ガーラン
ガーラン?
聞いたこともない呼称が出てきたとは思ったが、この魚類なエイリアンな奴の事なのだろうか。
そんなこちらの心象とは関係なしに、先ほどからカジキマグロエイリアンもどきを見分している親方は、一通りの確認をし終えると
「おい、狩人組合へ連絡いれてこい。まだ周辺海域に何かがあるかもしれん。あとは港湾管理局にも一報回しとけ」
「はい、わかりました。ではさっそく」
「ほかに手の空いてる奴は、とっととソイツの処理しとけ!」
「「「へい!了解!」」」
そう指示をうけた助手と言っていた人と、その近くの数人がその場を速足で出てき、ほかの生物集団は、そのガーラン周辺に集まってなにやらしはじめた。
それは、まるで解ってますかのような「どっせい!」「そっちあげろー」「荷車もってこい」「水もってこい!水!海水でもいい!」などなど、そんな掛け声とともに、てきぱきとでもいった動きで何やら作業にとりかかっていた。
それらを他所に、こんどはこちらの正面に立ちなおり、
「さてと、嬢ちゃん」
「は、はい?」
「いきさつを話してくれるか?これでもここらの管理を預かってる」
「は、はぁ・・・」
少々凄みとでもいうぐらいの眼光を放ちながら親方がそう聞いて来ることに、条件反射的に返答せざる得ないというか、いきさつも何も、あの石を探してたら襲われたとしか説明しようがなく、あとは専用の道具を使って陸にまで連れてきたと、そして、陸に上がった時に折れた角みたいなのをぶっ刺して動きを止めたという所だけ話していく。
とりあえず、身体の方も動作が出来ているので、問題なしと伝えてはおいた。
「無茶する奴だな・・・。ガーランのあの堅い鱗を貫くのに、ガーランの剣をそのままつかうたなぁ・・・ま、大体話は解った。でだ、身体の方は本当に無事なんだろうな?」
「え?一応は無事、ですよ?ほら」
何というか、結構な凄みと共に上から下へと眺めながらこちらに聞いてくる威圧が、なんともはや威圧感がすごかったので、その場で屈伸なり、手を動かしてぐーぱーしてみたり、ラジオ体操もどきを行ってみたりとやっているが、その間、かなりすごみというか睨みを効かされていたりしていたが
「もぅいい、わかったから」
という呆れたかのような一言で終わった。
いや、心配してくれていたんですかね?それとも何か思う所があったんですかね?なんというか、表情が読み取りずらくて、何を考えているのかサッパリなんですが。
「親方!ガーランの解体終わりました!」
「こいつはどうします?」
と、掲げられていたのは、頭部に刺し込んでいたおいたあの角らしきもの。
「やっぱり回しますか?」
「・・・ああ、そうしろ。掟だからな」
「へーい」
回す?掟?なんだそれ?
そんな彼らだけの単語とやりとりで、なんか自分がほっとかれている気がしないでもないが……
「でだ、嬢ちゃん、あのガーランをどうする?」
「どうする・・・とは?」
何を意図して言っているのかわからない。
とりあえず食材にでもできるのだろうか?などと思っていたら
「ガーランの素材を狩人組合に持っていけば換金できますよ?」
と、いつの間にか戻ってきた助手の方が、横から話を振り出してきた。
その際に「手続きはやっておきました。後で管理官が来るそうです」「ちっ、あいつ直々か?」「そうみたいですね」「ハァ…解った」という、何かとんでもなくいやそうな会話が聞こえてきたみたいなんですが…
というか
「ハンターギルド?」
「ええ、こういった魔物の狩猟や採取を主として取集いるギルドですよ。
あのガーランの肉なら高値がつくでしょうね。
しかも物がかなり良いからさらに上乗せも期待できますよ。
他にもあの背びれや骨なども薬の材料になりますが、
薬師ギルドに持ち込む手続きを個人でやるとかなり面倒なので、
狩猟組合で一括して対応した方が手間が省けるでしょうね」
眼鏡をクイッという仕草つきで、懇切丁寧に説明してくれる助手の人。
なるほど、つまりあのガーランという魔物?の素材は、お約束的なハンターギルドで材料として売却ができるという事ね…というか、そういう狩猟を執り行っているギルドがあるなんて知らなかったし…
というか、高値が付く肉って事は…うまいという話なのかね?やっぱそうだよな希少とかありそう。
という事は食ってみたらエネルギー回復量も増える可能性があるのかもしれない?
それならば、とっておいた方が良いだろうしいや、食えると確定できたわけじゃない、薬師ギルドといっていたから、もしかしたら触媒という可能性も・・・確認をとっておくべきだろう。
「えーっと、あの肉は食用になるんですか?」
「えっ?食用も何も、高級食材ですよ?」
マヂでか、これは期待が高まる
「背びれの毒も、体に回る前に処理やっといたから大量だぜ!」
「もったいねーもんな!」
「手間賃として、ちょぉとオレらにも分けてくれればOKだぜ!」
「オレ、肝でいいぞ!」
「まて、そこはまて!そこは平等にだな」
「うるせーぞ!手前ら!」
「「「ウーッス!」」」
そういう言葉が発せられた場所では、解体がおわり、着々とブロック肉化したものを荷台へと積まれていく元魔物の存在があった。
「あれの所有は?」
「ええっと、法的にも規則的にも、狩猟を成功させた人や団体の所有物になりますね。
状態も良いですから、たぶんかなりの高値がつく部類になりますから・・・
街の肉屋にでも持っていっても、大層喜ばれるかもしれませんよ?」
金銭にするか、食材にするか…悩みどころである。
うーん、うーん…
「鍋にしようぜ!鍋!」
「ばっか、焼きだろ?常識的に考えて」
「揚げだろうが、あの小麦粉をまぶして揚がるジューシーな肉…最高だぜ」
「最近でたワサビジョーユで生とかもいけるらしいぞ」
「「「えぇ・・・生はちょっと・・・」」」
「なんでだよ!うめーだろー!」
「てめぇらいい加減にしろ!その獲物は嬢ちゃんのだろうが!」
「「「ウッス、スイヤセンシタッ」」」
なんか、野次を飛ばしてる人たちから、旨そうな誘惑がヒシヒシと・・・鍋に揚げに焼きにと・・・あ、あかん、なんか旨そうなフレーズに・・・涎がでて・・・涎ないからオイルかもしれないけど。
そんな中、腕を組みながら怒鳴りつけてたりする親方が一人。
ある意味シュールな光景だな。
考えても仕方ない。とりあえず食料補給による回復が重要だろう。なにせ一杯までぶん回したおかげか、もう四分の一を切ってしまっている。
「食材にならない物は売却で、あとは食材として宿に持っていこうかと、
あと解体のお礼に一部は持って行ってもよいかと」
「わかった。お前ら!聞いたな!」
「「「うーっす!」」」
「肝貰い!!」
「バッ!てめぇ!そこはオレも目をつけてたんだぞ!」
「こればっかりは早いモノ勝ちぃ!」
「大量にある肉だけにしておけ!バカやろう共が!!」
「「「え、えぇぇぇぇ」」」
と、いきなり肝の争奪戦が始まったりしたが、親方の一括で収まる。
親方、何気に慕われてるのか、それとも恐怖にかられているのか…
「気にしないでください。いつものことですから。
それで、どの宿でしょう?」
「えーっと、宿…?」
やっべ、宿の名前忘れてたわ。何気にスルーしてたわ、いかつい親父さんに、ふくよかな女将さんと、よく働く一人娘がいて、馬房がある三階建てのと説明すると「ああ、ギルの宿か」と理解はしてくれた。
その後はトントン拍子というか「その宿への搬送とハンターギルドへの売却手続きはやっておきますよ、まぁ、これはこちらのね・・・」と助手の方が告げてくれ、親方は視線をそらし続けていた。
その後は、検分という事で、親方はここに残るとの事となり、その際「あいつ等にも料理するなら少し分けてやってくれるか?代金は払う」という事で話を振ってきたが、それを受けるよりも貸しを作っておいた方が良いかなぁという魂胆を思いつつも、「別に代金はいりませんよ。それよりも…」と、何気に雇ってくれとワイロ的な物をジッと見つめて伝えてみたところ、どう受け止めた繰れるのか解らないまましばし沈黙がながれ、
その後、腕を組んで悩んでいた親方が、
「嬢ちゃん・・・」
「はい?」
「今日の明日じゃあなんだが・・・また、必ず来い」
「えっ?」
嬢ちゃんとは違うのだが、コチラに向いて問いかけられた為に、条件反射的に返答してしまったが、親方はその言葉を言うだけ言った、とでもいう感じで、プイッと視線をそらしていた。
これはあれか?採用されたという事か?石見つけなくてよいの?と思っていたりしていたが、それとは別に周りでは
「お、親方がデレた…」「デレたな…」「珍しい…」「かなり珍しいですね」
「てめぇら!!今日は終にするが!明日からおぼえておけよ!」
「「「へーい!」」」「「少しは勘弁してくださいよー」」
「知るか!さっさと運んで来い!」
食材という荷物を荷台に乗せていく作業員たちの苦笑いの中、親方は茶化されながらも少し笑っていた。




