五百四十八番槍 帰雲城、生き残りの名医
関東での城巡り開始です!
おすすめの城があったら是非教えてください!!
1585年、白川。
内ヶ島氏理治めるこの地は、帰雲城という立派な城を中心とした城下町で賑わっていた。
この町には、下方卦庵という名医がおり、毎月決まった日に帰雲城を訪れては城主や家老たちの健康診断を行っていた。
そんなある日。
いつものように城に赴き、氏理の脈を取る卦庵。
(これは…!死に脈…!!嘘だろ!?)
卦庵は身分に分け隔てなく診察を行ってきた。
時には死にゆく人を見送ったこともある。
だから、わかる。
氏理のこの脈は、間もなく死ぬ人間の脈…!
「殿、どこかお体に気になる所はありませんか?」
「ん?ないぞ!俺は至って元気だぜ!」
マッスルポーズを決める氏理に、どこか不気味なものを覚える卦庵。
「そうですか…。では、奥方様も見てみましょう」
そう言って氏理の妻の脈を取るも、やはり死に脈。
一族や重臣の脈を取るも、やはり死に脈。
怖くなった卦庵は思わず叫んだ。
「間もなくここに大きな災いが起きます!早く逃げてくださいませ!!」
「はははっ!ボケてしまったのか卦庵?今日は秀吉様から本領安堵をいただいた宴会をするんだ!逃げるどころか、みんな集まるぞ!」
氏理は一笑し、卦庵の言葉に耳を貸さなかった。
卦庵は帰りながら、通行人の脈を取る。
「死に脈…死に脈…。私自身も…死に脈だ…!猫や馬も…死に脈…」
走って家に帰り、妻と子供の脈を取るもやはり死に脈。
卦庵は走り、城から離れた町へとやってきた。
そこで人々の脈を取る。
「よかった…!!普通の脈だ…!!」
恐る恐る自分の脈を取ると…。
「おお!正常だ!良かった!」
そう言った直後であった。
後の世に天正地震と呼ばれるようになる大災害が起きたのは。
山が崩れ、帰雲城は土砂の下へと埋まった。
誰が見ても絶望的だとわかる。
助かった人など1人もいないと一目で理解できる惨状が目の前に広がっていた。
これにより、氏理を始めとする内ヶ島家の人々は一瞬にして滅んだ。
難を逃れたのは宴会に用事があると参加しなかった4人の家臣だけであった。
卦庵は何とかこの災害から生き延び、その後も帰雲城の城下町で生活した。
その後三代に渡って医者を続けたという。
帰雲城と言えば地震で被災した城として有名ですね。
埋蔵金伝説とかもあります。
下方卦庵という医者自体は実在の人物で、現在まで家系が続いているようです。
昔話にありがちな、一人だけ未来の出来事を予言するも誰も信じないで大惨事になるお話です。
私も信じないタイプなので巻き込まれる側ですわ。
2027年に帰雲城発掘調査予定とかいう話を聞いたので書いてみました。
これ以外にも不思議な話がたくさんあるので、白川郷行く方はついでに帰雲城もどうですか?
…場所すらわかってないけど。




