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明日は  作者: 白い花びら
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その後 

 ここ。獣の国に作った私の保育園には狼の兄弟と猫の姉妹がいる。

 狼の兄弟は育児放棄された後遺症で一匹は失明、一匹もそれを免れたとはいえ衰弱していた。

 自力で出来ない子らに水を飲ませ、ドロドロに煮た食べ物を少しずつ口にいれる。

 口からこぼれ落ちても、辛抱強く続けるうちになんとか命をつなぐことが出来た。

 布に似た葉でお尻を優しくたたく。促されて排尿。きれいにぬぐい、体を優しくなでる。

 体温が下がらないように、懐にいれて片時も離さなかった。


 自分で食事をとり、歩き回れるようになった頃、猫達が生まれた。

 育児放棄しないように生まれる前から説得していたので、お乳はやってもらえている。側を離れるときはあずかる。

 ミーミー鳴く目も開かない子猫は本当に小さくて頼りなくて、厳しい冬を乗り越えて来年の春を迎えるまで命を守ることを私に決意させた。


 「にー。ボク おてつだい する。」

 「ぼくもするよ。」


 保育園は畑の真ん中。大人達が作物のお世話をしている。

 今日はお芋の収穫だ。

 茎と葉はそのままにして土の中をそうっと探る。小さな芋は傷つけないように土をかけなおし、大きな物だけを収穫する。

 繁る葉はどこまでも茎を伸ばし、試しに数本植えただけの畑はあっという間に芋の葉で埋め尽くされた。

 日当りが良ければどんなところでも育つことがわかると、あとの植え付けはありったけのただの荒れ地にすることにした。固い地面でもしっかり根を張り元気に育つありがたい作物だ。

 荒れ地の土は固く、大きな芋だけの収穫は難しいので、時期が来たら力自慢の猪達に全部掘り返してもらうつもりだ。


 子猫達は固まって眠っている。

 やわらかい草でそうっと囲うと私も芋掘りに参加する。


 「逢未、おいも見つけるの上手ね。」

 未来の弟も未という名前だった。未来のように希望を感じてほしくて逢うという字を加えて逢未にした。

 言葉はまだうまくしゃべれないが、見える者達よりもむしろよく気がついて聡い。

 言葉をかけると、しばらく硬直したあとほんのりはにかむ。

 汚れた手じゃなかったら、ぎゅうっとしたいくらいかわいい。


 「みて、こんなに大きい!」

 未来もたくましくなった。死を受け入れて静かだった目が何かを決意しているかのような強さを見せるようになった。逢未をさりげなく助ける優しいお兄ちゃんだ。私に見せた後、逢未にさわらせている。


 「にー おきい ね。」

 「逢未のもおおきいよ。頑張ったな。」

 顔をなめながら、お兄ちゃんぶって褒める未来。はにかんでうれしそうな逢未。2人とも銀狼なので白っぽい毛並みで青い大きな目の美獣だ。ならんで仲良くしている様子は目の保養。周りの大人達もほんわかしている。

 情に厚いという獣。

 自然に逆らわず、滅びをも受け入れる潔さ。でも、仲間のためにはどんなこともやり遂げる強さを持っている。

 私はこの国の獣達が泣きたいくらい大好きだ。




 「ユウ、ただいま。」

 「おかえりなさい、マルク。みんな。」


 山の仕事に行っていた皆が帰ってきた。

 マルクは国にとどまり私の知らなかった山の仕事を皆に教えてくれている。

 片っ端から折っていた(力自慢の熊や猪って凄いよね)木をみてあきれたそうだ。

 森の木が元気に育つように、残しておく木と切ったほうが良い木があるそう。木を切ってさらに山を豊かにする方法を実地で教えてくれている。

 木の種類と見分け方。加工しやすいもの、燃えやすい木。実のなる木の若木を見つけてきてくれることもある。

 何年かしたら、この若木がたくさん実をつけてこの国が飢えることを無くしてくれるのを期待している。


 ジークは私と話をした後、この国を1人で見て回り、必ず戻ると言って旅立って行った。

 

 逢未 あみ


 みくとあみどちらも男の子ですが、未の字を使った名前がなかなか思いつかずこんな名前になってしまいました。

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