第1話 迷いの森のコウ
「は?ここ、どこ…?」
俺は木々の生い茂る森の中?的なところで1人ポツンと存在していた。
目の前は真っ白な霧に包まれて10メートル先も見えない。
時折なにかの鳥の鳴き声らしきものはするので生き物自体はいるっぽいけど。
「あ、そうだスマホ。」
尻ポケットに突っ込んでいたスマホを取り出し絶望する。
圏外。
嘘だろ。
俺スマホの圏外はじめて見たかもしれない。
落ち着け、牧村康!!
こういう時こそ落ち着けって何かで聞いたことあるし!!
とりあえずここに来るまでのことを思い出すんだ!!
えっと今日は期末試験で3日目でやっと解放されたー!って歓喜の流れで部活仲間と一緒にカラオケにいく予定に…。
もう一度スマホの画面を見ると時間は14時22分。
ってことはカラオケ行く途中にここに迷い込んだ?
いやいやマジでか?
俺の住む町はこんな田舎じゃないよ?
大体俺自転車乗って行こうとしたじゃん、どこに置いてきたのよチャリンコ…。
こんな説明も前振りもないわけわからない展開になるやつはもしかして…?
「異世界転移的なやつ…?」
口に出してみるとすんなりとそんな予感がしてきた。
ほら、俺男子高校生だし?
そういうの憧れるお年頃だからね!
さっきまでの不安をよそに俺はワクワクとしながら定番の台詞を言った。
「ステータスオープン!!」
ヴゥン…。
虫の羽音みたいな音がしてゲームのコマンド画面のようなものが出てきた。
きたーー!!!定番のやつだ!!
え!俺異世界来ちゃった感じ!!?
スキル何よ何よ!!
当たりスキルをお願いします!神様ー!!
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《マキムラ コウ》
年齢 17
ヒト族 男
HP 80/80
MP 100/???
ユニークスキル【ダンジョンショップ】、【地獄の沙汰も金次第】
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ユニークスキル!!!
すごい!これチートなやつじゃないか?
しかも2つあるとか!俺選ばれしものってやつ?
しかし情報ってこれしか無いのかね。
腕力とか魔力とか運みたいなパラメーターも無いし、レベルも無い。
異世界ものあるあるの【鑑定】スキルが無いから見れないのかな?
【アイテムボックス】もないし、あ!【異世界言語】もない!
現地の人と喋れるかなぁ…。
それになんか最大MPの値が変なんだが…。
とまあ、その辺は後から考えるにしても。
戦闘職っぽくは無さそうなスキルだよな…
あれか?商人スキルかな?でもダンジョンショップってなに??
もう一つなんかもっと分からんし…。
「うーーーん…。」
さしあたって、スキルの使い方も知りたいんだが一番はここからどうすればいいかってことだよな。
急に俺は現実とやらに引き戻された。
なんにも見えない森の中突然1人放り込まれて、持ち物はスマホと財布くらいで食料も飲み物も無い。
…これを遭難と言わずに何という?
「誰かー!!助けてくださーい!!」
チートスキル(仮)があってもここで死んだら終わりじゃんか!
Tシャツとデニムパンツのラフ装備の一般人じゃ戦えませんよー!!
俺はパニックになりかける。
普通こういうのって説明なりチュートリアルなりあるじゃん!
神様?聖霊様?俺を召喚した魔術師さん?
誰でもいいから説明プリーズ!!!
『かしこまりました。コウ様。』




