第223話 レッドキャップ
騎士団がゴブリンウィザードを蹴散らしていく!
しかし中央突破寸前で立ちふさがる者がいた。
「なんだ、あの赤い帽子のゴブリンは。怯むな、たかがゴブリンだ!」
「いけ~!」
「おぉ~~!!」
ド、ド、ド、!!ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド!!
ド、ド、ド!!ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド!!
ブシュ、ドバッ!!グサッ!ドバッ!!グサッ!ブシュ!
ド、ド、ド、!!ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド!!
ド、ド、ド、!!ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド!!
「「「 うわ~!やめろ~!! 」」」
ド、ド、ド、!!ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド!!
ブシュ、ドバッ!!グサッ!ドバッ!!グサッ!ブシュ!
ド、ド、ド、!!ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド!!
「「「 よせ~~~!ぎゃ~~!! 」」」
何と言うことだ。
赤い帽子のゴブリンの手にした斧で、騎士が馬ごと断ち切られていく。
俺は嫌な予感がして鑑定を使った。
【スキル・鑑定】簡略化発動!
名前:レッドキャップ
種族:魔物
年齢:230歳
性別:オス
【特徴】
ゴブリンの上位種。
恐るべき速さで接近し、斧を振りかざし襲ってくる。
人を惨殺した後、その血で帽子を染め上げることを至上の喜びとする。
「逃げてください。みなさんでは勝てません!」
俺は力の限り叫ぶが、俺の声は喧騒にかき消され届かない。
「くそう、どうすれば良いんだ」
そうしている間にも、騎士団はレッドキャップにやられている。
そして周りのゴブリン達にも押しやられ、統制も乱れつつある。
突破して道を切り開いても一度、歩みが止まれば道は元に戻る。
俺達もゴブリンに囲まれてしまった。
騎士団長アーガスが叫ぶ。
「騎士団員はそれぞれ背中合わせで円陣を組み、身を守りながら戦うんだ!」
このままでは、じり貧だ。
後方を突破し街に戻っても、ゴブリン達を倒さないと街は壊滅する。
ならば答えは1つ。
レッドキャップを倒すことだ。
「ここは頼みます!!」
俺はリンリン、ランランにビッチェ王女を任せ前に進むことにした。
だがどうも調子がおかしい。
俺は今までの様な力がでないことに気づいた。
いったい、どうしたと言うのだ?
まるでこの世界に転移してきたばかりの時のような頼りなさだ。
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!
ブシュ、ドバッ!!グサッ!ドバッ!!グサッ!ブシュ!
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!
ブシュ、ドバッ!!グサッ!ドバッ!!グサッ!ブシュ!
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!
ブシュ、ドバッ!!グサッ!ドバッ!!グサッ!ブシュ!
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!
ブシュ、ドバッ!!グサッ!ドバッ!!グサッ!ブシュ!
向かってくるゴブリンを、俺達は風のように断ち切りながら進む。
見えてきた!
先頭の騎士団はレッドキャップ相手に壊滅状態だ。
だが後続はそんなことは知らずに進んでいる。
そしてレッドキャップは斧を下げ、斜に構えてニヤリと笑う。
格好の餌食がきたと。
俺は走りながら右手にクレイモア、左腕に盾代わりの『収納防御』を纏った。
ストレージは生き物を収納できない。
これを利用し俺は部分的にストレージで腕を覆ったのだ。
そして物理攻撃は受け止め衝撃を収納する。
レッドキャップは一歩踏み込んだと思うと、すぐ目の前にいた。
〈〈〈〈〈 ガッ!! 〉〉〉〉〉
ギィ!
レッドキャップは首をかしげる。
防がれたことが腑に落ちないのだろう。
そのたびに俺は腕をクロスし、やつの衝撃を収納した。
レッドキャップは一歩踏み込んだと思うとすぐ目の前にいた。
ガッ!!
とっさに『収納防御』を纏った左腕を前に出し、攻撃の衝撃を収納しながら右手の剣を水平に振るう。
シュッ!!
かわされる!!なんて速い動きなんだ。
いや、俺の動きが以前より遅くなっている?!
ギィ!
レッドキャップは首をかしげる。
防がれたことが腑に落ちないのだろう。
俺は【メンタルスキル】沈着冷静で落ち着きながら、高速思考で策を練る。
奴は身軽な上に攻撃力がある。
魔法を使い倒すのは簡単だ。
だがこの乱戦で騎士団や魔物が入り乱れる中で魔法は使えない。
俺に出来ることは奴の攻撃を受けた時に一瞬動きが止まる。
その隙を狙って剣を振るうのみだ。
しかしいったいどうしたのだ俺は?




