表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Empty idea  作者: 坂津狂鬼
《恍然自失》
8/18

code user

「コードなんてものは言ってしまえば、拳銃よりも弱くて、核弾頭よりも強い。相性によってコロコロと強さが変わってしまうものだ」

昔、濁川空にコードの使用法などを教えた人物はそう語っていた。

「なんせ現象だからな。純粋な水ならば電気を一切通さないように、条件によって最強にもなるし、逆に塩分を少量でも含んでしまえば電気をよく通してしまうように最弱にもなる。まあ分かりずらい例えだとは思うんだが、上手い説明ができないんだ」

それでも空は大概は理解できていた。銃器とは違って、単純では無いということが。

「コードに合わせた戦術スタイルにしておけ。条件すら揃えてやればコードというのは無双だからな」

故に今の濁川空の戦術スタイルは、ある事に特化したものになっている。

「相手がコードを使ってきたとしても動じるな。コードというのはただの現象だ。原因と結果が必ずある。冷静に観察すればそのコードが起こせる現象が見えるはずだ」

当然その前に相手のコードが何だかが分かっている方がいんだがな、と苦笑いをしながら加えて来た時は空自身もその通りだと思っていた。

「コードを分けるとするなら5つ。対人、対域、対界、対コード、予知。それ以外の現象をコードは起こせない。これは絶対だ」

それが意味するのはつまり判定基準。区別されてあるという事はそれぞれの部類にはそれぞれの特徴があるという事だ。

「そしてこれも絶対だが、コードには弱点が存在する。その条件を探り、できるのならばその状態にもっていけ」

そうすれば確実に勝てる。当然の事だが、一番難しいことだ。

「最後に一つ」

空に色々と語ってきた人物のコードに関する最後の教えは、とても簡単な事だった。

「コードが使用されている悪行は、その使用者を殺さない限りには断ち切れない。だが特別な手段として殺害以外にコード使用者を止める方法もある。コード自体を抹消するか、コードを使えないという風に誤認させればいい」

「……どうやって」

「コードを抹消するのは世界ごと変えられるコードでなければ無理だ。だがな案外コードを使えない状態だと誤認させるのは簡単だ。なにせコードには形がないからな。『結果』を観測しない限りにはその存在を認識できない」

空の問いに返されたのは、そんな言葉だった。

この時はこの言葉の意味を空は理解できなかったが、現在となってはその意味が理解できる。



「さて」

先程、空の携帯にあの刑事からの着信があった。

どうやら警察署内で突然女性陣の暴動が起こり始めて、どうにもこちらの救援には迎えそうにないという言伝だった。

先程の通話時、反崎泉希の妙な言葉はこれを示唆していたのだろう。

いや、これだけではない。

空の予想では最悪、ここら周辺の地域の女性がおかしな行動をとり始めているであろう。

何故なら相手のコードは女性をマインドコントロールできるコード。その人数に制限はない。生きている女性ならばどこに居ようと操れる。

「……はぁ」

いくら濁川空がコードを使えようとも、今の外の状態に対して無防備で出発してしまった途中でリンチにされる可能性もある。

男性と女性の筋力に差があろうとも、数の暴力の前では個の能力などゴミクズ同然だ。

故にある程度の武装をしておこうと思ったのだが……。

机上に集められたおおよそ武器となりそうな物は、スタンガン、カッターナイフの二つだけだった。

スタンガンは偽の通り魔を捕まえる際に威力を確認しているため安心性はあるが、カッターナイフの方は刃物であるため加減をしたところで相当な傷を相手に負わせることになる。

どうせこれから空が道中で対峙する者たちは無関係の人々。それも女性だ。

その点で考えると、持って行けるのはスタンガン一つだけだろう。

予備のアルカリ電池と共にスタンガンを懐にしまった空は、すぐさま部屋を出る。

「駅は使えるよな……」

赤錆びた階段を下りながら溜息交じりに独り呟く。

空にとって今一番心配なのは警察署内の暴動でも四葉自身の身の安否よりも反崎泉希のコードをどう潰すかでもなく、交通手段だった。

取り敢えず、反崎と四葉がいる女子高までは2駅分移動しなければいけない。

さらに反崎は警戒のために他の場所へと移動しているかもしれない。

どちらにしろその距離を徒歩で移動するのは疲れてしまう。

女性たちの暴動によって交通機関までもが塞がれてしまったら、もう嘆くしかないだろう。

最寄りの駅への最短ルートを歩きながら空は辺りに警戒する。

(……反崎のコードで行える最も有効な戦法は人海戦術。数に物を言わせて漁り尽くすことだろう。だが、その戦術をするにあたっても対象の指定をしなければならない……)

反崎は女性ならば人数制限なしに操れる。だがあくまで操るだけだ。

視覚や聴覚の共感まではできない。命令を出し、その通りに動かせるだけなのだ。

ならば重要となるのは反崎が出した命令。現在どういう命令の下に女性たちが動いているのか。

男性を全員捕えろ、という命令が一番単純だろう。

(……だが別に全員を捕える必要は無い。警察署内のように暴動を起こし、組織に混乱を与えるだけで十分な効果を得られるだろう。反崎泉希は俺についての情報を何も知らないはずだ。つまり反崎は俺を捕えることを優先させる可能性自体が少ない……)

反崎が濁川空について知ってることと言えば、その声からして男性である事。年齢も比較的若いという事。その二点のみである。

それだけの情報で濁川空を捜し出すことは不可能に近いため、その他の事に人員を多く割くだろう。

その他の事としては、交通機関などに対する混乱を生じさせる事などが挙げられる。

空が危惧しているのもこのためだ。

「…………」

辺りを警戒しているうちに駅には着いてしまった。

ここまでは何も無い。しかしここから先は、何かがあるだろう。

空は警戒し続けながらそのまま改札口へと進んでいく。

毎度思うけど、読み難ッ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ