神隠し 1
「大丈夫か?」
あまりの強烈な光に目が眩んでいると、
引力に引かれるような強い力で後ろから手を引かれた。
気づけば細身なのに逞しい胸板にエレノアの細い体は収まっていた。
「大丈夫じゃないわ。
おかげで目がチカチカする。」
後ろからぎゅっと抱きしめられたうえ
耳元で囁かれる低音にエレノアの心臓はどきりと跳ねる。
エレノアは気恥ずかしさを照れ隠しするように
可愛くない憎まれ口を叩いた。
「良かった……」
ホッとした声を漏らし一層力を込めてルークは抱きしめる。
「ちょーーっ!」
熱い吐息が耳にかかり、普段とは違う力強い拘束にエレノアの顔は逆上せた。
ドドドドと煩く主張する心音はどちらのものか分からなくなっていた。
「ーーはい。そこまで」
パンパンと手を鳴らす音にはっとしてルークから身を離した。
シャラは呆れたような顔を
カイルは生暖かい目をしていた。
……いたたまれない
冷水をかけられたように体温が急降下し、さっと目を伏せる。
「なんだよ。シャラ。
今までにない良いとこだったのに!」
チッと舌打ちをするルークの言いようにますます赤面する。
シャラはそんなルークを無視してエレノアを呼んで物を投げた。
「早くそんな重いものとっちゃいなよ
全くうちの男どもは気が利かないなぁ」
「伯爵からその鍵を拝借したの俺な」
わざとらしくため息をつくシャラにぼそりとカイルが呟いた。
二人のコントを他所に受け取った鍵で足首にある鍵穴に鍵を入れると簡単に鎖は取れた。
魔力が戻ると同時にッズンと肩に重圧と濃厚な魔物の気配がエレノアの周りを包んだ。
「ーーっ!」
靄りとしたものが蠢くのを感じエレノアはさっと構えた。
いつも腰に携えている武器がないのが頼りない。
エレノアの視線の先に他3人は驚きつつもさっとエレノアを庇うように各自武器を構えた
「ーー何てことをなさるのです、騎士様?」
4人は信じられないものを見るかのように瞠目した、
雷に打たれ黒焦げになった筈のセドブルがヨロヨロと立ち上がったのだ。
エレノアのドキドキは吊り橋効果じゃ…と言いたい笑




