第253話 経済復興
魔族領から視察に来ていた、プセウドテイさん達が帰ってから半年が過ぎた。
帰る時にスピリトゥスさんが、しきりにシャワートイレを欲しがっていたけど。
今の魔族領では下水道などの設備が無く利用できないことを話した。
するとセトラー国との差を早く埋めたいと息巻いていた。
火竜の素材を売るオークションも無事に終わった。
ジリヤ国の各領だけではなく近隣の国にも声を掛け盛大に盛り上がった。
魔族領は開墾をはじめ収穫までには時間が掛かる。
そのため、対価の一部を穀物で支払ってもらい残りは通貨にしてある。
魔族領までの道は今のところ無いので、セトラー国を通して物資は俺が『空間結合』を使い運搬をしている。
牛や豚、鶏、羊を魔族領から分けてもらいセトラー国でも『畜産』を始めた。
魔族領には人を派遣し乳用牛の飲用や、チーズやヨーグルト、バターといった乳製品を生産する『酪農』を教えている。
彼等も自国のことが精いっぱいで、しばらくは内政に力を入れることだろう。
季節も秋になり綿の収穫時期だ。
羊の毛刈りも夏前に終わり僅かだけどウールが手に入った。
これで暖かい服が作れる。
この世界の生地は薄く冬場は、幼児が寒さで亡くなることが多い。
保温性のある綿やウールで作った服が普及すれば死亡率も下るだろう。
アバンス紡績店で徐々に生産していくしかないが。
そして小人族が作る煙草の初めての収穫があった。
販売を始めると彼らの栽培した煙草は好評で高値で売買された。
まさか幻覚とか見えたりしないよね?
そしてセトラー国も人口が増えると同時に街も発展していく。
アレン領から毎日、蒸気機関車で通いで来ている人が多く宿屋の要望があり施設が増えていく。
屋台も増え観光客も紅葉を見にやってくる。
鉄道の開通と共に人々は、蒸気機関車に乗って旅が出来るようになった。
王都隣のウォルド領からアレン領、アレン領からセトラー国を経由しラードルフ国のマジスカ領へ。
そして蒸気機関車の中で景色と食事を楽しむ『お座敷列車』は人気の的だ。
この世界の人達はよほどの理由が無いがないかぎり一生、生まれた街を出ることはない。
街の移動が困難で移動手段も徒歩や馬車のみだからだ。
街道は野盗や魔物が多く命がけになる。
それを蒸気機関車という特殊鋼板製の装甲による、防護力も備えた車両に乗り他国に旅行が出来るなんて夢の様な話に思うだろう。
列車の中から周遊しながら魔物を観察できる。
魔物も襲ってくることはなくシルバーウルフ親子の、たわむれる姿を鑑賞できると評判になった。
そして街で買い物を楽しみ、また花見をしながら安全に戻ってこれるなんて。
各訪問先は観光客が増えていき街を潤していく。
セトラー国からの鉱石加工で人々は仕事にありつけ、得た収入でまたお金を使う。
停滞していた経済が回り始めていく。
近隣諸国はセトラー国無しではもう経済が回らなくなっていく。
応援頂きましてありがとうございました。
本編はこれにて完結となります。
また機会がありましたら、サイドストーリーとして投稿したいと思います。
今までご愛読、ありがとうございました。
今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。




