第四十六話-第四試合・強者の武-
「あっ!お帰りなさい師匠!!」
レオンとパイロの試合が終わった後、レオンは観覧席に戻ってきていた
「次は……フォートが出る試合だったよな?」
「えぇ、そうです。」
「確か…相手も優勝候補だった男だよな?」
[統合者]ヴァイツテイラーと[戦闘狂]フォート・アグリンドは、何方も優勝候補であった。
つまり……何方が勝ったとしてもレオンは優勝候補と戦うわけで…
「次が、楽しみだな。」
レオンが笑みを浮かべる
正直なところ、先の戦いでレオンは強者と戦う事に楽しさを見出しつつあった。
「ところで、怪我とかは大丈夫なんですか?」
レオンがパイロの攻撃を多数受けていたことを思い出す
「あぁ、何ともない。医療部隊が全部治しちまったからな。パイロの方も、全部治ったらしいぞ。」
「それは良かった、です………」
リヒトが失われたレオンの右腕の方を見る
「あぁこれは、流石に時間が経ち過ぎていたからな……もう治る事は無いだろうな。だが、あたしは今を満足してる。だから、気にすんな。」
レオンはリヒトに笑いかける
四試合目が始まろうとしていた。
『それでは!本日最後の試合となります…第四試合!そして今回は何と……選手何方とも優勝候補です!一体、どうなってしまうのでしょうか!!!
それでは、[統合者]ヴァイツテイラー VS [戦闘狂]フォート・アグリンド!!!
試合……………開始、です!!!』
——————
「なぁ、ヴァイツ。」
フォートが高圧的な態度でヴァイツテイラーへと話しかける
「何ですか?フォートさん。」
二人はこの舞踏大会が開催されるたびに毎回参加している。つまり、歴とした知り合いである。
「今回は、俺の知り合い達が参加しているんだが………楽しみ、とは思わないか?」
「それはそうですが……いきなりどうしたんです?」
「まぁ、何だ。」
フォートが一呼吸おいて答える
「お前には絶対に、勝たなければいけないんだ。だから、全力で行くぞ。」
「ふ、ふふ、言ってくれますね……全力で叩き潰して上げますよ!!!」
———ゴギィィン!
二人の男が正面から拳を撃ち合い、籠手同士がぶつかり、轟音が響く
「どうした?力が弱くなったか?」
「あなたの力が異常なんですよ……!」
凄まじい殴り合いが続くも、何方ともども、決定打になる事は無い。
「フゥゥン!!」
「ッ!」
その中に蹴りが混ざり始めた。
「そろそろ良いでしょう………行きますよ!!!
———“インテグラール”」
ヴァイツが、技巧を発動させる
その、効果とは。
「フン、来たか。」
目の前のヴァイツが瓦礫を纏った
「さぁ、此処からで———」
ヴァイツテイラーの技巧は、”インテグラール”。簡単に言うと、自分が破壊したものを身に纏うことが出来る………という能力である。実は、もっと非人道的なことをすれば最強レベルの素質を持った技巧なのだが…………今はいい。それよりも重要な部分は、戦いが長引く程強くなる。という点である。
だが逆に言ってしまえば、発動直度はそこまで強いものでは無い。そして、今のフォートは戦いを楽しみつつ、本気で勝ちに来ている。
つまり。
「グフォァ!!!」
最大限に助走をつけ、今までで一番とも言える程の殴打。
耐えれるはずも無く………
『勝者!フォート・アグリンド選手———!』
一瞬で終わってしまった。
「悪かったな、ヴァイツ。」
倒れたヴァイツテイラーに声をかける。
「今回は……運が悪かったんだよ。」
そうして、フォートが観覧席の方を見る
——————
「ちょ、師匠!なんかフォートさんがこっちを見て笑ってますよ…!?」
挑戦的とも、不気味とも見える笑顔をフォートが此方に向けている
「怖い…です。」
ナリアも怖がっていた
「これは……あたしを狙っているな…?」
第三試合と第四試合の結果から必然的に、レオンの相手はフォートとなってしまっている。
流石のレオンでも、これには危機感を感じた。
こうして大会初日は終わり、今の所は全員勝ち残ることが出来ている。このまま続くと良いのだが………




