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明日は  作者: 白い花びら
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冬に備えて

 厳しい冬の寒さを少しでも和らげるために住まいも改良することにした。

 旅好きなカラスが数年前に広めたという家。私の知っているログハウスに似ている。

 石を積み上げた上に丸太を組んだ家。

 

 外気を遮断してくれる太い丸太。雨風しのぐだけだったもとの住まいより格段に快適になったそうだ。

 でも、まだ足りない。

 

 まずは、煙突をつけた暖炉で暖をとれるようにする。

 今までは基本的に一人暮らしまたはつがい暮らしをしているが、冬の間は集団で暮らせるように大きな家に個室をつくった。同じ家の中できるだけ一部屋に集まって過ごしてもらう。必要な者は個室へ。

 これで、かなり暖かいはず。予想つかない冬の厳しさに薪を節約するためでもある。

 地下も作ってもらう。

 外の気温に影響されない地下室。

 食物の保存に使う。これで凍ってだめになることを防げるはず。

 もし薪が無くなっても、地下にいれば凍死することはない。


 窓には厚いカーテン代わりの木の葉をつける。


 冬越が不安な者たちは全員城として使っている一番大きな建物に住めるようにした。

 大きな地下には薪と保存用食料が着々と詰め込まれていく。


 石を積んで作った暖炉で暖かい食べ物を作れることも教え、実践出来るようにする。

 暖かい食べ物は体を温める。保存の固くなったお肉も柔らかくおいしくなる。

 天候が荒れた日は危険な狩りに出なくても食べ物にありつける。


 自然にあるものをあるままで食べていた獣達。

 食べたいときに穫る。自分が食べるだけ穫る。穫れなければ食べない。何日でも。

 本当にそれだけで生きてきた奇跡。

 

 誰も死なせない。

 やれることはすべてやる。



 「にー。できた?」

 「もう少し。ちょっと待って。」


 日持ちがしない果物を試しにジャムにしてみたらみんなに喜んでもらえたので、食べきれない分をジャムにするのが日課になった。

 収穫は子ども達の仕事。

 綺麗に洗って煮詰めるのは私。

 いつからか洗うのまで未来と逢未が手伝ってくれるようになった。

 

 2人とも大きくなった。

 私の知っている大型犬ほどもある。

 甘えられて体がぶつかると、立っていられないほど力も強くなった。


 相変わらず2人とも一日中私から離れない。


 子猫達も中型犬ほどの大きさになった。

 あの子達は好奇心旺盛で畑中を駆け回ってる。

 大人達にじゃれついて叱られたり、仕事の途中で昼寝したり、猫の気性なのか自由気侭だ。


 「いいよ。できた。」


 洗い終わると銀ちゃんが風で水気を吹き飛ばしてくれる。

 はじめは驚いていた2人も今はもう平然としている。逢未は見えない分気配がわかるらしい。


 大きな鍋でくつくつ煮る。

 薪の火加減も上手になった。マルクが削って作ってくれたおへらのような大きなスプーンがとても使いやすくて、底を焦げ付かせることも少なくなった。

 ジャムを煮ている時間はみんなの休憩タイム。

 木陰で休んだり、昼寝したり。森や川に出かけていく者もいる。


 

 初めて会ったときに比べれば皆 毛艶も体格もかなり良くなった。

 精霊達はだんだん少なくなっていく。冬が苦手な精霊は冬眠したり過ごしやすい場所に移動したりするそうだ。

 銀ちゃんはずうっと一緒だよと言って笑う。

 心強い。


 冬はもうすぐ。

 


 



 

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