プロローグ
外は荒れ狂う嵐だった。
風が扉を叩き、稲妻が夜空を裂く。
その閃光の中、ひとりの女が子どもを抱いて城を訪ねてきた。
リディア。
かつて大公が“唯一の愛”と誓った女。
雨に濡れたドレスは重く、桃色の髪は泥にまみれていた。
それでも、その瞳だけは、かつての愛を信じていた。
「……もう一度、あなたの傍にいたいのです」
震える声。腕の中の子がかすかに泣く。
原作では――このあと大公が彼女を抱きしめ、“許しと再誓い”の幕が下りるはずだった。
だが、その男の瞳には、もはや情の欠片もなかった。
雷鳴が空を割る。
その音を切り裂くように、低く冷たい声が続く。
「俺が愛しているのはセレーネだ」
リディアの表情が、凍りついた。
腕の中の子を抱きしめたまま、言葉を失う。
その背後――
光の差し込む窓辺に、静かに立つ影があった。
セレーネ。
銀の月光に包まれ、穏やかに微笑む後妻。
白いドレスの裾が風に揺れ、光の粒が舞う。
大公レオニスの視線は、ただその人だけを見ていた。
リディアの瞳から、静かに絶望が零れ落ちる。
ひとすじの涙が、冷たい石床に落ちた瞬間――外の雷鳴が轟き、世界が軋む音が響く。
◉登場人物
レオニス・ヴェル・エルバーン
Leonis Vell Elbarn
•年齢:26歳
•身長:189cm
•体格:細身に見えるが通常の軍人・騎士以上の体幹。
•肩書き:
・エルバーン大公(北部国境の守護者)
・帝国軍 北部方面軍 総司令
・帝室直轄の特命部隊〈黒鷲〉総帥
・帝国貴族評議会の主要派閥の一角(軍事派)
•通称:
・“氷獣(Ice Beast)”
・“沈黙の大公”
・“北を統べる銀狼”
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■ 容姿
•銀髪:冷たい銀。夜に照明が落ちると青銀になる。
•瞳:蒼。
•雰囲気:静かな威圧。
近づくだけで兵士が無言で姿勢を正すレベル。
•表情:
通常 → 無感情
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■ 性格
•無口
•無駄が嫌い・合理主義
•威圧感MAX
•帝国軍をまとめるカリスマ
•完璧主義者
■ 能力
① 戦闘能力:帝国最強クラス
剣・体術・馬術・弓、どれも軍事レベルの最高峰。
特に剣は“帝国で彼を超える者はいない”と言われる。
② 戦略・戦術
北部を維持できているのは「軍略家としての頭脳が規格外」だから。
地図を一瞬見ただけで有利不利を読み切る。
③ 政治
本人は興味ゼロ。
だが威光が強すぎて、結果的に“政治がついてくる”。
④ 統率力
静かに命じるだけで軍が動くタイプ。
声を荒げたことはほぼない(怒った時除く)。




