第33話 波乱の予感
最近久し振りに風邪を引いてしまいました(笑)
翌朝再度シャルにピュートーンの事を紹介する事になった。
「えっとこいつは、ピュートーン。今はトーンって読んでる」
「うむ、これでも神の端くれだ。宜しく頼むぞ」
蛇が人に話しかける様子はなかなかシュールだ。
「えっ、あのシャル=フィドルです、一応レンジの妻をしてます」
「なんと!!レンジは結婚しておったのか!」
「いや、してねぇよ」
さらりと嘘を言うシャルはもはや安定である。蓮二達の事は話したので取り敢えず昨日のシャルの事を聞いてみた。
「別に対した事は無かったですよ?ゴミ掃除以外は」
「明らかそのゴミ掃除怪しいじゃねぇか」
不吉なゴミ掃除があったこと以外は本当に何も無かったらしい。しかしこれで当面の資金も食糧も揃ったわけで一足早く次の場所に行くことになった。
「んじゃ次行くか、次はどこなんだ?」
するとシャルはよくぞ聞いてくれましたと言いたげにニヤリと笑って言った。
「次はいよいよ、レナさんが居るらしい街ですよ!!」
これには蓮二も素直に嬉しく感じた。思い返せば現実世界の人に会うために旅をして居るのだ。
「そうかやっとか、これでやっと迷惑な痴女とおさらば出来るのか」
「そんな褒めないでくださいレンジ!濡れる」
あえてナニかは言わないが、蓮二の皮肉たっぷりの言葉に過敏に違う意味で反応するシャル。蓮二は思った、もうダメかもしれないと。
荷物をまとめ宿を出るために鍵を女将に渡そうとした時女将が白い封筒を渡して来た。
「はいこれ、ちゃんと渡したかんね」
「えっ?あの女将さん?」
誰のものか聞こうとするが昼時のため忙しいのか女将は奥へさっさと戻ってしまった。
「レンジ?どうしたんです?」
シャルが蓮二が遅いので声をかけてくる。蓮二は自分宛なら見ればわかるかと封筒をしまい言った。
「いや、なんでも無い。出発しよう」
村の端に行くと馬車乗り場があった。蓮二はここで馬車に乗れるのかと聞くとシャルが答えた。
「なんたってこの村は周辺の村の中心地ですから、定期便があるんですよ」
その答えに成る程と頷いていると今まで腕に巻きついていたピュートーンが蓮二に聞いてきた。
「レンジ、ワシは姿を変えた方が良いか?」
ピュートーンは自身の蛇の姿に一般の人が怖がるんじゃ無いかと心配してのことだった。
「あぁたしかに蛇って外見の上に黒色だからな」
「そう言えばトーンちゃんはどんなものにもなれるんでしたっけ?」
「とっトーンちゃん!?…うぉっほん、たしかにワシは何にでもなれる。ではレンジの知識にある腕輪にでもなるか?」
契約した時に分かったことだが契約するとお互いの知識を共有することが出来る様になるのだ。勿論蓮二の恥ずかしい記憶なんかも共有できる。プライバシーのカケラも無いのだ。
「ああ、それなら目立たないしな。トーンそれになってくれ」
蓮二の言葉にピュートーンは頷き黒い靄となり腕に絡みつき靄が晴れると黒い腕輪になっていた。
蓮二達は馬車に乗った。夜になり馬車に揺られながらシャルが蓮二の肩に頭を乗せて眠る。そこでふと蓮二は昼間女将に貰った封筒を思い出した。
(そういや誰が俺に出したんだ?まさか)
先日起きたケイラの事が頭によぎる。
封筒を破ると白い紙が一枚入っていた。
そして蓮二の予感が当たることをしる。
『次の街で行われる大会に出場しろ。
そこでこの世界について教えて上げる。
待ってます
ケイラ=クシュラ』
手紙を読み終えた蓮二はしばらく手紙を見つめた後深いため息を吐いた。
「はぁ、次の街も疲れそうだな」
こうして次の街での波乱の事を考え肩を落とすのだった。




