、ふふ」風は全面的に賛成だと言って、私の胸にそっと顔を埋めてくれた。よし、それなら禄父と妲己には、明日の朝食のあとにでも聞いてみるか。心の中の懸念が一つ片付き、私は目の前の愛しい妻へと視線を戻した。「風、もし名残惜しいなら……もう少し、私のお相手をしてくれるかな?」「まぁ……陛下ったら……」風は少しだけ顔を赤らめ、はにかみながらも、優しく私の腕を受け入れてくれた。ならば、お言葉に甘えて遠慮なく。私は再び、愛しい妻の温もりを深く味わわせてもらうことにした。気づけば、彼女と結婚してからもう十五年の歳月が流れていた。お互いに三十の大台を超えたというのに、どうしてこれほどまでに可愛いのだろうか。これほど素晴らしい妻を娶ることができた私は、本当に果報者だな。満ち足りた幸福感の中、心地よく疲れた身体へと睡魔が優しく襲いかかってくる。私は妻を腕に抱いたまま、穏やかな眠りの海へと落ちているのだった。




