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波2
「何かさぁ、鬼ってもっとストイックだと思うんだよ。
『すいません、定時で帰ります。』って何だよ。
あと、飲みに誘っても断るんだよ。
あり得ないよね。
上司が誘ったら、普通は死んでもお供するよね?」
夜月の鼻息が荒くなってくる。
それにしても夜月はかなりブラックな感じなんだ。
緋莉はさすがにこんな風ではないと思うけど。
「あと不満な事がまだあってね!」
夜月が語尾を強める。
「知ってるかい?
最近の人間は身体を痛めつけなくても、地獄に携帯電話がない事に絶望するんだよ。
どんな痛みにも耐えるから携帯を返して欲しいって懇願してくるだよ。
そもそも地獄にネット環境はないからね。」
夜月はかなり腹を立てている。
うわぁ、地獄でも携帯電話を使いたいんだ。こうなってくるともう病気だよね?
後に携帯電話のせいで世の中滅ぶんじゃないか心配だよ。
「あっ、良い事を思いついたよ。
鬼を全部クビにして、ロボットを働かせるとか。ついでにAIでも積むとか。」
何処でそんな知識を得たのか疑問だが、わりかし夜月は本気のようだった。




