表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/90

四節 また敵国に乗り込みました

《じゃあ突っ込みますか》


 俺はグルス帝国が見える距離の空中を飛んでいた。


【馬鹿者めが】


 無謀な戦いに赴こうとしている俺にリベラルは呆れた声を出す。


《はいはい》


 精霊の小言をいつものように受け流した。


「おおおーーーーー」


 俺はグルス帝国めがけて全速力で突っ込む。


 ドーン、ドーン、ドドーンと激しい砲撃が次々と襲ってくる。


「あぶねえなっと!」


 かわしながら砲台へと魔法で攻撃を返していく。


 ドゴゴーン。


 スピードを出しすぎて止まりきらず、俺は城下街の家に激突してしまう。


「はぁ~死ぬかと思った」


【安心しろ。馬鹿者はしぶとい】


《どうせ馬鹿者ですよ》


 俺は立ち上がりながら精霊相手にいじけてみせる。


「せりゃーーー」


 一息つく間もなく、頭上に現れた敵が剣を振り下ろしてきた。


「はあ!」


 俺は受け止めながら敵を振り投げる。


「相変わらず素晴らしい動きですね」


 襲ってきたのはゴルザだった。


「お前とは戦いたくなかったんだけど」


 素直な感情が言葉となって出てくる。


「私は戦いたくて我慢できません!」


 ゴルザは容赦なく両手の小太刀で連撃を繰り出す。


「そっちは相変わらず面倒くさいな」


 俺は攻撃を最小限の力でいなしていく。


【戦いが長引くとまずいぞ】


《わかっているよ》


「はい!はい!はい!」


 どんどん興奮していくゴルザの攻撃は激しさを増す。


「あ~くそ!」


 苛立ってきた俺は一旦距離を取る。


「神器、炎龍の陣!」


「やる気になってくれましたか」


「さあね」


「じゃあ、嫌でもやる気になってもらいましょう」


 ゴルザはお構いなしに襲い掛かって来た。


「だから付き合っている暇はないって」


 俺は炎を剣に纏ってタイミングを見計らう。


「魔邪双龍斬!」


「炎龍剛波斬!」


 俺とゴルザの技が同時にぶつかり合った。


「おおりゃーーー」


 パワーアップした俺の一撃でゴルザは物見櫓らしき建物に叩きつけられた。


「マジックプリズン」


 一瞬怯んだのを見逃さず、俺はゴルザを魔法で封じ込める。


「はぁ、はぁ、は~」


 俺は思わず膝をついて体を休めた。


【休んでいる暇はないぞ】


 リベラルが喝を入れてくる。


《わかっているよ》


 強がった返事をしつつ、軽くふらつきながら立ち上がった。


「おっしゃ!待っていろよキーア」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ