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朝起きたらスーパー〇〇〇人になっていた件について  作者: 如月


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第4話 暴走族狩り

家に着いた恵一は再び考えを整理することにした。


・とんでもないパワーがあることは間違いない。

・シベリアまで簡単に飛んでいけるほどの飛行能力もある。

・手から気功波が撃てる。

ここまではわかった。

適当な予想だが、ナ〇ック星でフ〇ーザと戦った時の例の彼と同程度の力はありそうだ。


ちなみに帰りに瞬間移動が出来ないか試してみたが、どうやら瞬間移動はスーパー〇〇〇人固有の能力ではないため使えないらしい。


さて、こうなるとこの力の使い道だ。

これだけの力があっても、適切に使えないのであれば無いのと同じだ。

ちゃんと使いこなせれば人々の役に立つこともできるし、格闘技やスポーツなどで大金をゲットすることもできるだろう。

だからこそ実戦で力のコントロールを学ばなければいけない。


恵一はこのように考えたが問題はその方法だ。

格闘技の道場やジムに入門することも考えたが、そもそも力のコントロールがわかっていない状態で入ってトレーニング機材を破壊してしまったり、スパーリング相手を再起不能にしてしまったりしてもまずい。

あまりに強すぎて目立ちすぎるのも避けたい。


そこで考えた。

『地方の暴走族をボコボコにしよう!』


最初はヤ〇ザをボコボコにすることを考えた。

だがヤ〇ザの場合、一人ボコボコにしただけでも次々と新手を呼ばれることになり、かなりの大事になるのでははないか?

ヤ〇ザごときが何人かかってこようがこのパワーなら負けようがないが、あまりにも大掛かりな抗争になってしまうのはさすがにまずい。


では街中にいるヤ〇キーっぽいやつに喧嘩を売るのはどうだろうか?

いや、さすがに街中だと人目に付きすぎる。

ただでさえスーパー〇〇〇人の姿で警察に逮捕されかけた前科(?)があるのに目立つのはまずい。


ボコっても警察に通報される心配もほぼ無く、しかも目立たない場所で密かに戦闘訓練が出来る相手。

ということで地方の暴走族をターゲットにすることにした。


今でも少し田舎に行けばブンブンブンブンやっている暴走族もどき(?)はゴロゴロいる。

そいつら相手に力のコントロールを学ぼうというのだ。


恵一は実はとても賢い男だった。

夜を待ってから飛び立つことにした。


夜は暗く目立たないのでそこまで上空を飛行する必要もない。

100メートル上空を飛んでいるだけでも誰にも認識されることはないだろう。


街の明かりの少ない方へとひたすら飛び続ける。

あまり高速で飛びすぎると音が聞こえないのでゆっくりとした飛行だ。

だが飛べども飛べどもそれらしき音もないし姿を確認することもできない。


正直ひたすら飛び続けるのも飽きてくる。

午前1時を回った辺りで完全に飽きてしまった恵一は帰って眠ることにした。


翌日、今日は土曜日だ。

もしかしたら週末の夜ならちょうどいいカモに出会えるかもしれない。

期待に胸を膨らませながら夜を待った。


夜になり再び恵一は空へと飛び立つ。

昨日と同じようにスローペースで明かりの少ない田舎道を辺りをひたすら飛び続けるがやはり奴らは見つからない。

午前0時近くになり『今日もダメなのか』と諦めかけたその時だ!


ブォン! ブォォォン!

ズバババッ!! バリバリバリッ!!!


「おおー!キター!」

ついに発見した。

交通量の少ない田舎道、数台の単車。

まさに絶好のカモだ!


すかさず彼らがやってくる少し先の道に着陸して道路のど真ん中で待ち伏せる。


『早く来ないかな…ワクワクが止まらない…』


しばらくすると爆音を響かせた3台のバイクがやってきた。

恵一は手を広げて制止しようとする。

しかしバイクはそのまま避けて素通りして行ってしまう。


『え?なんで!?』


恵一の予想の中では「おい、オッサン!道の真ん中に突っ立って危ねえだろうが!」みたいな感じで突っかかってこられるだろうと思っていたので呆気に取られる。


『どうする?飛んで追いかけるか?』とも思ったが、変に人間離れした力を見せて噂になったりしてもまずい。

あくまでも普通の人間としての殴り合いの訓練がしたいのだ。

仕方なく追いかけるのはやめて今日も大人しく家に帰ることにした。


翌日の日曜日も暴走族ハンティングに出かけた。

昨日とは違う場所だが爆音を響かせていた2台の単車がいたので先回りして道の真ん中で静止しようとした。


「バカ野郎!頭おかしいのか!!」


すれ違いざまに怒鳴られはしたがバイクから降りてくるわけでもなくまたスルーされてしまった。

結局この日も空振りに終わった。


月曜日の朝、恵一は会社に出社した。

会社は至って普通で特に事件が露呈しているということもなかった。


まあそれはそうか、もしそうなら自宅まで警察が押しかけてきているはずだ。

それがない時点で今の所警察は何も掴んでいないということだ。


日中は普通に仕事をこなし、会社が終わると夜は暴走族ハンティングに出かける。

それからしばらくこうした生活が続いた。


結論から言おう、この生活を3週間続けてみたが暴走族とバトルになったことは1度もない。

暴走族を見つけてはなんとかバイクを止めようと試みるが、時々すれ違いざまに怒鳴られることはあれど、止まって降りてくることは全くなかった。


恵一は様々な地域で上空から暴走族モドキを観察しているうちにあることに気付く。

彼らは同じ区域内を爆音を鳴らしながら低速でグルグル回っているか行ったり来たりを繰り返しているだけなのだ。

その先には絶対出ようとしない。


そう、まさに猫と同じだ。

猫をよく観察し、習性を熟知している人ならわかると思うが、猫は数十メートルから数百メートルの自分の縄張り内を絶対に出ようとしない。

出たら危険があり、他の猫や外敵にやられるとわかっているからだ。


暴走族モドキの彼らも全く同じで、その範囲から出たらやられるということを本能的に悟っている。

つまりビビリなのだ。

そんな彼らからすれば、いきなり道のど真ん中に仁王立ちしている怪しいオッサンがいたらただの恐怖でしかない。

最初から戦おうという意思すらないのだ。


しかも大体2台から3台、多くても5~6台程度と昔に比べて小規模であり、抗争などの経験も皆無。

とてもではないがバトルに適した相手ではないということがわかってしまった。


そう、この時点で恵一は現代暴走族評論家とも言えるほどに奴らの生態について詳しくなってしまっていたのだ。

しかしこれで戦いたいのに戦えないという恵一のフラストレーションはMAXまで跳ね上がることになる。


「よし、もう背に腹は代えられない。街にいる適当なヤンキーをボコそう」

そう決意した恵一だったが、これが後にとんでもない大事件の引き金になることは今の恵一には知る由もなかった。

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