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年老いた醜小鬼・キースの最後

**********************


並みの醜小鬼(ゴブリン)は魔力が無い為、一般的な平均寿命は数十年と他の魔物よりも短命であるのが普通の醜小鬼(ゴブリン)である。

しかし、キースは北の山脈の竜種達の身体から放出されて魔力の持った飲み水や倒した竜種の肉の魔力により300年以上も生命維持をしていた為、等の昔に身体は限界を越えていたのだ。

最後の大仕事として弟子である3人と息子であるミノアが愛したオルガーナの為に幻獣神・ベヒーモスの魔力で産み出された怪物を昔からの取り柄であるズル賢さで乗り越えようとした代償の結果である。


「クケケ…さ、流石にすんなりとはいかないか…仮にも幻獣神の魔力から産み出された怪物だからなぁ…人間の女の怨念や私怨では動かせんかな…? 」


「い、いえ…先ほどから悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)を見つめております… 」


「クケケ…最終的にグランザニア帝国の最強の女があの悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)さ。残りの敗者達の怨念は北の山脈に根づいた様だ…このまま、あの二匹が北の山脈に異動すれば…ワシの勝ちよ… 」


「き、キース様…お、お身体が…ッ!!!」


ドルトンに抱き抱えながらキースの身体は徐々に崩壊しようとしていたのだ。 黄金の三首持つ蛇ゴールデン・キング・スネイクの攻撃を避けながら怨念と私怨を取り込んだ魔石の欠片を口に投げ込み素早く攻撃をさせるために身体を維持する為に必要な魔力を使い果たしてしまったからであったのだ。

東の帝国の女達は常に争い憎しみ合い、何時しかそれがグランザニア帝国の女に産まれた宿命になっていたのだ。

そして、死してなお戦い続ける怨念と私怨から産まれた悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)こそがグランザニア帝国の人間の風習が産み出した魔物であるのだ。

その悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)は東の帝国の女達の勝者であり、 黄金の三首持つ蛇ゴールデン・キング・スネイクには鎧騎士(リビング・アーマー)同士の殺し合いで敗北した者の怨念と私怨が込められているのだ。


今の 黄金の三首持つ蛇ゴールデン・キング・スネイクの前には自らが負けた女達の成れの果て勝者である姿である悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)に対して言い表しのない憎悪が込み上げてきてきたのだ。

だが、幻獣神・ベヒーモスの魔力の前には怨念や私怨で黄金の三首持つ蛇ゴールデン・キング・スネイクを西の渓谷から動かすのは簡単な事ではない。

実際に敵を感知しているが、渓谷に侵入してこない為に手出しをする事はないのだ。

だが、悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)は人差し指を立てると丸で掛かってこいと挑発行為をし始めたのだ。

この行為に憎悪が増大し、ベヒーモスの魔力を取り込み、西の怪物を見事に渓谷から動かす計画は製鋼したのであったのだ。


「クケケ…後は頼んだ…ぞ?ドルトン、ジョセ、ギガース…ワシが育ててやったのにおめおめと敗北するなよ? そして、すぐにワシの元にくるなよ? 」


「キース様、我々は貴方に鍛えられオルガーナ様に報いる事が出来ました…どれだけ感謝の言葉を捧げても足りない位です… 異世界(こちら)に来て不遇な目にあってばかりでしたが、キース様との修行の日々は前世よりも大変でキツく辛かったですが…俺達は貴方の弟子になれて良かったと誇りに思います… 」


「クケケ…後はシャーロンに長年合えずに寂しい思いをさせてしまったからな…醜小鬼(ゴブリン)は略奪種族で恋愛感情…なんて、無かったが…惚れたのがシャーロンでよかった… 」


「………」


オルガーナの隣に控え、キースの最後を見届けていたが、シャーロンは最後のキースの言葉になんといって答えれば良かったのかわからなかった。

だが、キースはシャーロンとの夫婦関係はないに等しいただ醜小鬼の魔王ゴブリン・ディザスターにまで成り上がったミノアという怪物の産みの親というだけで親らしいことなどしてやれていなかったのだ。

だが、それをさせてくれたのが、ジョセ、ドルトン、ギガースそしてガント達であった為にキースは思い残すことは無いと普段通りに不敵に笑い、最後にオルガーナ達に幻獣神達に復讐を託しこの世から消滅した瞬間であった。

西の渓谷から動かなかった 黄金の三首持つ蛇ゴールデン・キング・スネイクが守護するべき場所である渓谷から飛び出して悪霊の鎧騎士(デビル・アーマー)に襲いかかったのだ。

二匹は当たり一面を破壊しながら同じ怨念や私怨が込められている魔石に引き寄せられる様に北の山脈に移動子がなら戦い始めたのだ。

キースの最後の策略により、最後の砦であった怪物・ 黄金の三首持つ蛇ゴールデン・キング・スネイク醜小鬼(ゴブリン)を一匹も倒すこと無く渓谷を開けてしまった為にガルディアに侵攻を妨害する者はいなくなった為にオルガーナ達はガルディアへと侵攻を開始するのであった。


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