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疑われる交際疑惑

その後、俺は授業を4コマ終わらせ、昼休みを迎える。

「黒ちゃん、購買行こうぜ。」

聞こえるのは堅の声。しっかりと財布を手にして、準備を整えていた。

「ああ、そうだな。あまり、遅く行くと、売り切れってことになりかねないからな。」

俺もバッグから、財布を取り出して、教室を後にした。そして、購買に向かって走り出したのだが。

「昴様‼」

「・・・っ!びっくりした・・紅葉か。」

俺の前に現れたのは、紅葉だった。

「昴様、今から一緒に食事しませんか?」

いきなり俺は食事に誘われた。

「あの、黒ちゃん?この娘は?」

堅が紅葉のことを尋ねてきた。

「あの、昴様の友人のかたですか?」

「うん、そうそう。俺の名前は鳴神堅。堅って呼んでくれてかまわない。」

「よろしくお願いします、鳴神先輩。私の名前は、紅月紅葉です。」

「あの、紅葉ちゃん?できれば名前で呼んで欲しいんだけど。」

「すみませんが、それはできません。それと、私のことをファーストネームで呼ぶのやめてくれますか?」

「えっ、だって、黒ちゃんは・・・」

「昴様は特別です。」

「何故だ、いつも、黒ちゃんばかり・・・・」

堅は、ひどくショックを受けていた。一言でいえば、一種の瀕死状態だ。

「堅・・・あのさ、紅葉、もう少し言い方ってもんがあったと思うが・・」

「いえ、鳴神先輩は、察するに気に入った女性を誰でもいきなりナンパするような人です。」

「よくわかったな。堅はまあ、ナンパとまではいかないが、女性をいきなりファーストネームで呼ぶのは日常茶飯事だな。まあ、でも俺の友達だから、ほどほどに仲良くしてやってくれ。」

「・・・はい。でも、どうして、あんな人が昴様の友人に?」

「あいつはあれでも、勝負ごとになると、人を引きつけるような所があるんだぜ。」

「へえー、意外ですね。それはそうと、一緒に食事に行きませんか?」

「・・・悪いな、堅と一緒に飯食う約束してるんだ。」

「そうですか、でも、鳴神先輩、もういませんよ。」

「えっ。」

俺が辺りを見渡すと、すでに堅の姿はなかった。一体どこに行ったのだろう。

「・・・わかった、紅葉。堅もいないし、一緒に飯でも食うか。」

「はい。」

紅葉は嬉しいそうな笑みを浮かべた。なんだろう、その笑みを見てると、しばらく会わないうちに、異性として、綺麗になった気がする。そして、なんだか、ドキッとする。

そんなことを思いながら、俺と紅葉は、購買ではなく、学食に向かった。

「わあ〜、ここが学食ですか。広いですね。」

「うん、まあな。ここに来るの久しぶりだな。」

「そうなんですか?いつもは購買とかで?」

「ああ。購買の方が安いし。それにいつもは、生徒会室で飯食ってから、購買の方が都合がいいんだ。」

「生徒会室でですか?」

「まあ、そのことはあとで話す。とにかく、席の確保と、飯の注文が先だ。」

「はい。」

それから、俺と紅葉は席の確保とと飯の注文を素早く実行した。

「本当にすみません、おごってもらっちゃって。」

「いや、いいさ。ここの学食高いから。」

「本当に驚きました、学食だから、もっと安いと思ったんですが。まさか、値段がファミレス並みだなんて。けど、本当によかったんですか?昴様もそんなにお金があるとは思えませんが。」

「まあ、普段ならな。けど、臨時収入があったしな。」

「臨時収入?」

「ああ。ちょっと、公には言えないけどな。」

「場所、移動しますか?」

「いいや、大丈夫だ。小声で喋れば。」

「そうですか。で、臨時収入って?」

「実はその、あの、生徒会の予算をもらったんだ・・」

「えっ、それって、まずくないですか?」

「うん、わかってる。俺は負けたんだ。伏見の誘惑に。」

「伏見先輩・・」

紅葉は伏見の名を出した途端、表情を変えた。

「伏見先輩って、昴様と交際疑惑のある方ですよね。」

「まあ、そういうことになってるが、別に伏見とは交際してない。」

「へえー、そうですか。じゃあ、これはなんでしょうね?」

紅葉は一枚の写真を叩きつける。

「これは・・・」

朝、清隆に見せられた写真と同じもの。俺と伏見のあーん写真。

「紅葉、それをどこで・・」

「そんなことはどうでもいいです。これはどういうことですか‼」

「それは、その・・」

「例のコーヒーショップに行けばいいんですね!」

「あ、うっ・・」

「昴様、今日、部活後、付き合ってもらえますね。」

「お断り。」

「予算悪用。」

「うっ・・・・」

「いいんですか?このことがばれたら・・」

「わかったよ、行けばいいんだろ、ハッピー・キャリーに。」

「はい!」

こうして、俺は紅葉に弱みを握られる形で、ハッピー・キャリーに行くことになった。





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