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誰が好きなんだよ?

年が明けて1985年になった

泣いても笑っても最後の中学生活になる


三学期が始まり、その週末に帝釈天でお参りしたメンバーで湯島天神へと向かった


合格祈願の絵馬には【頑張って入った高校が変なとこだった、なんてならないように】と書いて絵馬を結びつけた


そして奮発して500円玉を賽銭に投げ入れ、長い時間手を合わせて願い事を心の中で繰り返しお祈りした


(F高校に入れますように、何が何でも合格できますように)


帰りは近くにあった吉野家で牛丼を食べて帰ってきた


「よし、じゃこれからオレん家で勉強やらない?」

そう言ってたきたのは太田

彼の家は広く、勉強するには持ってこいな場所だ


こうやっていつものメンバーで勉強会をしていた

勉強会と言ってもテーブルで各々の教材を開き勉強するだけだった


ラジカセで当時流行った歌謡曲や洋楽を録音したテープを流していた


「あのさぁ、みんな誰が好きなの?」


「ん?」


僕は誰のファンなのか?っていう意味で聞いたはずが、いつの間にかクラスで誰が好きなのか?という話に発展した


「オレ、佐藤が好きなんだよなぁ」


そう言ったのは斎藤、コイツは見た目がボーッとして、容量もあまり良くない


「佐藤って、お前よく佐藤と話してるじゃん!」


「この際だから言っちゃえよ!」


「ヤダよ、フラれたら恥ずかしいじゃん!」


こんな話ばかりで一向に勉強する気配がない


「小野っち誰が好きなんだよ?」


来たっ!


波多野が好きとは言えないしな…


「オレ、クラスにはいないんだよ」


テキトーにごまかした


「嘘つけ!誰かいるだろ!」


「いないよ、他の学校にはいいなぁって子はいるけど」


「どこの学校だよ?」


「多分、K中の子だと思う」


「お前、テキトーにゴマかしてないか?」


「ゴマかしてねぇーよ!」


修学旅行で寝る前にもこんな話したじゃないか…


皆、同じような事を考えていた


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