第211話 剣との出会い
俺はビッチェ王女に連れられて、騎士団の訓練場にやって来た。
広さとしては学校のグランドくらいだ。
そこに2階建ての建物があり中に2人で中に入った。
ここは寄宿舎なのか入り口にはカウンターがあり、50代の白髭の男の人が居た。
「こんにちは、ガスター」
「こ、これはビッチェ王女様。どうされたのでしょうか。こんなところへお越しとは?」
「実はこちらのエリアス様に、防具と剣を貸出してほしいのです」
「このあんちゃんですか?」
「はい。実は今度、魔物討伐に行くのですが装備が無くて…」
「装備がですか?まっ、詳しいは聞かないことにしますよ」
ガスターと言われた角刈りマッチョは俺の方を向きこう言った。
「ここは騎士団の寄宿舎だ。ここで騎士は寝起きをして訓練に励むんだ。だが防具や剣は騎士用のもので、たいしたものはないぞ」
あぁ、やっぱり使いまわし品か。
防具は使用済みなら臭いと嫌だな。
「こっちに来い」
ガスターさんに言われ俺達は、奥の部屋に入った。
むっとするような汗の臭いがする部屋に案内された。
「ここら辺が防具だな」
そう言われ中を見てみる。
同じような作りの防具ばかりだ。
「ライトアーマーくらいしかないからな。まあ頭、肩、胸、胴から太腿辺りまで守れるから、ちょつとした攻撃ならこれで十分だろ?」
俺は汗臭いのを我慢して何着か試着し、サイズの合うものを見つけた。
「次は剣だな、こっちに来い」
今度は隣の部屋に来た。
「剣はここだな、好きな物を持っていけ。まっ、ろくなものはないがな」
俺はせっかくあるんだからと、鑑定を使い品定めをした。
どの剣も粗悪品ばかりで、これが騎士団の剣なら大したことは無いと思った。
手に取ってみても同じだった。
そして1つだけ目につく剣があった。
置いてあると言うよりは、立て掛けてある剣だった。
【鑑定】
名前:クレイモア
全長:約1.4mの大剣
重さ:30kg
単純に剣身を大型にした、切れ味よりも重さで叩き切る剣
「この剣はなんですか?」
「これはクレイモアと言って両手持ち用の剣だが、誰も重すぎて振ることが出来ないんだよ」
「随分前に王様がドワーフの鍛冶屋に依頼して作らせたものさ。『丈夫でドラゴンでも倒せる剣』を造るように、てな」
「へえ、見るからに丈夫そうですね」
「確かに丈夫さ。ヒヒイロカネを混ぜて作られた剣だからな。しかも誰がそんな重たい剣を、持って移動できるんだ?だから剣は出来たが、お蔵入りて訳さ」
そんなに重いのか。
だがなんとなく、俺なら持てる様な気がした。
「持ってみても、いいですか?」
「あぁ、持てるならな」
上に向いた柄の部分を掴んだ。
そして持上げる。
「お、お前。持てるのか?」
「どこかで振れるところは、ないでしょうか?」
「中庭に行こう。着いて来い」
俺は剣を持ったまま、部屋を出た。
そして建物から中庭に出た。
「では、いきます」
シュッ!シュッ!シュッ!
シュッ!シュッ!シュッ!
上段、中段、下段と剣を振る。
左足を引き腰を落とし、膝に力を貯めた。
剣を抜き刀を外側に捻り、抜き放つ瞬間にそのまま刃は水平に振り抜く!
ザァァァァァァ~!!
手首を反らしせて柄を握り、二の太刀で首を狙う!
ヒュン!!
これは重さと長さと言い俺に丁度いい。
「す、凄いですわ。エリアス様」
ビッチェ王女様が驚いている。
「あぁ、まったくだ。振れる奴がいるとは思わなかった。しかも片手とはな」
「この剣が気に入ったのですが」
「持っていけ、お前の剣だ。肩に担ぐような剣は誰も使わん、鞘は無いからな」
「はい、ありがとうございます」
俺は礼を言って、イルゼさんと騎士団の寄宿舎を後にした。
これでライトアーマーと剣を手に入れた。
俺の身長は172~3cmくらいだと思う。
剣の先を下に向け立てると、柄の部分が胸のところまでくる長さだ。
大剣だがまるで、俺に合わせて作られたような使いやすさだった。
ダミー用と考えていたけど、これなら十分使えそうだ。
この世界で起こる多くの危険から、身を守ってくれる剣に出会った日だった。




