noisy morning
短いです
いつも通りのキャラクター名称の一覧表示と、05:55と記された時間が認識でき、ああ、仕事行かなきゃ…という認識とともに、右端のキャラクター名に意識をする。
そうして、クリアになった視界には、いつも通りの部屋の天井が映し出されて起き上がると、
「おはようございます。アーネスト様」
「え?あ、おはよう」
不意打ちかの様に聞こえてきた声に、条件反射のごとくに返答をしたあとに、周囲へと視線を向けて確認してみると寝具の傍で誇らしげに座っているヒョウさんがいて‥‥‥って、あれ?あのポンコツSが見当たらない。
アイツの事だから、朝から騒がしく行動をしてくるはずだろうと思われるのだが、見渡した限りその存在が不在であるために、その様な雰囲気が起きそうにもないのは喜ばしいのだが、行動理念が理念の為に危なっかしいために、いなければいないで"何をしているのか"という不安要素の要因になってしまう。
「ヒョウさん、アイツはどこいった?」
「アイツ‥‥‥?もしかして、シー殿ですか?」
「もしかしなくても、そう、ソイツ」
「シー殿には、"お使い"に行ってもらっています」
「"お使い"?」
「はい」
朝方ともいえる時間帯から"お使い"。
いったい何があるのだろうか?と疑問に思いつつも、とりあえずは起き上がり、身体の駆動部分となる場所の動作確認をしていた時、06:00という表示とともに"リンゴーン"という遠くで鳴り響く鐘の音と共に、
「あ‥‥‥あぁ‥‥あぁぁぁ‥」
と、悲観するような聞きなれたその声が聞こえた方へと視線を向けてみると、そこには、まるでスローモーションかの様にドサリという音を出しながら、しなだれるままに膝をついては四つん這いになっていくポンコツSがいたりしたが、そんな姿をさらしたポンコツSはというと、
「シーの、シーの大事な大事な安息時間がぁぁぁ成分補給がぁぁぁぁ」
つぶやき以上の音量とともに、握ったこぶしを振り上げては、二度三度と地面に叩きつけていたりしていた。
その姿は、誰が見ても悔しさ的な雰囲気を出しながらなのだろうが、こちらとしては、"お前は何を言っているんだ?"という心境にしかならない。一体全体、何を企んでいたんだ?コイツは‥‥‥
「というか、朝からやかましい」
「はっ!そ、そうだ!お、お姐様、に、二度寝などいかがですか?いますぐ、可及的すみやかにご就寝されたあかつきには、シーがしっかりとねっちりとやさしく起こさせていただきますからぁ!」
「いや、二度寝しないから」
「そこを何とか、なにとぞ!なにとぞぉ!」
「だからしないって、それにだ、仕事にも行かなきゃならんだろう」
途中からガバッとでもいうぐらいに起き上がっては、膝歩きでこちらに懇願するかの勢いでしがみ付いて訴えてきたが、いつものごとく物理障壁を利用して遮ってみては、ハブゥというぶちかましをしてくるジャンクSに対して却下しておく。
なにせ、泣き叫んで(?)訴えてきている理由が、何となく‥‥いや、はっきりと推測ができる。
どうせ抱き着いてきたりとか、抱き着いてきたりとかしたいんだろうし。
それよりも"ねっちりとやさしく"ってなんだよ、"ねっちりとやさしく"って。
そこの表現部分に"ねっちり"という言葉が付くのが分らないのだが・・・それ起こすのに必要な要素なのかと。
「シー殿?」
「は、ハヒッ?ヒョ・・・ヒョウサン?」
「もう一度、あちらで"オハナシ"をしましょうか?」
「エッ?アェ?ダ、ダイジョウブデス、ダイジョウブデス」
そんな"ねっちり"という言葉に疑問を浮かべながらあほの子Sの言動を、いろいろな障壁で受け止め・・・いや、受け流していたら、ヒョウさんの一言に対して、うわずった声で壊れた機械の様におとなしくなったジャンクSだったりするのだが‥‥‥
ヒョウさん、あなた一体全体どういった"オハナシ"をされたんですか‥‥‥?
閑話のオチともいう。




