表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[立体作品]モンスター美少女たちのパパになったら、全員俺を殺しにくるんだが!?  作者: 矢崎 那央
第4話 第3幕『湖にゆれる幻想の灯火〜静謐の精霊と交わす、おしっぽプレイ〜』
PR
46/314

Epilogue:『傷ついた父は、癒しを求める』


 体中が痛かった。


 あらゆる関節(かんせつ)(きし)み、皮膚は火照(ほて)り、

 背筋(せすじ)はピキピキと悲鳴を上げていた。

 これは間違いなく、おしっぽの対話の影響である。



  ——明らかに、やりすぎである。



 私は地面に横たわったまま、天を(あお)いでいた。

 だが、肉体の痛みとは別に、心の奥にひとつ、

 奇妙な痛みがあった。


 アクウェリーナとの間に、

 確かに心の交流があった……はず。

 それなのに、胸がチクリと痛む。


 

 「ははっ、なるほど、これは」


 「私の深層心理(しんそうしんり)からの、

 “もっとちゃんと向き合え”という警鐘(けいしょう)だな?」



《それは普通に“拒絶された心の痛み”だ》



 「我々は分かり合ったのだ。

 激しく、濃密(のうみつ)な、言葉を超えた対話によって!」



 私はふらふらと起き上がり、

 そして、腕と脚を同時に(ひきつ)らせて、再び倒れた。


 

 「……くっ、なんと過酷な愛だ……!」



 ()き火の向こうで、

 ウェーリーは静かに寝息(ねいき)を立てていた。


 尾鰭(おびれ)が、ぴくぴくと動いている。

 夢の中でも、私と楽しく対話しているのだろう。



《いや、引き続き男をしばいてる可能性が高い》


 

 私はその寝顔を見て、静かに微笑(ほほえ)んだ。

 そして、ひとつの決意を胸に(きざ)んだ。



 「……よし」


 「私は、父である。

 ならば…再び立ち上がらねばならぬ」



 私はゆっくりと、痛む体を起こした。

 足を踏み出す。その歩みはぎこちなく、

 まるでカカシのようだった。



 「……だが、そうだな。そろそろ、

 インターバルがあっても良いのではないか?」


 「いや、むしろ必要だ。人間には、休息が必要だ」



 私は、ばきばきと音を立てる関節を鳴らしながら、

 背筋を伸ばした。



 「というわけで、次は癒しの体現。

 フィロレーナのもとへ向かおうと思う」



 私は、ぼろぼろの体を引きずりながら歩き出した。

 

 砂利(ジャリ)を踏む足音が、痛々しくも、誇らしげに(ひび)く。


 次なる“父性の試練”へ。

 新たな娘のもとへ。



 ——その先に何が待つかは、まだ誰もが知らない。


    

《だが、ひとつ言えることは、きっとそこにも痛みがあるということである》



——the episode’s end.

しっぽで叩かれた背中をさすりつつ、私は歩き出す。

向かうは、緑に囲まれた廃園。

そこで待つのは、やさしくて、ふわふわで、やたらと胸の大きい娘。


だが油断してはならない。

癒しは、時に人を殺す。

次なる試練は——“無自覚えろす”との全面戦争である。


——ご期待ください。


——次回予告。

次回、第5話 第1幕 パパとしてお茶会に招かれたら、窒息と中毒で死にかけてるんだが!?〜ぽわぽわ系植物娘の癒しは命懸け〜。


——エピローグあとがき——


この物語に登場する、魅力的な“娘たち”──

実は、作者がひとりひとり、立体作品として造形しています。

  挿絵(By みてみん)

(※画像は、静謐のマーメイド「アクウェリーナ」)


もしお時間がありましたら、彼女たちが登場する

〜もうひとつの物語〜

『君は、風に還る。』もぜひご覧ください。


https://ncode.syosetu.com/n3644kl/


異形の少女たちが、自分の翼で“生きる意味”を探し旅をする。

そんな、少しだけ優しくて痛みをはらんだ物語です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ