1 事の発端
いつものように依頼をこなしていた刀也は
怪しげな噂を耳にする
「刀を持った亡霊?」
依頼所の受付嬢、シアから詳細を聞いた刀也は、早速向かう事にするのだが…
「これで終いだ。」
刀也はぶっきらぼうに吐き捨てた
「がっ…あ…」
「闇討ちを仕掛けるんなら、もっと隙がある時を狙うんだな。」
袖で刀に付いた血を拭い、華麗な動作で納刀する
「さて…これでこの辺の盗賊共は粗方片付いたし…帰るか。」
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「あっ、おかえりなさい刀也さん!お怪我はありませんか?」
明るい笑顔で迎えてくれたのは、依頼所の受付嬢、シアだ。
依頼所とは所謂ギルドであり、そこで受けた依頼に応じて報酬が支払われる
薬草や野草集め、家の掃除、迷子のペット探しから危険な魔物や野獣の討伐まで、様々な依頼を扱っている
「おう、シア。この通り大怪我だ。」
「とてもそうは見えませんよ?相変わらずですね」
軽口を叩く刀也に、シアは笑いながら答えた
「今回の依頼は〜…っと、レクタの森に出没する盗賊の退治、でしたね、報酬は1800Gになりますね」
「ん、ありがとさん…ん?少し多いが?」
「これは私からの感謝料です、いつも刀也さん危険な依頼ばかりお受けになりますから」
「んー、そうでもねぇけど、ありがとな」
「いえ、お礼を言うのはこちらの方ですよ♪」
「そういや、最近この辺で刀を持った亡霊が出るって噂を聞いたが、何か情報はあるか?」
受け取った金を懐に仕舞いつつ、刀也は尋ねた
「刀也さんは刀に目が無いですもんね…一応依頼は届いていますが、どれも釈然としない内容のものばかりでして…申し訳ないです…」
「んや、いいさ。場所だけ教えてくれるか?」
「レクタの森の西、今は廃墟になった館があるのですが、どの依頼もその周辺で目撃情報があってますね」
「了解、なら気が向いた時にでも行ってみるさ」
「はい、くれぐれもお気を付けてくださいね?」
「ん、サンキュ」
そう言って刀也は依頼所を後にするのだった
初めまして、塩昆布と申します
初執筆の作品ですので拙い所はありますが
物語を楽しんで頂けると幸いです。