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婚約破棄されたので、王宮を出て制度を作り直します ~王国の財政を握っていたのは私でした~  作者: 月守いとは


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第60話 進化する公開

 公開型枠組み・最終採決日。


 会場は満席だった。


 王国。

 同盟。

 商会連合。

 独立商団。

 学術院。

 投資連合。


 全員が、理解している。


 今日の決定で、

 制度の方向が決まる。


 議長が、静かに告げる。


「効率条項追加案と、動的評価指数案の採決を行います」


 まず、効率条項。


 賛成票が挙がる。


 数は、少なくない。


 だが、過半数には届かない。


 次に、動的評価指数案。


 挙手が続く。


 王国。

 同盟。

 学術院。

 商会連合の大半。


 結果は、明確だった。


「動的評価指数案、可決」


 室内に、息が流れる。


 歓声はない。


 ただ、緊張が解けた空気。


 エリシアは、静かに目を閉じる。


 勝利ではない。


 進化だ。


 条項が記録板に反映される。


『動的評価指数:正式採用』


 内容は明文化された。


 ・失敗履歴は保持

 ・改善速度を重み付け

 ・段階的制限

 ・再起評価期間設定


 淘汰は残る。


 だが、即断ではない。


 会合後。


 カイが歩み寄る。


「合理的妥協です」


「妥協ではありません」


 エリシアは穏やかに言う。


「統合です」


 カイは、わずかに笑った。


「あなたは、淘汰を消さなかった」


「必要だからです」


「そして、私は循環を認めた」


 短い沈黙。


「制度は強くなりました」


 カイは、はっきりと言った。


「効率も残り、柔軟性も加わった」


「ええ」


「次は、別の課題が来ます」


「来るでしょう」


 思想の対立は終わらない。


 だが、破壊ではなく進化へ向いた。


 ハルフェン。


 リリア商団のページに、新しい更新が表示される。


『動的評価指数:改善傾向』


 小さな投資が戻る。


 大きくはない。


 だが、止まらない。


 王宮。


 レオンハルトは、採決結果を読み、深く息を吐く。


「公開は、守られた」


 だが、冷酷のままではない。


 商会連合。


 マリアンは、静かに呟く。


「厄介ね」


 だが、長く使える制度になった。


 港の夜。


 エリシアは、記録帳を開く。


『第4章結論:

 公開は冷酷ではない

 未完成だっただけ』


 ペンを置く。


 効率は必要だ。

 淘汰も必要だ。


 だが、循環がなければ、

 未来は縮む。


 公開は、進化した。


 光は、照らすだけではない。


 時間を含み、

 流れを作る。


 港は止まらない。


 制度も止まらない。


 第4章・了

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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