第二十七話「証拠の全貌」
カイゼル様の情報部が集めてきた証拠は、予想以上に多かった。
神殿内部から流出した記録台帳には——過去二十年分の聖女能力測定データがあった。
その中に、私の名前もあった。
「……見るか」
カイゼル様が、静かに一枚の羊皮紙を差し出した。
「ルナ・アーシェル。年齢・検査日:各年次。能力測定値:最高域超過、計測不能」
私は瞬いた。
「……計測不能、とは?」
「通常の測定器では振り切れて計れない、という意味だ」
「毎年検査されていたのに、一度も教えてもらえませんでした」
「……そうだろうな。グリフィスはこれを意図的に隠蔽していた。貴様の能力は神殿にとって——手放したくない財産だったからだ」
「……では追放したのは」
「フィオナ嬢を次の聖女として立てる必要があった。貴様がいると、誰もフィオナを必要としない。だから冤罪で追い出す必要があった」
私はしばらく黙った。
「……グリフィス長官は、ずっとわかっていたんですね」
「ああ」
「……怒るよりも、呆れてしまいます」
カイゼル様が私を見た。
「……それで、いいのか」
「どうすることもできた時期には、何もわからなかった。今は——カイゼル様たちが動いてくださっているので、私は感謝しかないです」
「……貴様は強いな」
「そんなことはないですよ」
「……いや。強い」
カイゼル様は珍しく、真剣な目でそう言った。
「お前のその強さが——俺はずっと、驚いていた」
第二十七話 完
お読みいただき、ありがとうございます!
ルナちゃんの「計測不能」、驚きましたか?笑
同時に、怒るより呆れるという彼女の反応が……本当に彼女らしいですよね。
カイゼル様の「強い」という言葉に、深い敬意を感じます。
次回はいよいよ証拠が公の場に出てきます!お楽しみに!
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