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She is ...

「ハァ・・・そろそろ離れろ」

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・もう少し、もう少しだけお姐様成分を・・・・・・」


 呼吸を表現している言葉の文字列で「ハァ」という同じ文字を使用しているが、こちらはため息という意味合いがあるのだが、同じ言葉を発しているもう一つの方といえば、こちらの意味合いとは真逆どころか、ポリスメンのお世話になりかねない意味合いにしか受け取れない内容といえるシロモノの呼吸音を放ち、今度はこちらの身体を放すまいという必死といえるレベルで抱き着きつづけていた。


 この抱き着いている存在の種族としては、自身が大好物である機械生命体として制作しており、リペア特化型支援(サポート)ユニットとして制作したNPC的なキャラなのだが、2ndキャラの時だけまるで(たが)が外れたかの如く、本当にNPCなのか?と疑問が起きるぐらいに、感情的というか・・・違うな、情熱的というか・・・いや、これも違うな・・・


 んー・・・あ!性的な嫌がらせ(セクハラ)的(うん、これだな)とでもいう存在へと豹変する。


 なぜにこうなる?という摩訶不思議な変貌をするこのシロモノが、支援(サポート)ユニットキャラクターこと『See(シー)』である。



 一応、自身が育てたサブキャラの一つには、リペアやリカバリー能力かつ防衛戦に特化したキャラを育ててはいたのだが、あくまでもサブキャラのため、同じアカウントの別キャラクターをリペア対象には出来ない。

 まぁ、当たり前の話である。ログイン時に同時に存在できる仕様ではないのだから。


 そこで、通常のソロプレイ時の支援(サポート)ユニットとして、そういったことに対応させるべく製作し、趣味で集めた兵器コレクションも活用しては育ててはいたのだが、何故にどうやったら、こうなるのかがいまだにわからない存在へと育ってしまっていた。



「そろそろいいか?」

「プハァ!満タンです!感無量です!もう何が来ても怖くありません!」

「そうか・・・それは良かったな・・・」

「はいっ!」



 自身の前に立ち直り、満面の笑みとでもいう表情でこちらを見つめてくるシー。


 改めて確認してみるが、頭部のナース帽をもしたバイザーが顔の上半分まで覆いかぶさる形になっており、女性らしさを見た目でわかりやすくするために後頭部はロングヘアーの人工毛にしており、それを大きなリボンでまとめている。


 その顔といえば機械生命体だがリアルな口が存在してはいる人型にはしてあり、看護師風なキャラクター的優しさを前面にと思い、2ndキャラと同等に人工皮膚な要素で覆っていたりする。

 ただし、身体的にはバラストタンクとかは不要だろうと、そこらは鑑賞の成果としてはそれなりの代物に整えてある。


 さらにリペアは看護師だろ?ならばと見た目的に清楚感をプラスさせようとして、白衣とも呼べる白を基調とした衣装にしており、もちろん機能的にも人工繊維による対抗菌性もしっかりと対応させている。


 そんな、普通の人が"ぱっと見"にみたら看護師にしか見えない所見と行動を行うの標準だったはずなのに、こちらが2ndキャラを使用して出会うと先ほどのアレ的な行動をとり始める。


 以前、本人に直接問いただしたとき、「恋、いや、これは愛です!」とか意味不明な主張でのたまう始末で、さらに「乙女回路がショートしそうですぅ」とか言い出した時には、"お前、その回路がショート寸前どころか、とっくに焼き切れて焦げ付いてんじゃないのか?"とさえ思ってしまったほどにだ。



 はぁ・・・どうしてコウナッタという心境を抑えつつも・・・いや、抑えきれない感情をもちつつも、ジト目で睨みつけざる得ない中、



「ところで、アーネストお姐様、シーにどの様なご用事で?」



 今までの事をまるでなかった事にするかの如く、話を切り替えてくるシー。


 まぁ、シーのテンションに振り回されるよりかは、幾分どころか万分もマシだから、用件を伝えれて先に進むなら、もうそれでいいかと割り切る事にする。


 正直、暴走したシーに付きあい切れない事が多々ありすぎる。


 というかフラッシュバックのごとく思い出したのだが、少々厄介…いや、少々じゃないな、かなり厄介な事が多すぎだ。


 例えば・・・そう、こちらがコンテスト用の更衣室で素体状態になり"コレハ賞品ノタメ、賞品ノタメ、自分ノ趣味ジャナイ"と心を殺してまで、予選用の衣装に着替えようとしている時に、パシャパシャというシャッター音を響かせてくる相手を引っ掴まえたらコイツだった。


 そして、"何してんだ?"と聞き出したらコイツ「浪漫です!」とか「いつものシチュエーションと違うお姐様のお顔・・・あぁ、その表情がとてもソソる・・・」とか、わけのわからない力説を胸を張って主張してくる始末で・・・



「ハァァァ・・・」

「?」



 深いため息の後、今は頼らざるえないので、そこは妥協して話を進める事にする。



「少し、"診て"くれ」

「えっ?"視て"いいんですか?!」



 仮に着ていた上着をめくり、素体腹部の状況を見せようとしたとたん「キャ!お姐様が素肌を」と両手で顔を隠しながら照れてるお銚子者的な様子だったのだが、おい、指があからさまに開いてるぞ?そしてカシャとかシャッター音が聞こえてるぞ・・・という、もうツッコム気力すら沸かない行動をしでかしてきていたのだが、破損状況の場所を見た途端一転。

 なにか空気が徐々に重くなってきている様な・・・



「ドコノドイツデスカ?お姐様にこんなひどい事をしやがりました奴は‥‥

 貫通痕ですからドッギャリアですか?それともバーダソーですか?

 どちらにしろ、切り刻ざむ事確定デス。殲滅デス(DEATH)



 なんか、発言の最後らへんに機械生命体なのに殺気みたいな雰囲気を漂わしているんですが・・・


 あと、切り刻む事確定といいながら、いきなり取り出してる得物はどうみても「突き刺す」モノの代名詞、シーの身長ほどもある注射器銃(シリンジガン)なんですけど?


 それ、相手に突き刺す事(・・・・・)ができれば、薬品(薬または毒)を強制注入するとかで生物(ナマモノ)キラーとも呼ばれ、近接武器の図鑑を50箇所埋めた事で手に入る、見ためどうみてもネタなのに超凶悪な武器なんですけど‥‥?


 まぁ、毒で殺しちゃったら素材が手に入りにくいとなるため、採取などにはあまり使われない武器だし、装甲値が一定以上の相手だと突き刺す事が出来なくなるから、一部の経験値モンスター用としては、未だに使われていたりしたけれど‥‥


 ちなみに、言われて思い出したが、ドッギャリアは某鉱山惑星に生息するドリルみたいな角を持ってるサイの様な陸上生物で、バーダソーは浮遊大陸惑星でレイピアみたいな突起物がついてる縄張り意識の高い大型の鳥の様な飛行生物である。


 どちらも、刺突攻撃をしてくる生物であり、一定以上の装甲値がなければ刺突貫通なダメージを与えてくる能力を持った"雑魚"モンスターでもあり、確かに、2ndキャラで汎用以下の装甲部分では、貫通特化能力を持っているアイツらの攻撃では、穴を開けてくる可能性は確かにある。だが、



「落ち着け。ガーランという水中生物で、仕留めて食用の肉にもうなっている」



 その言葉が効いたのか、背後に"ゴゴゴゴ"という擬音文字が見えてきそうな雰囲気を醸し出してくるシーの態度が一転



「さすがはお姐様です!」



 今度は空気が軽すぎるぞ・・・なんかもうこれ以上振り回されると疲れるから、とっとと用件だけ伝える事にする、その間にも何故かこちらにすり寄ろうとしてくるし・・・



「とりあえず、リペアを頼みたい。あと、左腕も頼む」

「了解です!少し、視せてください」



 そういわれ、今度は左腕の状況を見せていく、リペアの状況確認として、いろんな方向から確認させてもらいます!と"ほむほむ"というリアクション付きで専用のツールらしきモノ(見たことないぞ、ソレ)を取り出しては、スキャニング?みたいな恰好でなすがままに検査が開始されていた。


 一通りのチェックが終わったのか、その後には"うーん"と両腕を組みながらうなる格好をみせており、何かしらの問題点が出てきたのかと少々不安になる。



「で、どうなんだ?」

「難しいですねぇ…」

「難しい?」

「はい」


 その表情は、とても重要な事を語りだそうとする医者とでもいう表情であり、見た目的には確かに酷そうだったが、活動には影響には特になかったために気にはしていなかったが、実はそこまで深刻になっていたのかという不安をさらに掻き立てられ、シーが、その一拍の間をあけてから口を開く














「お姐様のお肌をより私好みの(つや)やかさにする為にはやはり妥協は許されません。

 それに、見た目は完璧(パ-フェクト)のままに肌触りと揉み心地を両立させ!

 さらに高みへと追及する為に(ゴッ)・・・アウヂ・・・イタィ・・・」



 空いている右手で頭をドツいておいた。

 いい加減にしてくれという思いと念を丹念に丹念に込めて、握り拳(グー)で特に強く。



 というか何を企んでいるんだよお前、何か余計な言葉が聞こえてきたと思ったら、幻聴でもなんでもなく、お前の欲望が垂れ流れてるだけだろう・・・コレは釘をさしておくべき案件だよ・・・絶対・・・



「そこまでは不要だ!で、直せれるのか?」

「アゥ‥‥元に戻すだけなら余裕の余にもなりません。

 ただ、現状仕様に戻すには約五時間以内といった所です」



 叩かれた頭を手でさすりながら、というか機械生命体なのに痛みあるのか?あれ?こっちはシバいた手の衝撃しかなかったのにという事を思いはしたが、

 五時間か・・・もう次の日といった所か、ならばもう今日はスリープモードに入っても今日はいいかと判断する。

 そうして、リペア作業に入ってもらうため、自身はスリープモードへと入ることを伝えるが、シーは何やら含みのある笑みを浮かべており、嫌な予感しかしてこない。



「いいか?余計な事はするなよ?」

「……」

「今度から呼ばないぞ…」

「えっ!?そ、それだけは、それだけは‥‥」

「なら、余計な事はするなよ?」

「・・・」

「そうか、帰りたいか・・・」

「えっ!?そ、そんなぁ・・・」

「なら、余計な事はするなよ?いいな?」

「・・・はーい」



 まるで、しぶしぶといった感じで返事を返してくるシー。

 こちらとしては不安財調がより強まったとしか言えない状況なのだが、頼らざる得ないのも事実なため、ベッドへと横になった後、気になりながらもスリープモードへと移行した。










「‥‥(お姐様…寝ました?寝ましたよね?寝ましたね?‥‥フヒッ)」

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