青春サツ×論 剋宮夜王編 裏 弐
青春サツ×論
剋宮夜王編
裏 弐
「マジで、理由になってないぞ?!」
「そーヨそーヨー!!」
「笑山さんは、黙ってください?」
「はい、スミマセン。」
『フィリピーナちゃんは、OKなのね…?』
「ねぇ、先生!!
皆、大丈夫なんだよね?!」
「落ち着け、江口。
深呼吸しろ。」
「・・・ん?革田教師。ちょっと。」
「ん?何だ?」
「・・・神宮司、イザとなったら、頼ンだわよ。」
「あ、はい。・・・って、え、俺?!」
事態は、まさに「混沌」。
「秩序」や「理性」は、欠片も感じられない。
そんな「闇」に、一筋の光明が差される。
「何よ、お前たち。
情けないったら、ありゃしないわね。」
「やはりな。」
「おぉぉ!!!コハルせんせぇぇぇ!!!」
全力ダッシュの勢いのまま、床に額を擦り付けてブレーキをかける。
スピード重視のスライディング・土下座。
笑山少年、流石だ。
全国大会確実のスピードだ。
「見苦しいわね。
お前も、妖でしょ?
自衛の一つや二つ、出来なさいよ、みっともないわ。
こんな華奢なアタシに、守ってもらおう何て。
恥を知りなさい、恥を。」
「グハッ!!」
ダイレクトアタック。
しかも、「効果はバツグンだ!!」と、「急所に当たった」。
「あ、守国様!」
「すみません、遅れました。
ちょっと、駄々を捏ねられて…」
「失礼ね。アタシをくっさいまま、出勤させる気?
そこの狐とか、バカップルたちとか。
失神する奴らが出るわよ。」
「やはり、そなたか。」
「何?嫌い?」
「いや、今は緊急事態じゃ。
目も瞑ろう。」
「悪かったわね、『アタシ』で。」
「別に。ただ、胸が逆撫でされるだけじゃ。」
「それは、『苦手』って言うのよ?
馬鹿にしないで頂戴。
それくらい、知ってる。」
「『嫌い』と『苦手』は、違うぞ?」
「知らなかったわ。」
「『カレル』さーん!!速く、仕事してください!!」
「うっさいわね、モリジン。
今アタシは、見聞と好感度を同時進行で会得しているのよ。」
そう言って、「バカップル」の方に近づく女は、とにかく白かった。
人間でない事は分かる。
しかし、何処が違うのかは言えない。
強いていうなら、やはり「白い」ところ。
目が、山吹色であるところ。
「この世のモノとは、思えない」と言う風貌。
他の者達も、何処が人と違うのかは、分からない。
しかし、確実に「人ではない」と、分かる。
本能だろうか?
我々が、人間である事の、証明になるだろうか?
「・・・大丈夫じゃ、なさそうね。」
「・・・コハルちゃん。」
「パニック寸前って、所?
凄いわね、彼氏パワー。」
「おい、冷やかしか。」
「そんな訳、ないでしょ?
アタシ達は、モリジンと違って。
・・・空気は、読めるのよ。」
白い女の表情筋は、極めて重篤な病気でも、抱えているようだ。
ピクリとも、動かない。
しかし。
江口少女を見る視線は、和やかなものであるかもしれない。
比較対象が無いため、分からないが。
「・・・これ以上、ここに居ない方が良いわ。
部屋に、戻りなさい。」
「良いの…?」
「責任は、モリジンが持つから。
良いのよ、別に。」
「え?!」
「当たり前でしょ?
この失態も、お前のせい。
アタシはただ、お前の尻ぬぐいをしているだけよ。
・・・だから、あれ程、「結界術をもっと会得しろ」、「バリエーションを増やせ」、
「アップデートしろ」、「パソコンにウイルスバスター入れろ」と、
コハルが言ってたのに…」
「・・・最後の一個は、何か違う気g。」
「何?」
「最後の一個は、本件と関係ない気がします。」
凄い、言った。
今、言った。
流石、守国役人。
「残念なイケメンランキング(職場調べ)」の、毎年ランクインランナー。
「空気を読めtier表」毎回上位(上には上がいるが、アレらはノーカウントの、
良識が害されているレベルなので実質最上位)。
「そうかしら?
まぁ、現場検証は終わった後に。
・・・頼んだわよ、お前。」
「え、俺?!」
まさかの神宮司少年が御指名。
「何をしろと?!」
「多分、外は安全。
だけど、一応。
統率を取らせておいて。
刀達とか、居ない奴ら、居るでしょ?
って事で、GO。
アタシは、モリジンひっ連れて、突撃するから。
先生、ガンバ。」




