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すいません、違う端末で書いているので誤字が多いと思います。

「よっす!」

「お、もう来てたの?」


 ヒデヨシが長屋に訪れると、中ではミヤが既にいて元気に声をかける

 ヒデヨシとしては九時という約束だったので、十分前に来ていればいいだろうと思っていたので少し驚いていた。


「もう来てたのってなんか失礼じゃない?」

「いやいや、待ち合わせの時間を考えたら、って話だよ」


 ミヤはヒデヨシの頰をグリグリと突く。

 ヒデヨシは謝ると、ミヤは花が咲くような笑顔を浮かべて、


「じゃあ行こっか!」

「了解」


 ミヤに手を引かれ、二人は長屋の外に出た。


「お、今日も東の方に出たか」

「そういえば、その東の、とかってどういうことなの?」


 ミヤの言葉にヒデヨシは確かに、と反応した後、


「まずはメニュー開いてみようか」

「メニューは……これか」


 ミヤは親指と人差し指で四角形を作る。

 すると、その四角形の中に先日武器屋で見た半透明の板……ウィンドウが現れる。

 ミヤはその四角形を少し広げ、見やすい大きさに調節する。


「このゲーム、慣れると基本的にメニュー使わないから忘れるんだよね」


 ヒデヨシの言葉に相槌を打ちながら、ミヤはメニューを操作していき、


「【マップ】これか」

「あ、そこにあったのね」


 ミヤが見つけたものを横から覗いて、自分も確認するヒデヨシ。

 ミヤが【マップ】を開くと表示されたのは、


「蜘蛛の巣?」

「そうだね、みんなよくそう言うね」


 城を中心として、道が蜘蛛の巣状に広がっているマップだった。


「ちょっと複雑だけど、簡単に覚えれそうな感じだね……」

「うーん、これがそうでもないんだよなぁ……」


 ミヤの言葉に難色を示すヒデヨシ。


「どう言うこと?」

「ほら、ここ拡大してみて」


 そう言ってヒデヨシは、今自分たちの近くの道を拡大するように言う。

 言われるがままに拡大するミヤは驚く。


「え、繋がってない」


 一見繋げっているように見える道は、繋がっておらず、行き止まりになっていた。


「このゲーム、わかりやすいマップ構成に見えるけど、史実に基づくのが好きなんだよね」

「……うーんと、これは何に基づいてるの?

「別にこう言う城下町があったわけじゃなくて、城下町の特徴として、城まで行きづらくしているものが多いんだよね。

 侵入者を城に近づけさせないために」


 へぇ、とミヤは返事をしながら、マップをじっくりとみて行く。


「ちなみに、ここでやるイベント、なんてものもあるから、マップの把握は暇な時に覚えておくといいよ」

「うーん、なんか面倒だね」


 一通り見終わったミヤは、メニューを閉じる。

 ヒデヨシはそんなミヤの様子に、自分もこんな頃があったな、なんて感慨深くなっていると、ミヤはヒデヨシのほうを向き、


「今日は道場で練習してみたい!」

「道場行くの?」


 ミヤのセリフに少し驚くヒデヨシ。

 基本的にこのゲームを始めたばかりの人は、最初は憎悪に包まれるパターンが多い。

 理由は簡単、殺されるからだ。

 最初のうちは弱いのは当然だ。

 だが、だからといってこのゲームの連中が手を向くことはない。


 そのため、このゲームを始めるもののゲームをする原動力は憎悪であることが多い。


 そのせいか、このゲームで道場を利用する人は多くない。

 道場というものは意外に便利で、自由にいろいろなことを試せる場なのだが、そこにこもっててもゲーム内の何かを貰えるわけではない。


「それで、今日は道場で何をしたいの?」

「昨日の夜に一通り武器の特徴とかに目を通したから、実際に体験してみたいな、って」

「え、昨日のうちに武器に目を通したって、このゲーム武器の数多いけど……」

「えへへ、本当はマップのこととかも見れたらよかったんだけど、時間なくて……」


 このゲームの武器は、無数といってもいいほどに種類がある。

 それこそ、おそらくヒデヨシでもわからない武器もたくさんあるくらいだ。


 確か攻略サイトに情報は乗ってはいるだろうが、それも数が多いし、毎日更新されているから、ヒデヨシもちらっと見るくらいに留めておいている。


「なんでそんな……」

「なんでって、楽しいからに決まってんじゃん!」


 ヒデヨシの思わず出てしまった疑問に、ミヤは快活に答える。

 その言葉に、ヒデヨシは少し涙ぐみそうになった。

 このゲームの評価は、かなり悪い。


 それも主にちらっとやっただけの人からの評価は著しく悪い。

 ほんと、言いたい放題である。

 それでも楽しくて、やめられなかったこのゲーム。


 なんだかそれが少し報われた気がして、ヒデヨシは嬉しかった。


「じゃ、ミヤの手伝いをがんばろうかな!」

「お、急にやる気じゃんヒデヨシ〜」


 このこの、と肘で小突くミヤに、照れ臭そうに笑うヒデヨシだった。



☆☆☆☆☆



 東西南北に二つずつある道場の入り口を利用すると、ワープする感覚とともに目の前に現れたのは、


「なんか、これぞ道場って感じだね」

「わかりみが深いわ」


 若者的なやりとりをしながら、ミヤは中に入る。


 土間は小さく、すぐに道場である様子にミヤは靴……足袋を脱ぎ、中に入る。

 そこそこに広い道場は、窓がなく、地面に近いところに換気のための格子があり、中心あたりに掛け軸がある。


「【斬る】?」

「このゲーム、全てを斬る、って言うコンセプトがあるんだよ」


 ほへー、と返しながら周りを見渡すが、ミヤにとって特にこれといって取り上げるものがないため、探索を切り上げる。


「で、何を試したいの?」


 そそくさと入っていったミヤの後に続いて入ってきたヒデヨシの質問に、


「まずはヒデヨシと確認がしたいかな」

「確認?」

「うん

 だってヒデヨシってめちゃくちゃ強いんでしょ?」


 いたずらっ子な表情をしたミヤに、ヒデヨシは否定しようとするが、


「あー、どうやって調べたの?」

「公式サイトの下のところにある……あれ」

「瓦版か……」


 ヒデヨシは肩を落とす。


「見たよー、『【羽柴】の真の力! 【剛腕】を蹴散らす!』」

「もう記事になってたか」

「ま、時間なくて昨日はそれしか見ていないけど」


 ニヤニヤとするミヤに、ヒデヨシは仕方がない、といい、


「一応、ランカーの【羽柴】ことヒデヨシ、って呼ばれてるよ」


 ヒデヨシの投げやりな言葉に、ミヤは目を輝かせる。


「ランカー、ってどのくらいすごいの?!」

「うんと、サービス開始からイベントのトップテンを飾った人は総じてそう言われているよ」

「トップテン、ってことは上位十人に入ったイベントがあるの?」

「ま、その観点でいったらこの前のゴリさんのイベントとかもトップテンだし……」

「すごい!」


 突然腕を掴まれたヒデヨシは驚いて膠着してしまうが、ミヤの目を見てさらに驚く。


「それってめちゃくちゃすごいことなんだよ!

 だってあれだけの人数がプレイしているゲームで上位十人に入るって、すごいことだよ!」

「そ、そんな興奮しなくても……」


 ヒデヨシのその言葉に、ミヤは不思議そうに首を傾げ、


「なんで? ヒデヨシがすごい、ってのが私はすごく嬉しいんだよ」


 その言葉に、急に照れ臭くなるヒデヨシ。

 その照れ臭さから、ミヤの手をするりと抜け、


「さ、確認しよっか」

「あー、照れ臭くなってやんの」

「うっさい」


 ミヤからいじられていた。



☆☆☆☆☆


「えっと、まず私が調べたことは、昨日の刀には種類があって、それぞれに特殊能力が付いている、ってことだったけど」


 ミヤは自分が腰から下げている『憂』を抜き、


「それぞれの刀の種類によって能力の傾向がある。


 まず、一番ポピュラーな打刀うちがたな

 大きさは基本的な刀の長さ。

 これはこの『憂』を筆頭に、刀ではなく刀を扱う使用者に強化を施す能力。

 爆発力はないけど、長期戦になると一番厄介な刀。


 次に使用率が高いのが、太刀たち

 打刀より少し大きいくらいで、少し取り扱いが難しい。

 太刀の能力は打刀より強力な使用者本人に対する強化。

 だけど、基本的に時間制限があったり、副作用があるため、使い所が難しい。


 その次が、大太刀おおたち

 ゴリさんが使っているものもそうだけど、大太刀は基本的になにかを出すものが多い。

 衝撃波とか、振動とか、炎とか、雷とか。

 一番遠距離に長けていて、集団戦に強いけど、その分刀が基本的に大きくて、扱いが難しいため、注意が必要。


 で、四番目に脇差わきざし

 ヒデヨシが使っているものはこれだよね。

 脇差は、その名の通り脇役、二番目、って感じの刀で、長さは腕より短いくらい。

 能力としては【もう一つ刀を持つことができる】って言う能力が多い。

 でも、なんらかのデメリットが付属している場合が多いため、使う時と場所を制限される。


 それで一番使用率が低いけど、一番一位を取っている刀が、短刀たんとう

 肘から手までくらいしか長さがなくて、そもそも他の刀との相性が悪い。

 けどその能力は基本的に強力なものが多い。

 そのため、臨機応変に使う、っていうよりここぞって時に使うことが多い刀」


 ミヤの長い説明を全部聞いたヒデヨシは、ミヤの頭を撫でながら、


「すごいね、色々と調べてる」

「えへへ、私もヒデヨシと対等にゲーム

してみたいから頑張っちゃった」


 その言葉に、ヒデヨシは自分より少し小さいミヤに視線を合わせて、


「無理はしないでね。

 俺はミヤから離れる気はないから、気長に頑張るいいよ」


 ヒデヨシとしては、そんな頑張ると心配ということと、すぐに抜かされてしまうと自分のメンツに関わるために行ったセリフだったのだが、


「…………っ」

「ん? どしたの顔真っ赤にして」


 ミヤは突然の恥ずかしいセリフに悶えていた。


「と、とりあえず全部試してみたいな!」

「ん?」

「は、早くやろう!」


 ミヤの焦った様子にどうしたものかと悩むヒデヨシだが、よくわからないヒデヨシであった。

道場について

道場では様々なことができる。

・斬る対象(com)の出現

・刀の能力を任意発動する。

・時間経過の操作

・試合

・許可を出せば同じ道場に入れる

・特定オブジェクトの出現。


などなど(追加予定あり)


基本的にプレイヤーの流れとしては、チュートリアルを受けるために【寺子屋】に行く

その後、馬小屋にてボコボコにされる。

勝つために攻略サイト、武器を揃えて再挑戦。

そこで上級者の洗礼を受ける。

そこからは頑張って頑張るしかない(語彙力)


大体のプレイヤーは、上級者になる過程で初めて道場の存在に気づく。

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