十節 空中戦をしました
「マジックシールド」
俺はシールドを張って激突していく。
「おのれ~」
バランスを崩した魔人たちは次々と下に落ちる。
「これでもくらえ!」
魔人たちが一直線に並び口から吐き出された火球を飛ばす。
「〈ブリザードウォール〉」
俺は全ての火球を氷の壁で弾き返した。
「すごい……」
魔法使いたちがあまりの威力に唖然とする。
「よっっしゃ!行くぞ!」
「おーーー」
俺の掛け声に全員が歓喜の声を上げた。
「何だ貴様は」
「勇者の一郎ですけど」
「ジャギー様が焼き切ってやる」
持っていた剣に自分の息で炎を纏ったジャギーが襲い掛かる。
「上等だよ」
草薙の剣で受け止めた瞬間にジュジュっと音がした。
「アツ!」
火傷しそうな熱さに慌てて距離を取る。
「ふふふ。どうした勇者様」
俺の慌てようにジャギーがニヤリと笑う。
「鎧着てなかったら手が焼けてたぞ」
ふーふーと俺は息を吹きかけ手を冷ます。
《これじゃマトモに斬り合いも出来ないな》
【魔法を使えばいいだろう】
《あ~あれね》
俺はリベラルに言われて新技を思い出した。
「どうした?来ないなら行くぞ」
さらに息で火を強くした剣をジャギーが振りかざしてくる。
「〈アイスソード〉」
呪文を唱えると草薙の剣が氷の剣になった。
「そんな細枝みたいなもので!」
「おーーー」
剣同士がジジジーと凄まじい音を立てる。
「くそ~魔法使いめ」
「まだまだ」
鍔迫り合いで押し合った後、数度斬り合う。
《やっぱり空中は戦いづらいな》
【弱音を吐くんじゃない】
足元が不安な俺にリベラルが克つを入れる。
《ギアを上げるか》
集中する為にジャギーを押し飛ばし距離を取った。
「〈神器!海王の津波!〉」
鎧が海のような鮮やかな水色になる。
「色が変わったから何だというだ」
ジャギーは今まで倒した敵と同じセリフを吐く。
「舐めてると痛い目見るぞ」
「ふん!」
ジャギーはこちらの忠告を無視して突進してきた。
「〈水蛇の渦!〉」
俺の手の平から消防車の五倍はある水が噴出す。
「こしゃくな~」
凄まじい勢いの水流はジャギーをあっという間に地面に叩きつけた。
「これでお終いだ」
俺は構えをつくり一気に下降する。
「〈合体奥義!氷蛇の渦!〉」
海王の渦を魔法で凍結させた氷の刃でジャギーに突撃した。
「ぎゃーーー」
氷の刃に叩き潰されたジャギーの断末魔が響く。
「はぁ~」
スッと着地して俺は一息ついた。
「うわーーー」
頭を倒したが、敵の数はまだ多く魔法使いたちが倒されていく。
「シールドはまだか、クロウ」
「すみません。術式は完成したんですが、魔力を充填するのに時間が掛かってしまって」
「わかった。俺が時間を稼ぐ」
だが、俺が空中に浮かんだ瞬間、シールドが城を囲んだ。
「どうなっているんだ?」




