第3話 実験
とりあえず今の現状を整理してみよう。
①人間の限界を超えたとんでもないパワーを持っている。
②とてつもなく高速で動ける
③飛べる
④金髪で逆毛の見た目がスーパー〇〇〇人
大体こんなところか。
まず④の見た目を何とかできないものだろうか?
本家も変身状態と通常状態を自由に切り替えられている。
多分いけるはずだ。
姿見の前に立ってみるが未だ状態だ。
心の中で『戻れ、戻れ、戻れ!』と念じてみる。
『お!少し黒髪になってきている気がする!』
さらに強く念じる。
「戻れ、戻れ、戻れーーーー!』
「おお、戻ったぞ!」
やはり自由に戻ることは出来るらしい。
これで見た目の問題は解決した。
下手に変身しなければ警察もこれ以上追ってはこないかもしれない。
次はパワーの把握だ。
再び気合を入れて『変身しろ!』と念じると簡単に変身した。
「よし!いっちょいってみるか!」
机の引き出しにしまってあった方位磁石外取り出すと外に出て一気に上空へ飛びあがる。
ドッ、シュゥゥゥーーーンッ!!
ギュゥゥゥゥーンッ!
昨日はあまり深くは考えていなかったが、とてつもない速度で飛行して凄まじいGがかかっているのに体はなんともない。
おそらくパワーだけでなく耐久度も相当のものなのだろう。
正確な高度はわからないが間違いなく数千メートル、もしくは1万メートルはあるかもしれない。
一瞬にして高高度まで到達。
やはり体は何ともない。
だが…寒い…
滅茶苦茶寒いが死ぬほどではない。
やはり皮膚も強化されている上に若干のオーラが体中を纏っているからだろうか?
もしかしたら宇宙までいけるかも?とも思ったが、本家も宇宙空間では生きていけないような描写があったのでさすがに怖くなりやめておく。
ここから一気に真北に飛ぶ。
ひたすら真北に飛べばロシアだ。
そのまま行けばまず人と遭遇することはないシベリアの奥地へと行ける。
実験にはなにより人がいない環境が必須だ。
他にも人がいない場所はあるだろうが、行って帰ってこなくてはいけない。
そういった意味では真っすぐ北へ行って、南に飛んでくるだけで帰ってこれるというシベリアはベストな場所だと考えたのだ。
とてつもない速度で飛行し、ものの十数分でシベリア奥地へ到着した。
『寒っむ!!』
やはり着陸してもシベリアはさすがに寒い。
いや、この程度の寒さで平然としていられるのは変身しているからだろうか?
それとも冬でなければシベリアといえどもそれほど極寒にはならないのだろうか?
よくわからないが寒いことは寒いが普通に動くことはできる。
早速実験だ。
適当に大きそうな木を見つけて軽く殴ってみる。
ドゴォッ!! ――バリバリバリッ!
軽く殴っただけなのに巨木が簡単にへし折れる。
思った以上にパワーがある。
適度な岩を探して持ち上げてみる。
正直持ちにくいというのはあるが重さはほとんど感じることなく持ち上がる。
そのまま上空に放り投げパンチで粉砕する。
ズガッ……パァァァンッ!!
岩の塊が簡単に四散する。
もう一つ試してみたいことがあったので同じような岩を見つけそれを再び上空に放り投げる。
「はーーーーーーーーっ!!!!」
手に力を込めて一気に放出するイメージをする。
すると手から金色に光る高線が発射され岩を粉砕する。
カッ、ズドドドドォォン!
『で、出た!ということはまさか!?』
すぐさま両手を合わせ、その両手を腰の横に引く。
「か……、〇……、は……、〇……」
((( ◯ )))
シュゥゥゥゥゥゥッ!!
パチッ…パチチッ
「波ぁぁぁぁぁ……!!」
ギィィィィィィィィィィィンッ!!
シュゴォォォォォォォォォッ!!
上空に向かって極太の光線が舞い上がり天を貫く。
「よっしゃーーーーーーーー!!」
本物かどうかはさておき、手から気功派が出せるようなので、それっぽい形で「か〇は〇派」を打ち出すことに成功した。
もはや我が生涯に一片の悔いなし状態である。
『よし、試したいことは試したので一度家に帰ろう』
恵一は上空に飛び上がると方位磁針を頼りに真南へ飛び去るのだった。




