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かけがえないんだろう、と騙されてあげる  作者: 今井葉


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そう思ったら心の奥底が透明色になる。―女生徒

 夜、洗濯をする時の気持ちにこんな気づきを教えてもらうなんて。太宰治の『女生徒』に救われる思い。洗濯は億劫なものでしょう? そう思っていた。



 洗濯機は夜回す。翌日の朝に、お弁当と朝ご飯を作るので手一杯で洗濯までできないから。作中では十二時にじゃぶじゃぶ洗濯するようだけど、私が洗濯機のボタンを押すのは九時頃。さすがに十二時には布団で眠っていたい。主人公の「私」が洗濯板で服を擦り合わせる十二時。見上げると窓からお月様が笑いかける。かわいそうだね? そんなふうに言ってくれているような気がする。パリの娘さんにも笑いかけたと同様に。



 かわいそうだね? さみしい思いをしているのは私と、もしかしたら世界の誰か。苦しみは、誰も知らないけれど、お月様がそれを知っていてくれているはず。そう思ったら心の奥底が透明色になる。



 洗濯物を干している、手先も、眠い瞼も透明色になる。



 「明日もまた、同じ日が来るだろう」。たしかにそうだけれど、一日を終えて、「どさんと大きい音をたてて蒲団にたおれる」時、うっとりして「幸福は一夜おくれて来る」なんて言葉を思い出す。




 シンデレラの気分で眠る時の気持ち。闇に沈む体に落ちる月明かりに癒やされて、幸福の知らせを待っている。





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