表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、身に覚えのない冤罪を晴らしたいだけです  作者: 明衣令央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/33

第28話:崩れゆく王家――廃嫡と断罪


 わたくしが倒れたその日――王宮は混乱に包まれていた。


 アレクシス殿下は護衛に拘束され、震えながら父である国王陛下の前に引きずり出される。


「アレクシス……お前は、なんということをしたのだ!」


 国王陛下の怒号が響く。

 アレクシス殿下は震え、涙を流しながら、必死に言い訳の言葉を探す。


「違う……違うんだ……! 俺は……ただ……エレノアを……取り返したかっただけなんだ!」


「黙れ!」


 国王陛下の声は、これまで聞いたことがないほど激しかった。

 けれど、冷静にならなければと思ったのだろう、小さく息をつくと、氷のような冷たい目をアレクシス殿下へと向ける。


「アレクシス……お前には王太子としての自覚も、責任も、誇りもない! お前は……王家の名を汚したのだ」


「ち、父上……」


 その瞬間、アレクシス殿下の膝が崩れ落ちる。


「アレクシス。お前を――廃嫡とし、王宮からの退去を命ずる。お前の犯した罪は、王族として許されるものではない。もう、お前を王太子としておくことはできぬ。今後は北の離れに住まい、見張り以外との一切の接触を断つこととする」


「アレクシス……本当に、どうしてこんなことを……」


 王妃殿下は顔を覆って泣き崩れる。


「父上、どうか考え直してください! 俺は第一王子です! 父上、どうか! 父上!」


 アレクシス殿下は必死に国王陛下を呼んだが、国王陛下はそれに応えることなく、兵士に引きずられていった。




 アレクシス殿下が連行されたあと、王宮にはさらに重い空気が流れていた。

 次に呼び出されたのは、ダロウ男爵と、その娘リリアナ嬢だった――。


「ダロウ男爵、前へ」


 国王陛下の声は低く、怒りを押し殺したような響きを帯びていた。

 ダロウ男爵は青ざめ、震える足で玉座の前に進み出る。


「こ、国王陛下……! どうか、どうかお慈悲を……!」


「黙れ」


 その一言で、場の空気が凍りつく。


「お前の娘リリアナは、王太子であるアレクシスと共謀し、第二王子ウイリアムの命を狙った。さらに、毒を塗った短剣を用意し、刺客を雇い、王族を危険に晒した。これは――王家への反逆に等しい大罪だ」


「そ、そんな……! 私は……私は何も……何もしていませんっ!」


「親として娘の行いを止められなかった時点で、責任は免れぬ。それに……お前に雇われたという刺客たちの証言も一致している。毒を塗った短剣も、お前が用意したものだと調べがついておるのだ!」


 国王陛下の言葉に、ダロウ男爵は崩れ落ちた。


「ダロウ男爵家は、取り潰しとする。領地は没収、爵位は剥奪。お前は王宮の地下牢にて拘束し、後日正式に裁きを受けよ」


「ひ、ひぃっ……!」


 護衛に引きずられていく男爵の姿は、もはや貴族の威厳など微塵もなかった。

 そして、次に名を呼ばれたのは――娘であるリリアナ嬢だった。


「リリアナ・ダロウ。前へ」


 リリアナ嬢は、先ほどまでの狂気じみた笑みを失い、まるで別人のように青ざめて震えていた。


「わ、私は……私は悪くないの……! アレクシス殿下が……そうよ、アレクシス殿下が、エレノアを殺せと言ったのよ……!」


「黙れ」


 国王陛下の声が鋭く響く。


「お前は父親に刺客を手配させ、毒を用意させ、刺客を誘導した。そしてアレクシスと共に毒を塗った短剣で、ウイリアムを襲い、エレノア嬢を傷つけた。その罪は、アレクシスの命令の有無とは関係ない。お前自身の意思で行ったことだ」


「ち、違う……違うの……! 私は……私は……!」


 リリアナ嬢は泣き叫び、床にすがりつく。


「リリアナ・ダロウ。お前を――王宮地下牢に投獄する。罪状は、王族殺害未遂および反逆行為。後日、正式な裁判のもと、刑を決定する」


「いやぁぁぁぁぁっ! 助けて! 誰か、誰か、助けてぇぇっ!」


 リリアナ嬢の悲鳴が王宮に響き渡る。

 しかし誰一人として、彼女に手を差し伸べる者はいなかった。


 こうして――ダロウ男爵家は滅び、リリアナ嬢は罪人として地下牢へと連れて行かれた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ