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第49話「石精霊の道・王女の誓い」



南領地・境界の森。

レイと契約モンスターたち、そしてエルフの代表団が到着した。ここは長年、魔物の脅威と荒れた地形に阻まれ、王都とモルテアを結ぶ道が途絶していた場所だった。


「ここに道を通す。モルテアと王都を結ぶ石の道だ」

レイの言葉に、契約モンスターたちが頷く。


レイは魔方陣を描き、深く息を吸った。

「来い――石精霊!」


大地が震え、巨岩のような精霊が姿を現す。

その体は山のように重厚で、石の腕が地面を叩くたびに轟音が響いた。


「我が契約に応えよ。モルテアと王都を結ぶ道を築け!」


石精霊が咆哮し、地面から石柱が次々と隆起していく。

だが、そのままでは魔力の消耗が激しい。そこで――


「我らが歌を、道に捧げよう」

エルフたちが詠唱を始める。

風と樹の精霊に祈りを捧げ、石精霊にバフをかける。

その瞬間、石の柱は滑らかに組み合わさり、堅牢な石畳の道へと変わっていった。


やがて、森を貫く一本の大路が完成する。

それはモルテアと王都を直結する、壮大な石の道だった。


その場に同席していた王女セリアは、目を見開き、感嘆の声を漏らした。


「……信じられない。王都の土木隊ですら数十年かかる計画を、あなたは……」

彼女はレイに歩み寄り、真剣な眼差しを向ける。


「レイ、あなたの力はもはや辺境の奇跡ではありません。王都にとっても希望です。

この道は、モルテアだけのものではない。王都と共に歩むべき未来の象徴です。

だから――共同で運営しましょう。モルテアと王都、両国の民が安心して往来できるように」


契約モンスターたちがざわめく。

グラ「ふふ、ついに王女様が認めたわけだね」

バル「共同運営なら、戦略的にも安定する」

リリィ「やったね!これでみんな仲良くなれる!」

ミュー「レイ、あなたの努力が王都を動かしたのよ」


レイは深く息を吸い、王女の瞳を見つめ返す。

「……ありがとうございます。僕たちは仲間を守るために国を作りました。

その想いは変わりません。ですが――王都と共に歩む未来も、受け入れます」


セリアは満足げに頷き、手を差し伸べる。

「では、共に新しい時代を築きましょう。モルテアと王都の未来を」


二人の握手に、民衆とエルフたち、そして契約モンスターたちが大きな歓声を上げた。

──石の道は、ただの道路ではない。

それは、二つの国を結ぶ“絆の証”となった。


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