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推しのアイドルが所属しているグループのメンバーが俺の家に入り浸る  作者: 揚羽常時


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第179話:こじれている様な?


「じゃ、ご馳走様だね。マネージャーさん♪」


 ニコッと微笑んで、グラビア撮影の現場で別れる。ランチを奢って、それから現場にとんぼ返り。そして。


「マ・ア・ジ?」


「…………マアジ?」


 まぁそうなるよな。


「ほい。スマホ」


 俺は恋人のルイとタマモにスマホを差し出した。SNSアカウントに星空野シータ名義。


「もう。目を離すとすぐこれなんだから」


「…………あたしたちの恋人の自覚ありますか?」


 存分にあります。


「マネージャーの営業とでも思ってくれ」


「ランチしてきたの?」


「ああ、奢ったぞ」


 領収書は切ったが。


「じゃあボクたちにも」


「…………奢ってくださいますよね?」


 構いはせんが。楽屋のお弁当はどうする?


「ちなみにコメントはするの?」


「俺からはしないし。無視しろと言うならそうする」


 既読スルーは既に言ってるし。了解はとれていないが。


「不安ならいくらでもスマホ覗いてくれ。ログ辿ってもいいぞ」


 言った瞬間。コメントが来た。


『今度いつ会える?』


 もちろん既読スルー。


「ボクが返信していい?」


「構いはせんが」


 どうせ桃野ヲヒメともルイが交流しているし。浮気を疑われるのは本意ではないし、俺はルイとタマモを本気で愛しているから他の女にはあんまり興味がない。オメガターカイトでギリってレベルだな。スターガーリー51がどれだけトップスターでも、だから何で終わってしまう。


 で、俺のスマホをルイが弄る。なんか開示請求が激しいヤンデレヒロインっぽいが、俺は別に嫌いじゃない。理性的なルイは別に何もしないだろうし。


「今週の仮免ライダーなんだけど、と。一号ライダーと二号ライダーのカップリングについて……」


 なんちゅー話題を出してるんだ。まぁいいか。BL好きの腐男子と思われたら引いてくれるかもしれないし。腐男子ではないのだが。好きなサークルがBL本出したら買うけど。


「じゃ、帰るか」


 ランチをしている間にルイたちも撮影は終わっている。来月には写真が載るだろう。


「ディーヴァラージャの桃野ヲヒメならともかくさぁ。なんでホシガリ?」


「まったく知らん」


 スターガーリー51のセンターアイドル星空野シータ。一人だけで何億と稼ぐドル箱。その彼女が俺に目を付けた理由なんて考えるだけ意味不明だ。佐倉コーポレーションの関係者だからか? しかしそんなことを知っているわけもないだろうし。


「じゃ、ご飯奢ってもらうぞ。タマモもいいよね?」


「…………はい。……奢ってもらいます」


「牛丼でいいか?」


「魚」


「…………賛成」


 じゃあ海鮮料理屋に行くか。そうして新鮮な魚が店の中央の水槽で泳いでいる料理屋に来た。


「アジの活き作りと、イカの活き作りと、タイ茶漬け」


 もう好きにしてくれ。俺は飯食ったばっかりだし、アジの活き作りの後のお造りで骨フライを楽しみにしていよう。


「マネージャーさん腐男子なんですか? だって」


 案の定不本意な評価をされていた。否定する意味もない言葉だ。好きにしてくれ。


「っていうか、アイドルに好かれ過ぎじゃない?」


「お前がそれを言うか」


「ボクはほら。マアジとは運命だし」


「…………あたしはマアジが大好きですよ?」


 ありがとうございます。イカの刺身を食べつつ、俺はそう言う。


「ちなみにヲヒメからはコメント来てるか?」


「うん。まぁ。チョクチョクね」


 俺も知ってないわけじゃないが、対応してるのはルイだしな。性格が悪いというか黒くて悪いというか。


「シータちゃんに傾いたりしないよね」


 はっ、と俺は笑う。


「愛してるぞ。ルイ」


「ッッッ!」


 言われて、顔を真っ赤にするルイ。率直に言われると思わなかったのだろう。


「言っとくけど、お前らが思ってるより、俺はルイとタマモに狂ってるからな?」


「杏子とキスする癖に」


「…………ですねー」


 ソレを言ったらオメガターカイトとだろ。全員とキスしている。


「最近はリンゴがちょっと目立つよねー」


「…………やっぱりオーバリストがいいんですか?」


 いや。テスタメイトとか言っているアイツの声が大きいだけ。


「ところで御法度リリンっていつもやってるのか?」


「さぁ。どうだろ。探偵じゃないんだし。オメガターカイト限定じゃない?」


「男の影があれば即処分か」


「その男に入れ込んでいる時点でリンゴもなー」


「言ってやるな。アレでもオーバリストの孤独は知っているだろうし」


 佐倉財閥に保護されていないオーバリストは、自らの能力で孤立を覚えるケースが多い。そういうのを保護するのも佐倉財閥の使命なのだが。アジの刺身をパクリ。これ共食いか?


「言っておくけど。浮気したら刺すからね?」


「すでにしているんだが」


「オメガターカイトはギリ許す」


「タマモも?」


「…………まぁ毒入りスープくらいは出しますけど」


 生憎と毒は効かんのよ。


「エルフだもんね」


 イエスアイドゥー。


「…………そのミストルテインですか? ……便利なら広布しないんですぁ」


「まだ実験段階だからな」


 神経に難のある患者とかに医学利用は検討されているらしいが、そもそも寄生植物の肉体への適合率もある。俺の九十九パーセントの適合率は、どちらかと言えば少数派だ。なので、まだ技術的に未知の部分も多かったりする。


「それについては御免だぞ」


「ルイが何かしたか?」


「それはまた今度話すね」


 俺にはさっぱりだが、時折ルイは俺との過去をポロッとこぼすことがある。アジの刺身を食い終わって骨の唐揚げが出される。うーん。美味し。


「にしても……星空野シータかぁ」


「…………殿上人ですね」


「ルイとタマモの方が可愛いがなぁ」


「市場が言ってるじゃん。シータちゃん可愛いって」


 まぁなぁ。握手券だけで激しい取り合いになるのだ。星空野シータねぇ。


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