キースの謀略(2)
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キースの指導により低級醜小鬼であるガントは女性の死体を利用した鎧騎士の製造に励んでいた。
だが、キースは鎧騎士を作り出す死体の女を港町と農村部からいい状態のものを選びそれをガントに使わせたのだ。
そして、北の山脈の竜種討伐の指揮官として先陣を出ていたドルトンの部隊は竜種の死体や魔鉱石や魔鉱塊を大量に持ち帰ってきたのだ。
戻って直ぐに、ドルトンは連れ出した精鋭の醜大鬼の巨人を広場に集めてオルガーナとキースの前に跪くと、醜大鬼の巨人達も同じく跪き始めたのだ。
「キース様の助言通り、強敵相手を想定しての指揮訓練の相手に竜種達は最適でした。そして、これがその成果です」
「クケケケ…ジョセとギガースには城の護衛や後方支援魔法の指導を任せてドルトンのみでの醜大鬼の巨人達をどう纏めるのか期待してたが… 」
「うむ…ドルトンは素晴らしい精鋭部隊を作り上げたといってもいいな…」
「はっ…有難い言葉なのですが…道中に武装をした死体女を見かけたのですが…あれはいったい…?」
北の山脈から城に帰還する道中に襲撃により破壊された農村部にガントが産み出した鎧騎士をそのまま放置させてしたのだ。
それは港町も同じであり、破壊され、荒れ果てた町と村をただ徘徊しているだけであったのだ。
ガントも作り出したものの鎧騎士達が戦力になるとは到底思えなかったのだ。
すると、キースは不適に笑い初めてある余興の為に必要な事をしていると語り始めたのだ。
元々、 グランザニア帝国の女は喧嘩文化があり、港町と農村部、あるいはその中でいざこざが起きれば、喧嘩で解決するのだ。
そして、それは女としての【核上】であるという認識である帝国であったのだ。
死体に利用したのも損傷のない女を素材にして街に彷徨っている怨念を鎧騎士に憑依させ、更に強力な鎧騎士に育てるつもりだという。
だが、端からみれば街をただ徘徊するだけの死体にしかドルトン達には見えなかった。
「クケケケ…帝国の兵士には国を思う未練が余りない。それは男も同じだ。
この国の娯楽である女喧嘩で産まれた女の怨念・私怨があちこちに充満しておるからなぁ…」
「ですが、その程度であの鎧騎士が強力な戦力になるとは… 」
「クケケケ…当たり前だ。ワシが求めてるのは鎧騎士の支配権を獲た
鎧騎士同士の闘いじゃ…いわば再戦の機会をくれてやっただけだ… 」
「…つまりはあの鎧騎士の宿主がまだ正式に定まっていないからただ徘徊しているだけだということですか? 」
ジョセの予想通り、ガントに作らせた鎧騎士に使った女の死体の意識というものはない。その場にとどまっている怨念と私怨が憑依して中で所有権を得る為に戦っているというのだ。
実際にガントが作った鎧騎士は港町と農村部に数十体程で既に完成して放置している状態であった。
そして、まだ欠損が少ない死体はある為に数を増やしていき、最終的には所有権を得えた鎧騎士同士が闘い初めるとゲラゲラを笑いながら説明したのだ。
つまりは最終的には港町と農村部いる数十体の
鎧騎士が殺し合いをし始めるというのだ。
折角、数を作ったのにそれでは戦力補強にならないのではないかと尋ねると、ガントが作った鎧騎士で決着をつけられる環境を用意してやっただけで娯楽の一環を続けされようというのだ。
「クケケ…その後に悪霊の鎧騎士になるか死霊騎士になるかは知らんが…西の黄金の蛇の対策さ… 」
「どう言うことですか?」
「西の渓谷にいる黄金の三首持つ蛇の能力は自動再生以外わかっておらん。ならば、捨て駒にできる鎧騎士達を大量生産して悪霊の鎧騎士や死霊騎士に襲わせるようにするのさ…」
「…もしかして、キース様は負けた怨念を魔石の欠片に封じ込めてそれを黄金の三首持つ蛇に憑依させるつもりですか? 」
ジョセの言葉にキースはゲラゲラと笑い、痛手を追わず、黄金の三首持つ蛇を倒す為に息子であるミノアが作った悪習を利用し、難関である西の渓谷を痛手を追わずに乗り越える策の為にガントに大量の女性の死体を利用した鎧騎士を作られているのと同時にガントの鍛冶技術を鍛える訓練にもなるというものであったのだ。




