表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢から攻略対象にジョブチェンジします。  作者: 音音
第 4 部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/56

第55話 手紙


「さすがね」


 馬車に乗り込むと、アマリリスはユリウスに悋気(りんき)と共に王太子の侍女から受け取った封筒を押し付けた。


 オレンジ色の封筒。

宛先人も差出人も書かれていないただ封をしただけの刻印のない封蝋(シーリング)から僅かに香るのはエルダーフラワー。


ユリウスは少し考えると、封筒を折り曲げ封蝋(シーリング)を割り開封すると中を確認する。

入っていたのは便箋ではなくカード。


封筒を折り曲げたことで、少し折り目がついてしまったカードに書かれているのは貴族令嬢が手本とするような流麗な字。

オレンジの封筒。

カードに使われた緑のインク。

刻印のない封蝋(シーリング)


同封されたカードにも記名はないが、カードの内容を読まずとも、外側の封筒と封蝋(シーリング)だけで姉のゼラからのものであるとユリウスは予想していた。


この手紙が、ウィデント国の王宮やユリウスが拠点としている屋敷で銀製平皿(サルヴァ)の上に置かれていたのなら、いつものことだと流すしかない。

記名も封筒(シーリング)に刻印がなくとも、ゼラからのオレンジの封筒の手紙は王宮に関わる場所であれば間違いなくゼラが届けたい人物の元へ届く。


似せたものは弾かれるが、本物であれば確実に。


それは、そのまま王宮内でのゼラの影響力を表していた。




カードに書かれたのは用件でも何でもない。


『ウィデント国王太子 ユリウス・ウィデント』


ただそれだけ。


「やはり、この国の王宮内にゼラは居るようだよ」


ユリウスの言葉に、アマリリスは手紙の内容を目にしないようにと馬車の外へとむけていた視線をユリウスの方へ戻す。



ユリウスは封筒の中に入っていたカードをアマリリスに渡した。

 


 ブルス国の王宮内で渡された王太子付きの侍女から渡された手紙。

王太子が促して侍女から侍従をしている自分に手渡されたならともかく、それもなく渡された貴族令嬢が好んで使う封筒に恋文の類いだとアマリリスは不愉快に感じた。

その不愉快さは職務倫理に反する行為に対してと自分の中で言い訳しつつも、態度に出てしまうのは年相応。



「ゼラ姫?」

「あぁ。このまま大使の所へ行くよ」


ユリウスは馭者席側の壁を3回ノックした。


「王太子になることが正式に決定したようだ。アマリリスの婚約式に間に合わせるようにね」


文書なく示された可能性。

少しの期待を胸にウィデント国大使が構える屋敷へと馬車は向かった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ